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「SS (二次創作小説)」
Macross After

箱庭の小人たち

ちょっと遅いですが

残暑お見舞い 申し上げます


             箱庭の小人たち
  


防災の日にちなんで、一条家の夏の恒例行事と、ヒカミサの終の住処となった星をご紹介。





「 未来ー! 行くぞ~ 」
「 うんっ! ママ、いってきます 」
「 気を付けてね 」

  「 「 ハーイ 」 」


蝉がジジジと最後の求愛に勤しんでいる。 未来に麦わら帽子をかぶせてやり、手をつないで歩いていった。 


「 パパー せみさん なんて ないてるの?」
「 ツクツクボーシ ジジジ~ヨ ジジジ~ヨ かな?」
「 ううん、にんげんご で 」
「 好き好き 愛してる~ かな?」
「 パパみたいね 」
//// そうとも言う ・・・ な 」
さん “もう、いいよ  もう、いいよ~” って、フラれちゃってるね 」
「 夏だから “暑っついよ~ 暑っついよ~” って、言ってるんだ 」
「 そっか ママも パパに いってるもんね
「 ・・・・・・・・ 」


そう、最近の未沙は冷たいのだ ・・・

残暑の太陽は容赦なく、天空から刺すような日差しを振りかざす。 


「 こんにちわ 」 「 こんにちわー! 」


ムームーとアロハを着たご近所の仲良し老夫婦の会釈に、2人で挨拶を返す。 時々未来がおやつをもらうのだ。


「 あ! まっぴるまオバケ  だ! 」


打ち水が陽炎となって揺らめいたのを、未来が指さして駆けて行こうとする。 は車や自転車が通らないのを確認して、つないだ手を離した。


「 あーあ。 消えちゃった ・・・ 」
「 恥ずかしがり屋なのさ 」


未来の頭を、帽子の上からポンポンしてやる。 再び手をつないで、ショッピングモールに向かった。 



ここは広大な宇宙の、とある銀河の、とある惑星。 
 
箱庭の小人たち
 Andromeda Galaxy



銀河系の中心部でブラックホールに突撃し、その後アンドロメダ星雲を越えた所で出くわした監察軍らしき軍団から逃れてフォールドを繰り返し、おとめ座超銀河団を脱出。 エンヤコラ エンヤコラ 宇宙のお上りさんよろしく突き進み、やっと出会えた居住可能なこの星でメガ・ロード一行は腰を据えた。

遥か彼方の故郷、天の川銀河 Milky Way Galaxy の地球と交信が途絶えて久しく寂しくはあるが、一行は新しい第二の故郷の開発やら自らの生活やらに、毎日結構楽しく忙しくやっている。

メガ・ロードと言う箱舟からやって来た小さな住人達を、この地球に良く似た大きな星は快く受け入れてくれたようだった。


「 つぎは、みず ! 」
「 えーっと、水・水っと ・・・ 」


自宅にはどの家庭にも活水器があるので普段は水を買わないが、保存用の物はペットボトルだ。 いくら携帯用の浄水器があっても、あんなストローでは心許ない。 

未来未沙の書いたメモを読み上げ、が探す。 

未沙は午前中に引き続き大掃除中で、後から車で来る予定だ。 
午前中は一家総出 (と言っても3人だが) で大掃除をし、お昼は庭でお弁当を食べた。 未沙は汚れが落ちやすく色々乾きやすい夏に大掃除をする。 しかし年越し前にも「新しい年を迎えるため」と、夏より簡素ではあるが大掃除をするのだ。 普段からこまめに掃除をしているのでそんなに必要ないとは思うのだが、彼女は畳を陰干しする等、徹底的にやらないと気が済まないらしい。 

そして午後の今、2手に分かれて第二の恒例行事の準備だ。 


「 かんづめ  はっけん! しんろ へんこう!」
「 了解! 関連商品で近くにまとめてるんだな 」
「 おもかじ  いっぱーい 」
「 アイアイ・サー! よーそろー 」


乗り込んだモンスターのキャラカートで陣頭指揮をとる未来に従い、が進路を変更した。 さすが4歳になると重くて、荷物が満載のカートでは気を付けないと方向がぶれる。 未来がコレに乗れるのも、もうそろそろ終わりだろう。


「 これ美味そうだな 」
「 よけいなものは かいません! 」
「 ハイハイ 」


非常食も一昔前に比べ随分品揃えが多くなり、手軽で美味しくなった。 宇宙食の研究の成果だろう。 昨日家族3人でTVを見ながら、紹介された防災グッズに「あーでもない こーでもない」と言い合って目星を付けた商品をカートに投げ込んでいく。


   
箱庭の小人たち   
レスキューネットオリジナル 備蓄セット 3,000円


輝と未来が四苦八苦して梱包していると、未沙がやってきた。 


「 お疲れ様。 大変だった? 」
「 未沙のメモのお陰で、大丈夫だったよ 」
「 みくね、ぜんぶ よめたの 」
「 まあ、おりこうさんね 」


未来のために平仮名で書いたメモを、100点満点でクリアできて満足そうだ。 まあ、実は難しそうな物は絵にしてあげていたのだが。

車に荷物を詰め込むと、既にトランクの中には未沙が取りに行った物が入っていた。


「 全部借りられた? 」
「 予約しておいたし、夏休みとズレていたから大丈夫だったわ 」


一条一家の住まいはハイセキリティーエリアだが、隣の地区には町会長夫妻が住んでいた。 一条家の地区では町会がなかったため、懇意にしていた町会長のエリアの会に所属させてもらっていた。 町会費で共同購入した数々の品は、事前申請で借りる事が出来たのだ。
箱庭の小人たち
COLEMAN ポップアップシェード アーガイル LG2011

「 わーい! テントだあ 」
「 あ、未来。 まだ入っちゃダメだぞ 」
「 もう少しで拭き終わるから、待ってて 」
「 ぶ~  ! はやくぅ~ 」


輝が広げた “テントもどき” を未沙が拭く。 
ただ今一条家の庭では、小人たちがせっせとミニキャンプの準備中だ。 今晩はテントに見立てたサンシェードで、輝と未来が寝る。 
雨が降る予定はなく、夕方になり風も出て涼しくなってきた。 

輝と未来は用意ができると早速テントに入り、狭い中でゴロゴロして騒いだ。 未沙はそんな2人を満足そうに目を細めて見ながら、バーベキュー用の鉄板を洗っている。 


「 輝ぅ、お願い~ 」
「 ほいほい 」


輝は土方風にかぶった頭のタオルを締め直し、未沙の方へ行った。 
ちなみに未来はオレンジ色のバンダナで、未沙は庭いじりの時にかぶる農家の嫁風ハットだ。 

輝は大きく重い鉄板を高い所に干し、テーブルやバーナー等を準備する。 その間に未沙と未来は、夕食の具材や食器を用意した。 


「 未沙ぁ、頼む~ 」
「 はいはい 」
「 ながーい! 」


輝が持ち出したのは縦半分に切った長いパイプで、オーバーテクノロジーの粋を結集した超軽量合金できた “ただの雨どい”  の再利用品だ。 町民達にキャンプ用品と共に人気のこれも町会の貸与品の一つで、工務店のおじさんの提供。


「 うんしょっ! おいっちにっ! 」


両端を輝と未沙で持ち、未来は真ん中に掴まってぶら下がり掛け声係りをして、一丁前にお手伝い気分だ。 


「 洗濯した未来を干しちゃうぞ~ 」
「 わーい! もっと たかく~ 」
「 ふふ。 でも、ごめんなさい。 未来ったら重くって 」


未沙が肩からパイプを降ろすと、未来は頬を膨らませた。


「 おさるの かごや したーい 」


超軽量と言えど長いので、いつものように   えーっさ えーっさ ・・・ とはやってあげられない。


「 ごめんね、未来 」
「 あとでパパが缶ポックリ作ってやるよ 」
「 ん~ じゃ、おさるかごは  こんどね 」


ちゃっかりした未来に笑いながら、パイプをセットする。 輝がそれを洗っている間に、未沙と未来が素麺とおかずを持ってきた。 



箱庭の小人たち



「 2人もお疲れ様。 これで年末まで気持ちよく過ごせるわ 」
「 未沙もお疲れ 」
「 防災道具もちゃんとして、安心ね。 じゃ、輝 」
「 ん。 1年間、天災がなく過ごせますように。 カンパーイ! 」

「 乾杯 」 「 かんぱーい! 」


夕闇の中、ランタンの光がテーブル上の晩餐と、元雨どいの流しそうめんロードを照らす。 



 ~ 今宵のMENU  ~

流しそうめん パイプ風
いたずらな一年熟成 ペットボトル水
小悪魔だけど単なる バーベキュー
森の仲間の 缶詰たち



年に一度、防災の日は用品の点検をし、翌年までに賞味期限切れになる食品を食べる。 未沙は普段は缶詰をほとんど使わないので、珍しいメニューに未来は大はしゃぎだ。 缶を開けて鉄板に直に置き、一味やチーズ等でちょっと手間を加えてをグツグツやるのが、アウトドア気分を盛り上がらせる。


「 あら、コレ賞味期限まだ大丈夫じゃない 」
「 パパっで~す 」
「 まあ、パンの缶詰って・・・ 」
「 それも、パ ―― 」
「 うわっ、いい香りだな~ 」



箱庭の小人たち 
おいしいふっくらパンの缶詰 BonneChance 富士山の水シリーズ



鉄板で温まったパンを3等分に割ると、湯気と香ばしさが広がる。


「 うん、もう。 余計な物は買っちゃイヤって言ったじゃない 」
「 去年TVで見て、喰ってみたいって思ったんだー 」
「 聞いてないんだから 」
「 ふーん、未沙の焼いたパンの方が、やっぱ美味いな! 」
「 うん、もう・・・❤ 」


去年は雨が降ったので、家の中でサンシェードを張った。 
その前はまだ未来が小さかったので、やはり町会から借りた蚊帳をテント代わりに張った。



箱庭の小人たち 
東京生まれ  宮岡商店の 「三ノ輪ラムネ」 百円也


未来がお友達の電話から戻ると、輝と未沙は揃ってビールジョッキを傾けておしゃべりを楽しんでいる。 つまみは自家製豆腐に、薬味のネギ・ミョウガ・シソをたっぷり。 昼間茎から外した枝豆は、表面に付着した粗塩が利いて美味い。  

未来は未沙の横へ必要以上にくっついてベンチに座り、自分用に用意されたラムネのビンをカラカラ鳴らした。 透明感があるガラス色のビンはカンテラの光をその露に煌めかせる。 中のビー玉は知恵を働かせて開けられる者だけが、手にすることができる宝物だ。

しかし、今の未来にはそんな魅力的な宝石でも物足りず、足をブラブラさせてとうもろこしに齧り付きながら、父と母を上目遣いで見詰める。


「 ふふ。 それでね、新しいオペレータの子が ・・・ 」
「 しってるよ! もしもしする おしごとの ひとでしょ 」
「 あー、あの子? でもさあ ・・・ 」
「 このまえきた おねえちゃん? 」
「 それが、結構侮れないのよお 」
「 みくも すなばで あなほったよ 」


ついに未来は未沙の膝に乗り、仲の良い2人の会話に何とか入り込もうと口を挟む。 夫婦の楽しい時間を中断されるが、時々とんでもない大人言葉が飛び出す未来の知ったかぶりに、父母が笑わせられるのがほとんどだ。 


 箱庭の小人たち
ブリキ金魚じょうろ


未来がお気に入りの如雨露を持ったまま輝とお風呂から出ると、未沙が蚊取り線香  をセットしていた。 

なつかしい香りに、輝は祖母の家を思い出す。


「 ちゃんとお布団かぶって寝るのよ 」

  「 「 はーい 」 」

「 ねんこの前のおトイレは済んだ? 」

  「 「 すみましたー 」 」

「 じゃ、お休みなさい 」

  「 「 オヤスミなさーい 」 」


2人がテントもどきに入り寝る準備を整えると、未沙はランタンを消した。 すぐに中で懐中電灯の明かりが灯り、輝がテントもどきの天井にさっきやった提灯花火を吊り下げる影が見える。 小さい影が大きい影に跳び付いて、キャッキャやっているのか聞こててくる。 ついに暴れ出したのかテントもどきが揺れて、時々足や肩が押し出す膨らみがモコモコと動いた。


「 寝ない人には、もれなくオバケ  が来まーす 」


シーーーン



ふっっと灯りが消えて静まるのに、未沙はクスクス笑いながら家に入って行った。

縁側の掃き出し窓が閉まり障子が引かれたのと同時に、テントもどきの入り口から輝と未来の顔がニュッと出る。 

未来が輝に、覚えたてのお気に入りの呼び方で話し掛ける。


「 とータン、おほしさま きれいね 」
「 きれいだな 」
「 バルキリーからなら もっと きれい? 」
「 そうだな 」
「 みくも きっと つれてってね? 」
「 もっとお姉さんになったらな 」
「 とータンとママみたく ほしぞらデートするの 」



 箱庭の小人たち
撮影: 大阪府立科学館の学芸員さん
 


未来は小さい手で輝の大きな手をぎゅっと握り、流れ星に祈った。



おしまい



あとがき

新しい星は日本のような春夏秋冬がある気候の設定です。 ちなみに地軸がずれたアラスカも同様の設定。 どちらも日本より四季が更にハッキリしており、寒い時はもっと寒い、暑い時はもっと暑い ・・・ という、面白くもあり厄介でもある気候。

ラムネうんちく
日本で製造された最初の清涼飲料水とされていますが、伝来は1853年浦賀に来航したペリー又は1860年長崎の英国商船が有力説のようです。英語の “レモネード” がなまって “ラムネ” になったと言われています。

大日本帝国海軍の艦艇内で、消火設備として設置されていた炭酸ガス発生装置を転用してラムネ製造器とし、乗組員のお楽しみとなっていたそうです。大の男達が消火設備の前に列になって、大喜びで飲んだのを想像すると、可愛いですね。あの戦艦大和にもあったらしいですよ。

現在はなんと、カレーやわさび、杏仁味などが人気だとか! びん詰めコーヒー飲料、豆腐等と同様、中小企業の事業活動の機会確保のための法律に基づき独占的に生産されており、大企業は製造に参入できないそうです。



おまけ


 ちゅん ちゅん


翌朝 ・・・


「 あー ・・・ 未来、やっちゃったかぁ  」
「 ぐすん 」
「 アラまあ  」


輝が寝袋を持ちち上げて傾けると、それに合わせて中で ツツツ ・・・ と液体が左右に流れる。


「 ごめんなさあい ・・・ オネショしちゃった 」

お・ち・ま・い 


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