QLOOKアクセス解析

白い薔薇によせて



いらしゃいませ。現在の閲覧者  名さま

スポンサー広告

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


拍手ボタン

「SS (二次創作小説)」
空白の二年間

未沙のおしゃれ

 デート前の未沙の様子と、この時期の気持ちを描きたくなりました

2011.8.11 UP


 未沙は浴槽に浸かりながら、自分のワードロープをアレコレ思い浮かべていた。非番の前夜は入浴しながらワイン等を嗜みつつ、アロマや自己流エステを楽しむのだ。 ← 誰にもナイショ  

  ( あのワンピースも、ちょっと、ね ・・・ )


ボディーソープ

 湯で濡らしたタオルでトリートメント中の髪を包み、その上からビニールキャップを被る。顔にはパックで、コップ酒を片手にオイルで美容マッサージする ――誰にも絶対に見せられない姿だと、自分でも思う。 

今日のバスアロマはリラックスさせて安眠を誘う、ラベンダー その日の気分に合わせて、3種類を使い分けている。未沙はボディーソープや化粧品など、できるだけ香りが少ない物を選ぶ。他にも洗濯洗剤など、身の回りは色々な香りに溢れているからだ。フレグランスは緊張する会議や任務の時、リフレッシュやリラックスを狙って自分しか香らない位に付ける程度だった。

終戦から半年も経っておらず、美容用品もアロマも今はとても望めないので、以前から持っていた物を大事に使っている。

  ( …… やっぱりあのお洋服、買っておけばよかった )

 未沙は衣類の手入れが良く、自分で直したりもして物持ちがよい。背が伸びなくなってからは、新しい洋服など余り買わなかった。シンプルで質の良い物を、スカーフ等の小物や組み合わせを工夫して着回すので、数もこの年齢の女の子にしては少ないだろう。

  ( 大体、服が少な過ぎだわ )

 子供の頃は可愛い色やフリルが大好きで、自分でデザインして母に縫ってもらったりもした。体が大きくなって縫うのも大変になり、母も病気がちになってきたので、士官候補生養成所の寮に入った辺りからは作ってもらわなくなった。

士官学校時代も制服で過ごすことが多く、体もどんどん大きくなるので、余り服を買わなかった。

  ( どうして、あんな詰まらない服ばっかり )


『 お洋服は清潔が第一です。年相応でキチンと着られて、お相手に失礼がないように 』


 母の言うことは最もだと思う。だがそれにしても、もっとどうにかしなかったものか。 ミンメイを見ると、つくづく思うのだ ――

「 もっと可愛ければよかった …… 」


 ゼントラーディ人に対する文化の啓蒙のために各地を回っている、ミンメイやマックス&ミリア達。彼らとは1~2週に1回の割合で、現場の手応えや今後の活動などを報告・相談する集まりを持っていた。そこへほとんどグローバルの両腕と化した未沙とクローディアも、毎回出席していたのだ。 

  ( やっぱり男の人は、ミンメイさんみたいな子がいいわよね …… )

 ミンメイはいつもレースやフリル、キラキラした素材、若々しい肌 ―― 未沙が避けて来たような洋服を、可愛らしく着こなしていた。明るい表情と甘い声、女の子らしくふっくらとした体付き。 

  ( 私なんか、全然違う )

 未沙はネグリジェを着た自分の姿を鏡で眺め、ため息をついた。ショーツは明日着けるつもりの下着とセットの物で、白いレースを使った結構高価な物だ。勝負パンツ ―― 予定はないが、そういうレベル。ネグリジェはゆったりしたシンプルな物に、少しだけアクセントに刺繍とビーズを自分であしらっていた。

  ( 胸は ―― ない方じゃないわよね? ) 

鏡に横向きで映って、胸を張ってみる。姿勢が良いので、大きめの胸でもすっきりしたシルエットだ。


 髪をタオルで巻いて上げ、飲み物を持って寝室に入る。お肌に良いからと、水分はなるべくマメに摂るように心掛けている。

「 うん、もう! もっと可愛いお洋服、ないのかしら 」

部屋は未沙としては有るまじきことに、衣類や小物が散乱していた。アクセサリーケースから、中身が飛び出している。


宝石箱をクリックすると? 
さらに中身をクリックすると ・・・ ? ( ちょっとビックリかも ) 

元の画面に戻すには、右のブラウンのリボン「Close」をクリックして下さい


 ドレッサーに座って髪をタオルドライしながら、室内を見回して明日の装いを考える。明日は一条輝と、初めて非番の日に待ち合わせて出掛ける予定なのだ。彼にそんな気はなさそうだが、未沙には “ デート ” の気持ちも ―― 正直あった。

  ( きっと、可愛い感じが好きよね …… )

ミンメイのような子が好きだったのだから、当然だろう。美容液、化粧水 ・・・ と付けながら、自分の服を見てため息をつく。

  ( どうしてこんなに堅苦しいのかしら )

 年頃の女の子である自分を意識する時、いつも思ってしまう。スカートとパンツが半々位だが、そのスカートにしても、タイトだとかロングで、重苦しい素材とデザインだ。もっと今の初夏の陽気に合った、軽やかな物がないのだろうか?


  ( ミンメイさんのスカート、素敵だった …… )

 この前彼女が着ていたのは、薄手の布とシースルーを重ねたフレアスカートだった。ころころと笑い、クルクル動く彼女に合わせて、スカートがひらひらと踊っていたのが羨ましかった。まるで一足先に夏が訪れた、そんな感じだった。

  ( 彼女はスターだもの ―― 敵いっこない )

未沙も容姿を他人に褒められたことが、なかった訳ではない。男性に面と向かって言われた事はなかったが、好意的に見られていると感じる時はあった。同性には「美人ね」と言われるのだって、結構ある。

  ( 私は可愛いには、程遠いし )

未沙自身、本当は可愛い女の子になりたかった。水色のワンピースを当てて、鏡を見る。昔ライバーからもらった青いワンピースは、我ながらよく似合っていると思ったものだ。 

今は ――

  ( 暗くて、詰まらなそう …… )

 大人になったのだから、あの頃の無邪気な明るさが薄れても仕方がないだろう。しかし未沙の場合はそこに憂いが加わって、どこか “ 寂し気 ” な印象だった。だから、寒色系の色は避けているのだ。このワンピースはデザインも未沙にしては柔らかく、初夏にこれを着れたら素敵だろうとミンメイを見てつい買ってしまったものだった。

  ( 大体、私にこういう服が似合わないの、分かってるじゃない! )

 パイロット達の間で “ 鬼の早瀬少佐 ” と呼ばれている事も知っている。ご丁寧にちゃんと中尉から昇進していってるのが、どこまでも付いて来るのかと笑ってしまう。


 この前買ったばっかりの靴を玄関に並べる。3センチのヒールは、女性であることの主張と背が高くなりたくない希望の、未沙の気持ちの曖昧さだ。

  ( ニョキニョキと、背ばっかり )

 誰と並んでも可愛らしく見えるミンメイ。小さくて柔らかそうな体は、男の人なら抱き寄せて、守ってあげたくなるのではないか …… ? 

対して自分は ―― 男相手に下手をすると腰に手を当て、上から「営倉入りよ!」ときたモンだ 。

  ( 雨が降らないといいけど )


てるてる坊主 

♪ あ~した 天気にしておくれ


 明日は映画に行くので雨天決行だが、雨の日は髪が中々カールしてくれないのだ。ドライヤーで、丁寧に髪の根元から乾かす。巻くのはいつも朝、ホットカーラーでする。ライバーが「可愛い」と褒めてくれてから、いつもこの髪型だった。勉強に明け暮れた士官候補生養成所の女子寮でも、周りを遠ざけて過ごした士官学校でも、パイロット達を指令するようになったマクロスでも。

  ( もう、ちょっと子供っぽいかしら …… ? )

 明日の洋服と持ち物を揃えて、確認する。この髪型は未沙にとって “ 私は女の子なのよ ” と言う、ささやかな主張であったのかも知れない。年齢より年長に見られることは、仕事上では認められたようで嬉しかった。しかしプライベートでは、誰からも守られない自分が寂しくもあったのだ。

  ( でも、アイツだってコドモっぽいんだから丁度いいわ!)

 ただでさえ自分の方が年上で、加えて上官で。屈託なく笑うアイツと並ぶと、生真面目とよく言われる自分は、さぞかし堅苦しく見えるに違いない。 


『 お前は真面目過ぎて息が詰まる 』

「 オマケに軍人! 」

昔フォッカーに言われたことを思い出し、打ち消すように自分で重ねて言った。未沙は最後にペンダントを用意する。プラチナのオープン・ハートに白真珠がひとつぶ柔らかに輝く、お気に入りだ。アクセサリーは付けても1点だけで、ペンダントかブローチだ。 


  ( そう言えば …… )
  
 ポーチから化粧品を出して入れ替える。ファンデーションはそろそろ夏用に代えてもよいし、口紅は仕事じゃないからもっと明るい色がいいだろう。化粧品のケースはどれも女性らしい艶やかな光沢と色合いで、触れるだけで気分が華やぐ。未沙はウキウキとしながら出し入れし、ドレッサーの奥から父からのプレゼントのルージュを取り出した。

「 これ、使っちゃおうかしら …… 」


メイク用品


ほんの少し唇に塗って、肌を引き立てる優しげな色にときめく。恋人に見立ててもらったと嬉しげに口紅を友達に見せていた子の気持ちが、少しだけ分かった気がした。

そう言えば誰かにメイク用品をもらったのは初めてだ。「もうすぐ大人なのだから、身だしなみとしてそろそろお化粧もなさいね」と病床の母に言われ、訓練校時代に初めて化粧品を買った。友達は母親と一緒に買いに行ってもらった子もいたが、未沙は1人だった。ブランドは基礎化粧品と同じシリーズの、肌に優しいものを使っている。 


♪ あいつに惚れてるって ゆうけれど


 天気予報を聞こうとつけておいたラジオから、ミンメイの曲が流れる。ペティキュアを施していた手を止めて写真立てに目を向け、未沙は思わずつぶやいた。 

「 別に …… そんなんじゃ、ないわ 」

右手の薬指に付けたビーズの指輪を撫でた。自宅でだけ自分で作った、指輪などのアクセサリーを着けている。可愛いと思う物を作るので “ 大人びている ” と言われる自分では、外で嵌めるのがちょっぴり恥ずかしかったのだ。 

未沙は決して左の薬指には、指輪を嵌めない ―― 


ビーズの指輪


―― 憧れか決心か。 自分でもよく分からない感情からだった。

「 アイツは ―― そう、友達よ 」

 手の爪の手入れがつい荒っぽくなる。未沙の爪は薄いのか、爪切りだと割れやすい。ヤスリで小まめに整えているのだが、この作業は結構好きだった。身長の割に手足は小さめだったのは、良かったと思う。





 翌日は予報通り晴天だった。未沙は玄関の壁に掛けている姿見で、頭の先から足元まで確認する。最後には自分の顔を覗き込んで、最近定番の独り言。

「 今日の私は、私なりに綺麗かしら …… ? 」

水色のワンピースの裾をふわりと舞わせて出掛ける未沙の心も、いつしか初夏を迎えていた。


おわり
ありがとうございます!
かわいいビーズリングは岡本陽子さん作です
「All about ビーズアクセサリー」 にて、ビーズレシピも掲載されています     
岡本陽子さん個人ブログ → 「なないち創作日誌」

あとがき
結構 ・・・ かなりラブリー趣味なウチの未沙タン。前からオシャレ話は描きたかったのですが、何となく気が乗らず手を付けませんでした。ある日輝のパンツを想像して(汗)、何故かコッチを書く意欲が掻き立てられて仕上がったお話です。

未沙のファッション
未沙が初デートに来て行ったのは「第28話 マイ・アルバム」でタンスに下がっていた白と水色のストライプ?のワンピースのつもり。ムック本「ザ★セレクト」で「未沙は普段着でもどこか軍服に近かったが、輝に好意を持ってから、年相応の女の子らしい服になってきた」というのを出して行きたいです。軍服とまでは言いませんが、きちんと感優先のファッションという設定。恋が進むにつれて、柔らかく明るく可愛らしくなっていくつもり。

私が思う未沙のファッションの最終形
シンプルでラインと色が上品 ・ 綺麗。光りや甘さは、バックやアクセサリーで控えめに追加。肌は余り見せないけれど、鎖骨や二の腕は多少見える。輝と仲良くなり、自分の気持ちに素直に従う ・ 行動も活発になったので、(私の希望により)チビTやジーンズ、スニーカー等も着るように ―― という感じです。

ラブリー  ロードを一体どうしてくれようか ・・・ ?
「今日の私は、私なりに綺麗かしら …… ? 」はCD「遥かなる想い」より。どの曲をどの時期に当てるかで、曲もSSもイメージが変わりますね。 

NEXT Rougeルージュの誓い」
BACK 「♪ ハピハピ」


シャボン玉が浮かぶブログパーツ
※別のブログ・パーツを使用中は、シャボンが出ない事があります

スポンサーサイト
拍手ボタン

 Comment 

管理人のみ閲覧できます 

このコメントは管理人のみ閲覧できます
コメント投稿覧
レス(お返事)は数日中にさせて頂きます。現在、トラック・バックは受け付けておりません
 公開する場合、コメント下「URL」からリンクが可能になります
 レスを非公開でご希望の場合、その旨とアドレスを記入下さい

 半角英数 設定すると、投稿後に修正・削除が可能です
 管理人のみに表示:  チェックすると、記入内容全てが他の閲覧者には見えません
 ※ 現在、非公開コメントの投稿は可能です
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。