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白い薔薇によせて



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「SS (二次創作小説)」
空白の二年間

ハピハピ

 今までと違った印象を抱き、身近な親しい人になってゆく …… 。そんな過程を描いてみました。

カラフル ・ ファイル

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画像はイメージのみで、当記事とは無関係です
2011.8.19 UP



 一条輝大尉は大量のファイルを山積みにして、両腕で抱えて運んでいた。格納庫の前を横切り、艦内に入るルートをバランスをとりながらフラフラと歩く。ファイルは中身が少なくて軽いが故に、余計に安定が悪かった。それらが目前まで積み上がり、前方はその隙間や脇から見るしかない状態なので ――

「 うおっと! 」
「 危ないっ! 」

―― 角を曲がって来た人とぶつかりそうになり、輝自身は持ち前の反射神経で止まれた。しかし、ファイルはそのまま進もうと雪崩落ちる。そこを相手が素早く押さえ、ばら撒くのを免れた。

「 あっ、早瀬少佐。ありがとうございます 」
「 すごい量ね。半分持ちましょうか? 」
「 大丈夫です 」
「 でも、それでは前が見えないでしょう? 」
「 バツゲームみたいなモンなんで …… 」

 ハッキリ言えば嫌がらせだったから、輝は意地になっていた。しかし、本当は少々落ち込んでもいたのだ。 

「 気にしな わっ! 」
「 きゃっ 」

バサ バサ バサ ―― - -


 嫌気が差していた輝が思わず肩をすくめたため、一気にファイルが崩れて彼女に襲いかかった。輝が何とか崩すまいとワタワタしたのが逆に被害を広げた。ファイルの角でひっ掻いたオデコをさすりながら、早瀬少佐を見ると ――

「 イデデデ ・・・  うっ、あ ・・・ 」 
「 ・・・・・・ 」
あ ー …… お怪我はぁ …… ナイよーで  …… なに、ヨリ ――

 ファイルまみれで呆気に囚われていた彼女が、小さく頬を膨らませて上目遣いで輝を睨む。輝は巻き込んでしまった年上の女性をオドオドと見やりながら、そ~っと彼女の頭にかぶさったファイルを取った。

 ―― デス。 ・・・ ごめんなさいっ! 」
「 ぷーーーっ! 」
「 へ? 」

「 あはははー! 」

「 は? 」

 突然笑い出した早瀬未沙に、今度は輝が呆気にとられる。彼女は尻もちを着いたまま、大笑いしていた。手で口元を隠しているが、大きく口を開けているのが分かる。いつも控えめに笑う人の、そんな笑い方を見たのは初めてだった。

「 うふふ ・・・。 いいのよ、気にしないで 」
「 はあ 」
「 あなた、踊ってるみたいだったわよ。  ・・・ ぷっ! 」
「 すみません 」
「 目を白黒させて、ファイルが余計すっ飛んじゃって。 ふ ・・・ っ! 」
「 すっとん ・・・ ドーモ 」
「 いいもの見せてもらったわ

彼女は立ち上がると、周りの散ったファイルを拾い上げて輝に渡した。

「 じゃ、頑張って。隊長サン? 」
「 はい、ガンバリマス 」

早瀬少佐は小首を傾げて輝の肩を軽くたたくと、クスクス笑いながら歩き去った。


( あの人も、あんな風に笑うんだな )

 楽しそうに笑う人を見れば、クサクサしていた自分が馬鹿らしくなる。先程までの重苦しい気持ちが、彼女の笑顔で吹き飛んだ感じだ。男が小さいコト気にすんな! ちょっとカッコ悪い所を見られちゃったけど、ああやって笑わせられたんだし。

( 別にアイツ等に何言われたって、大したことじゃない )

肩に置かれた手が、自分を励ましてくれているような気がした。そう言えばマックスも、似たような感じで輝の肩を叩く。こんな些細なことだけれど、自分の気持ちを分かってくれているような ―― 応援してくれているような …… 。そんな人達が身近に確かにいるのだ、と心が暖かくなる。


「 俺も、いいモン見たいな ー - っと! 」

バサ バサ バサ ―― -- !

 





 輝は食堂で早瀬未沙と頭を寄せ合って、テーブル上の手帳を見る。彼女は文章に弱い輝にも分かるよう図にして、直観的に分かるよう説明してくれた。


未沙の手帳 Image

© ミント Biue


「 分かる? ココをちょっとこうすれば …… 」
「 うーん   ……  …… 分かりました! 」
「 でしょ? 」
「 発想の転換ですねえ 」
「 アナタに聞かれて、そういえば ・・・ って気付いたの 」
「 俺は逆に疑問にしか思わなかったよ 」

  ( 頭が固いかと思ってたら、意外と逆なんだよな )

どうやら自分は先入観で彼女を判断していたらしい。大戦後は2人で仕事や食事をする事が増えて知ったのだが、意外にも早瀬少佐は輝の意見を聞いてくれる。もっと頭ごなしに言ったり命令する人かと思っていた。

「 これって、基本的な変更にならないかな? 」
「 ! …… できる、かも …… 」
「 ホント !? そしたら、俺らパイロットも助かるんだけど 」
「 考えてみるわ! まずは、形にしてみないと 」
「 お願いします! 」
「 期待しないでよ? 果たしてどんな形になるものやら …… 」

そう言って考え込む瞳は真剣で、新しく物事を創ることに意欲満々だ。輝も実現した時を考えると、ワクワクする。彼女は輝の曖昧な考えを形にするのが上手い。そしてそれを見事に実行してゆくのだ。今までもいくつかのアイデアを、2人で実現してきた。 

―― 今度の早瀬少佐は、一体どんな手腕を披露してくれるだろうか?

 颯爽と書類を片手に去っていく女性ひと。彼女は困難なこと程、チャレン精神が湧くらたちらしい。





 輝が指令センターに報告書を持って行くと、忙しそうにしていた未沙が輝の袖をつんつん引っ張った。

「 一条君! 見て頂戴。出来たわ」
「 本当ですか? はやっ! 」

 彼女は次々と来る業務に指示を出しながら、時々傍らで書類に目を通す輝に説明を加える。書類には案が図解入りで分かりやすく説明され、実行により期待される効果や逆にマイナスポイントも付されていた。それだけではなく、このアイデアを通すための根回しまで載せてあり、輝と協力者(きっとマックス)用に1部ずつ用意してある。

「 すっげ …… 」
「 どう? 」
「 いける ・ いけるっ! すごいよ、早瀬少佐 」
「 チョーっと、頑張っちゃったかナ~ぁ 」 
「 ありがとうございます! 」

 人差し指を顎に添えてわざとらしく首を傾げる早瀬未沙。輝は嬉しさと興奮の余りその手を取り、両手で握って上下に振った。彼女はビックリした後、苦笑して輝の肩を叩いた。


仲良くしよう!


 輝と未沙は、マイストロフ大佐の執務室で並んで立っていた。大佐は2人が所属する戦闘部門の部門長なのだ。マイストロフは額をハンカチでぬぐいながら、何とかこの厄介な案を引っ込めさせようと考えていた。この女性士官は優秀で、マイストロフも非常に助けられていた。しかし切れ者過ぎて困る事もあるのだ。聖域上官なき刃を振るうから。

「 早瀬少佐。まあ、君の言い分も分かるが ―― 
「 私だけでなく、パイロット達も同意見ですわ 」
「 君達の意見も、分かるが ―― 
「 俺達も、きっと分かって頂けると信じていました! 」
「 私も大佐ならば、と思っておりました 」
「 マクロスのご経験から、言わなくても色々お分かりかと! 」
「 あ ー …… あ ~ …… 」 
「 パイロット達が条件を果たさなければ、私が責任を持って ――

「 いつもの営倉入りを! 」 

「 そっ ・ そのような、処罰も …… 」
「  」

早瀬君。キミそんな事、いつも言っとるのかね? ―― とは突っ込めず、こうして一緒にまたもやキリキリ働かされる事になったマイストロフだった。定年までのんびり過ごすハズだったのに。トホホ …… と思ったかは不明だが、未来へ伸びゆく若者のエネルギーに当てられて、順調に功績を積む彼だった。


 2人で並んで屋外へ出ると、早瀬未沙が待っていたようにプリプリと言う。

「 一条君!  “ いつもの ” って、どういうコト! 」
「 さすが、早瀬さん! 大佐も言い返せませんでしたね 」

( この人、からかい甲斐あるんだよな ー )

「 ちょっと、聞いてるの? 」
「 大佐も営倉入りさせられると思ったのかな? 」
「 そんなワケないでしょ! 下手すれば私が減俸処分ものよ 」

( それがまた、オモシロいんだ ) 

「 そしたら俺が、しばらくご馳走するよ 」
「 当たり前じゃない! 飲みにだって連れてってもらうンだから 」

( 飲むと可笑おかしいし )

「 じゃあ、早速。今日打ち上げしませんか? 」
「 アナタがお財布係りよ? 」
「 りょーかい ・ りょーかい 」
「 いっぱい飲んでやるんだから! トーゼンあなたは、ジュ ・ ウ ・ ス 」 
「 あー、ハイハイ 」

( すーぐ張り合って来るんだよな )

「 お金が足りません ~  ―― って泣いき付いて来ても、知らないわよ 」
「 少佐、そこまで強くないでしょ 」
「 は ・ や ・ せ ・ サン! 」
「 はぁ !? ―― だって、ここ軍の中 …… 」

( んで、ちょ~っと、トボケてるんだ )

「 口応えしない! 」
「 スンマセン 」

( でも、そこが意外と ―― )

頬を染めている彼女。緊張して上申しに行ったマイスロフトの前で営倉入り云々の話をされ、恥ずかしさに少々パニック気味らしい。

「 気持ちが籠ってない! 」
「 すみませーん 」 
「 うん、もうっ 」

少し取り乱して理不尽になった自分に気が付き、更に羞恥が募ったらしい。拗ねたようにしながら、何とかいつもの早瀬少佐に戻ろうと姿勢を正す。しかし、頬は紅く口は尖ったままだ。


( 可愛いかったりも、する )

おしまい ♪

Image Song 「 ハピハピ 」 ベッキー♪♯
作詞 ベッキー♪♯  作曲 Splash Candy
ワクワク弾んだ可愛い感じが好きです。元気で幸せなキモチになりますね
2人なら大きな力が出せて、互いの心にも変化が起こる ―― という事を表現しました

あとがき
輝と未沙が仲良くなっていく過程が見たい
具体的なエピソードは、結構少ないように思います。パーメモ等の説明文ではなく「実際の映像で見たいなぁ」と思い、幾つかのSSで語れたらと考えています。 

パーメモによる27話直後「心を許しあえる未沙がいた」とか「はた目には仲の良い恋人同士に見えた」まで仲良くなるとすると、深い所まで突っ込んだ付き合いがあったと思われます。それにしては関係を積み上げる時間が、意外に短いんですよね。ファースト・コンタクト ~ アポロ転属前と考えると、2009年11月~翌年年5月。未沙が地球に行って離れた期間を1ヶ月位と仮定すると、約6ヶ月と推測できます。戦後の復興期の多忙さを考えると、2人が一緒に居る時間はもっと短いでしょう。恐らく仕事上のやり取りが信頼関係の構築に大きかったとは思いますが、任務に厳しい未沙の性格を考えると、プライベートな付き合いが親わしい関係には不可欠です。仕事とプライベートの、両場面を見たいですね。

輝はアポロ帰還組に意地悪をされている
関連本にそのような記述はなく、私設定です。未沙とマックスはそんな彼の状況を知っており、仕事や気持ち上のサポートをさり気なくしております。他のSSで詳しく語りたく思います。マイストロフ大佐の位置づけも私設定。

未沙の「一条君」って呼び方が好きですが、結構すぐに「輝 ・ 未沙」になっちゃうから、あまり出せる機会がなく残念。初めて名前呼びしているのを聞いた時には「え~~~っ!」 ~ ♥ と色めき立った。

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