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「SS (二次創作小説)」
空白の二年間

揺れる想い

 初めてだった恋を大切に心に秘めたまま、2度目の恋のトキメキに喜びを感じる …… 。そんな未沙の気持ちを描いてみました。

2011.8.13 UP
2012.5.2 改訂


「 未沙。今度の非番さ、海に行ってみない? 」
「 いいわね! どんな風になっているか、楽しみだわ 」

 自然再生計画が実施され、他の分野より一足遅く海も実施された。大戦直後は海岸線が崩れ、海は黒く濁って流れが落ち着かなかったものだ。

「 んじゃ、俺が車を手配しておくよ 」
「 まさか、あなたの運転で行く気? 」
「 決まってるだろ。折角免許取ったんだから 」
「 …… 私も免許持ってるわよ? 」
「 それじゃ、意味ないだろ。 俺が運転! 」
「 バルキリーと違って、空は飛べないのよ? 」
「 分かってるよ 」
「 変形もしないわ 」
「 あ ・ た ・ り ・ ま ・ え
「 ふふふ、ごめんなさい。面白くってつい、ね 」
「 俺は面白くない 」

 輝は運転にも慣れて来たので、誰かを乗せてドライブをしてみたかった。軍では事前に申請すれば、車を私用で貸してくれる。エネルギーの制約や大気汚染防止のため、様々な共有システムが徐々に普及していた。 





「 去年のお洋服じゃ、もう流行遅れだわ …… 」

 未沙は溜息をついた。またもや部屋中に衣類を散乱させて、ファッションショーの最中だ。もうこれは、デート前の定番行事だった。

「 ああん! キムにもっとちゃんと雑誌を見せてもらうんだった 」

女性のオシャレへの逞しさは健在で、マクロス・シティの再建完了を間近に控え、ファッション雑誌も再開されたのだ。今までは流行に余り興味がなかった未沙も、今は結構気になる。女の子女の子した女性誌を買うのが何となく恥ずかしくて、3人娘がキャッキャッやっている所へお仲間に入ったのだ。何となく見ているように装ってはいても、実際には目が紙面に釘付けだった。





 輝の運転は、免許をとって数カ月とは思えない位上手だった。基本的に機械に負担を掛けない扱いをすることが、癖になっているのだろう。それはすなわち、乗っている人間にも優しい運転だった。

「 どお? 俺の運転 」
「 見直しました 」
「 だろー? 」
「 さすが、バルキリー乗りよね! 」
「 うんうん。そうそう! 」 

「 トランク開いてる所とか
「 あ ~れ ~~ ? 」

マクロス・シティから、ずっと開いたままだったらしい …… 。 


「バルキリーにおけるトランクの有用性を、お互いにひとつずつ挙げていこう」という、訳の分からない輝のクイズ兼ごまかしを聞いて笑い転げながら、無事2人は海に着いた。


砂浜の海岸線


 なだらかな海岸線、きらきらと輝く波しぶき。水分を含んだ豊かな潮風 ―― 輝が前を、未沙がその後ろを。2人はサラサラとした砂浜を歩く。

「 靴脱いで入りたくなるな 」
「 ちょっとまだ冷たいわネ 」
「 こんなに綺麗になってると思わなかった …… 」
「 本当 …… お魚もそろそろ獲れるようになるそうよ 」
「 あー、刺身食いて~! 」
「 ふふ。すぐお腹一杯食べられるわよ 」

SUーSHIー! マグロ! 」
「 え? 何? 」
「 寿司ネタの言いっこ。はい、マグロ! 」 
「 じゃあ、3秒ルールね? イクラ 」 
「 大丈夫? 負けた方が、メシ奢りねの たまご! 」 
「 負けられないわネったら ウニッ! 」 
「 負けず嫌いだナったら ほい、カッパいっちょう! 」  ← ?
「 当たり前じゃないのョ ぼたんエビ! 」 

いち にい ・・・  

イー  ーカ!  …… 何か、格差を感じるなぁ

「 何か言ったの? 聞こえないわ 」
「 なんでもありませーん 」


輝といると楽しいの
「しっかりしなくちゃ」とか、「頑張らなくっちゃいけない」とか
そんなの無くていい、って思う


「 うそよ! 絶対何か言った 」
「 言ってない 」
「 言 ・ い ・ な ・ さ ・ い 」
「 んじゃ、塩カルビ! 」
「 焼肉じゃない! 」
「 回ってる所にはあるんだよ 」
「 回る? 肉を? 振り回す? 」 
「 …… ソレ、何んかのネタ? 」
「 だ ・ か ・ ら、お寿司のネタの言いっこしてるんじゃない 」
「 あーあー、分かりました。行ったことないんだね 」
「 あるわよぉ、お寿司ぐらい 」
「 んじゃ、プリン 」
「 まあ、プリン寿司! 変わってるのねえ 」

「 ・・・・・・ 」

プリンを触っちゃイヤン ♡
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「 それ、おいし? 」 
「 ゴチソウサマでした ー 」 


誰も好きになれないって思ってた
好きになっちゃけないって、思ってた


「 結局食べ物の話ばっかり 」
「 ちょっとハラ減ってたんだよ 」
ちっともロマンチックじゃないんだから ・・・
「 ん? 聞こえない。なに? 」

 前を歩いていた輝が、未沙と並んだ。15時を過ぎて強くなってきた風を、自分の体で遮るようにしてくれる。輝はいつも何気なく、こんな風にしてくれる。今日の未沙はスニーカーで、いつもは近い輝の背がちょっぴり高く感じた。


でも、あなたとなら ……


「 ちっともロマンチックじゃない、って言ったのっ! 」
「 ロマンって、ウマい? 」
「 馬鹿! 」
「 ひどいなぁ。ハラ減らない? 」
「 馬鹿! バカ  ばかーーっ! 」
「 ああもう。 の肉が走り回って、頭が満腹だよ 」 


こんな私でも、あなたなら


 葛藤の末に認めた想いを、自分からは輝に言えない。 けれど未沙は、自分の気持ちを輝が悟ったとしても構わないと思った。破壊された地表からマクロスを2人で見上げた時、自分達の間で絆が結ばれた。それが一体何なのかは分からない。けれど未沙は、通じ合う想いに気付いたのだ。

  ( 輝が好き。 ―― でも、あの子の代わりにはなりたくない )
  ( あなたも、少しは私を …… )

彼が未沙を必要としてくれているのは、感じていた。でも代替ではない、唯一の存在になりたい。


「 そんな頭は、テレビと同じに叩けば ・・・ 」 
「 いつの時代のテレビだよ~(笑) ―― うわっ、それグーだろ! 」

未沙がゲンコを振り上げ、輝を追いかける。大事な人を失くして以来、失われていた笑い声が今日はたくさん出た。

一緒に歩いて行ける気がする


「 うへぇ。濡れた、濡れた。もうカンベン! 」
「 降参? 」
「 ヘヘン ―― よっと、わかめ攻撃だ! 」
「 きゃあ! 」
「 うははは! 」
「 こんぶ隊、スクランブル。ただちに迎撃せよ! 」

  「 「 あはははー 」 」

波音にも風の音にも負けない明るい笑い声が、もうすぐ夏の青い空に吸い込まれた。





 食堂から続く艦外テラスで、輝と未沙は並んで風に吹かれていた。夏の熱気を含みだした気が早い風は、輝の言葉をさらってゆく ――

「 月面基地に行くことになったよ 」

ゲツメンキチニイクコトニナッタヨ

「 色々難しい事情があるらしいけどさ 」

ゲツメンキチ ニ  行ク コトニ ・・・

太陽系を撤退したボドル艦隊の生存艦が、別の基幹艦隊と合流を果たし、その基幹艦隊が地球文化の根絶を企てる可能性があった。それに対抗するために、比較的ダメージの少なかったブリタイ艦など数隻の修復が開始されていた。しかし修復には最低でも1年近くはかかると見積もられた。 

宇宙艦隊が行動可能になるまでの間、地球近傍をパトロールする必要があった。このため大戦時にも損害が少なかった月面アポロ基地にスーパー ・ バルキリー6個大隊を送り込み、基地を拠点としての太陽系内パトロールが開始される予定だ。

「 全く急だよな。 ―― 未沙? 」
「 いつ …… ? 」
「 来週。宿舎移ってまだ片付けてもないのに、また引っ越し 」
「 ―― 帰りは? 」
「 半年って言われたけど、どうかな? 」
「 アポロなんて …… 」
「 何とかなるよ。久し振りの宇宙もいいモンかも知れない 」
「 気を付けて ……   無茶しちゃダメよ 」
「 平気 ・ 平気。それに無茶するのはいっも未沙だろー 」
「 ・・・・・・ 」

  ( あれ? いつもならこの辺で “ 何よー!” って来るんだけど )

「 未沙? 」
「 お願いだから …… 」
「 ・・・・・・ 」
「 また、戦闘になるかもしれないんだから …… 」
「 心配性だなあ。ま、確かにそうだけど、そん時はそん時 」
「 ちゃんと無事に帰るって、約束して 」
「 …… さっきから、一体どうしたんだよ 」
「 約束 」

未沙は輝に小指を差し出した。 …… 細い指が小さく震えている。輝は彼女の真剣な様子に戸惑いながらも、指切りをした。

―― 幼い仕草ながらも小指同士の結びは、ひどく神聖だった。

「 きっとよ 」
「 うん 」

未沙は放した小指を反対の手で握って胸元に寄せ、小さく笑みを浮かべた。しかし瞳は一心に輝を捉え、ひどく悲しそうに見える。

「 約束するよ 」
「 …… ええ 」
「 半年すれば、帰って来る 」
「 待ってる 」

そんな約束をしても、本当はどうなるか分からないことは輝にも分かっていた。ゼントラーディ軍が襲ってきたら ―― まず自分が真っ先にやられるだけだ。しかし未沙のために、そう言わずにはいられなかった。





 しばらく輝と未沙は新しい宿舎の使い勝手やら、最近の新人育成について等を話して時を過ごした。屈託なく笑う彼はいつもと変わりなくて、未沙が感じる様な不安を全く感じさせない。次第に未沙も気持ちが落ち着いて来た。いつも輝はこうして未沙を安心させてくれるのだ。

輝の笑う横顔を見ながら、未沙の気持ちは揺れていた。

  ( 来週には行っちゃうなんて、信じられない )
  ( もし、何かあったら? )
  ( ライバーの時みたく …… )

  ( 「好き」って言ってしまう? )
  ( そうしたら、アポロで私を思い出してくれるかしら )
  ( 私を …… 好きになってくれるかしら )

「 ―― ねぇ? ひか 
「 あ! 悪い。俺もう行かなくちゃ 」
「 え? 」

輝は照れくさそうに頭を掻きながら、ボソッと言う。

「 ミンメイが来てるんだ 」
「 ・・・・・・ 」
「 しばらく会えないから、さ 」
「 ・・・・・・ 」
「 半年って、結構だし ―― 何があるか分からないし 」
「 そう …… 」
「 …… やっぱ、女々しいって思う? 」
「 ううん。思わない 」

未沙は微笑んで頭を振った。それを見た輝は、伺うような様子から安心した笑顔を見せた。

「 分かってるんだけどさ。やっぱり急にはなあ …… 」
「 …… 分かるわ。ミンメイさんによろしくお伝えして? 」
「 うん。じゃ! 」

輝は軽快に反転して背を見せ、片手を挙げて “さよなら” をすると、娘々にゃんにゃんへ向かって駆けて行った。 

未沙は一度も振り返らずに遠ざかっていく後ろ姿が小さくなるを、自分も手を振って見詰めた。ぼんやりした思考で、先程から輝と誰が話していたのだろうかと考える。 

―― きっと自分の意地とかプライドとか、そんな物辺りなのだろう。

  ( いつかは ―― 好きなってくれる? )


そうしたら、ずっと傍にいられる


  ( それなら、この胸の苦しさも ―― きっと幸せな痛みね ・・・ ? )

恋がこんなに優しいと、知らなかった。愛があんなに強いと、気付かなかった。ならば輝と歩む事で通り過ぎてゆくこの思いも、幸福に違いない。





 それから未沙が輝と会ったのは、異動の挨拶に彼が指令センターへ来た時のみだった。急な引き継ぎに、会う時間がとれなかったのだ。電話では2度程話した。輝はミンメイに転属の件は言わなかったらしい。最後に会った時の未沙の様子を心配して電話を掛けてくれたようだったので、未沙は努めて平静を装った。

みんなに向かって挨拶をする輝を見ながら、思う。

  ( また、最後は “ さようなら ” かしら …… )

自分が何となく悲観的になってしまっているのを、未沙は自覚していた。平静な顔の下に泣き叫びたい気持ちを抑えて、一人そんなことを思っていた。

現実感が欠けた未沙の視界に、輝が立った。

「 中枢指令センターの主任だそうで、おめでとうございます 」
「 ありがとう 」
「 早瀬少佐には、お世話になりました 」
「 いいえ、こちらそ。無事任務を果たしてきて下さい 」
「 帰ったら、またよろしくお願いします 」

敬礼しながら見詰めてくる輝の瞳に強い意志を感じ、思わずじっと見返した。

「 約束、したから 」
「 ・・・・・・ 」
「 未沙と 」
「 輝 …… 」

あなたとなら、きっと ・・・


 輝と他の数人を乗せたシャトルが昇って往くのを見守りながら、未沙は窓辺に佇んでいた。 


真昼の月と、シャトルの飛行雲


澄んだ青空の向こうにシャトルが溶け込んでからも、ずっとずっと見守っていたかった。


おわり

Image Song 「揺れる想い」 ZARD
作詞/ 坂井和泉  作曲/ 織田哲郎
恋する女の子の可愛さと強さを歌った、透明感のある歌ですね。トキメキその物を感じさせる楽曲の煌めきに、脱帽です

「幸せな胸の痛み」 
大好きな漫画サイト「DONUT TOWN」チョコ様 のお言葉のニュアンスを
ご了解の上で使わせて頂きました。

あとがき
アポロに行くエピソードと未沙の気持ちは、パーメモを参考にしました。未沙の my dream は好きになってもらって一緒にいられる事、2人の our dream は再会する事、 輝の your dream は寿司をハラ一杯食うコト? ―― 幸せなヤツめ。

改訂
歌詞を使って語っていたので「こりゃイカン」と、自分の表現 ・ 意図で直しました。大戦 ~ 直後編を書いたので、その辺りの解釈や繋がりも追加しました。多数の拍手(34拍手)を頂いていたので、ナカナカ手を付けられずにおりました。「以前の物がよかった」と言って下さる方がおられたら、すみません

昆布とワカメ
分類上コンブ目までは同じだが、種類が違う。脊椎動物で言うと、ヒトとハツカネズミといった具合。共に冷水で成育するが、昆布は北の海で周年、ワカメは関東地方など季節周期のある地域で、冬季に大きくなる。形は、コンブが切れ目無く細長い形状。ワカメは、幅広の切り込みが多数入った形状。

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 Comment 

まだ子供舌なモノで… 

スマセンe-445 もう少し大人になってから、オイシク頂いてもらおうかと思っています。

画像確認のSSは近日アップします。本当は「♪揺れる想い」の前だった物です。

うんにゅ~? 

未沙は ヤッパリ輝で胸いっぱい、心が輝一色
輝もはやく 食い物じゃあなくって 未沙で腹を満たしんしゃい‼
まったく おにゃにょ娘心に 無頓着すぎだよね、(>人<;)

写真んのパスが 合わ無いよ~(T_T) 合鍵ぽちいダ~yo
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