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白い薔薇によせて



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「SS (二次創作小説)」
Macross After

心のファンファーレ

 男同士の友情、青春物が書たくなりました。輝とマックスは、どんな関係だったんでしょうね。TV版では輝が誰かと友達っぽくしているシーンはほとんどありませんでしたが、2人の日常のやり取りやどんな冗談を言っていたのか見たかったです。その辺りを描きました。

輝がアポロに行く前と、メガ・ロードが出航する前の、2つの時期です。おまけはアポロ前の直後になります。
2011.8.6 UP


2011年 初夏

「 バトルしようぜ!」


 2人の中隊長の勝負は、天才に軍配があがった。

「 負けたよ ―― で、今度は何だ? 」
「 テコンドーです 」
「 格闘技マニアには敵わないな 」

輝とマックスは歪な丘陵の上にいた。剥き出しの土はひび割れて、強めの風に巻き上げられた砂埃が舞う。ふたりはバトロイド2機を並べ、各々の手に平の上に立っていた。 

新人の演習でやって来て、彼等の隊は夜の演習まで休憩中だ。 

「 この辺は牧場だったんですよ 」
「 ああ ―― ここを演習場にしたのは、お前の提案だったっけ 」
「 子供の頃に遊びに来た場所です。ここなら最適だと思って 」

マックスの生い立ちの概要を、輝は資料で簡単には把握していた。

「 そんな所で戦闘の演習なんて、いいのかよ 」
「 どこまでも広がる青い空。草原を撫でる風。草をむ牛達 ―― 思い出は全てここにありますから 」

自分の胸に手を当てて微笑むマックスは潔い、と輝は思う。普段は丁寧で優しげな彼は、反して戦闘では必要なら非情な真似も辞さない。

「 綺麗な所だったんだろうな …… 」
「 ふふっ。そうですね 」

 剥き出しの土が掘り起こされて抉れていたり、ペイント弾が何色も散っている地面を眺めながら、マックスは笑う。


演習場


「 随分派手になっちまって、本当によかったのか? 」
「 胸をお借りしました。 馴染みの僕なら許してくれますよ 」
「 まあ、ペイントは無害だけどな 」
「 自然はもう散々泣いたし、強いから大丈夫です 」

大気の浄化が進み、続いて自然再生計画が発表されていた。少し弱まった風に髪をなびかせて、2人は遥か遠くに目を向ける。

「 お前には、色々敵わないな 」
「 僕も先輩には敵いませんよ 」
「 どこがなんだよ 」

輝はマックスのバルキリーの手の平に「よっ!」と飛び移り、マックスの胸を拳骨で小突いて笑う。

「 俺の全敗じゃないか 」
「 模擬戦ですから 」
「 俺は本気でやったぞ 」
「 本物の戦闘とは、やっぱり違いますよ 」
「 お前は違ったのか? 」
「 まあ、遊びの要素が少し …… かな? 」
「 言ったな!」

輝はマックスの首に腕を回して絞める。 2人の笑い声が響いた。

「 ははは! ちょっと実験しただけですって 」
「 俺を実験台? そんなこと言う奴には ―― こうだっ !! 」

輝はマックスの頭を抱え込み、髪を手でかき混ぜて乱した。 

「 うわっ! そ、それだけは! 」
「 生意気な後輩には、俺が体で分からせてやろう 」
「 ギブ! ギブ! 」

慌てるマックスの耳元で、輝はニヤニヤして意地悪そうに言った。

「 ホントだなぁ? 」 
「 本当ですっ! もう、一条先輩には敵いません! 」
「 あんまり生意気な口利くと、ミリアに言い付けるからな 」
「 また変なこと教えないで下さいよ? 本気にするんですから 」

 マクロスでは今まで女性は後方支援の部署に配置され、戦闘員ではいなかった。ミリアが初めての女性パイロットであったのだ。当初男性パイロット達は、ミリアの高い戦闘技術、その美貌に反した一風変わった受け答えに遠巻きにしていることが多かった。 

しかし大戦後は、軍に元からいた者に加えてゼントラーディ人を中心に、女性の戦闘員も増えてきたのだ。そうすると周囲は女性戦闘員やゼントラーディ人に慣れて来たためか、今度は逆に面白がってミリアに文化のあることないことを噴き込むようになった。 

そのとばっちりを受けるのが、夫であるマックスだ。

「 髪がグシャグシャですよ 」
「 反撃してもいいぞ 」
「 やり甲斐がありそうですが、先輩だから遠慮しときます 」
「 お前、何気に失礼だな 」

 輝は自分の頭にチラリと視線を向けたマックスを睨みながら、風に煽られていつも以上になっている髪を整える。指に引っ掛かって、思うようにいかないことに口を尖らした。自分でもコイツには手を焼き、半ば諦めて現在に至るのだ。 

更に穏やかになった風が、並んだ2人の間を抜けてゆく。 


シュルルルルル ーーー ・・・
ダアーーーン ・・・


 模擬戦が再開されたらしく、遠くから音が聞こえた後に煙が上がる。しばし無言で彼等はそれを眺めていた。

「 ―― やっぱり本気じゃなかったでしょう? 」
「 本気だったさ。 真剣にお前と訓練してた 」
「 僕だって真剣な訓練です 」
「 …… 仲間に殺る気の銃は向けられないからなぁ 」
「 同感です 」

「 …… それにお前は戦友だし、な? 」

そっぽを向いて照れくさそうに言う輝に、マックスは微笑みながら手を差し出す。

「 大いに同感です 」

 夕日に浮かぶ歪な丘の頂上に、2つの大きな人型。大きな掌の上で、2人の小さな中隊長が手を握り合う影があった。


2012年 初夏

 一人は移民船1番艦 SDF-2 メガロード-01の航空隊長として。一人は新・統合軍の首都治安維持パトロール隊長として。激動の戦中 ・ 戦後を共に駆け抜けた戦友は、別々の道を歩む。

「 大隊長なんて、すごいじゃないですか 」
「 お前だって。 お互い出世しちゃったな 」
「 上になると色々制約があって、詰らないです 」
「 俺も、お前や柿崎と馬鹿やってる方がよかった 」
「 僕も先輩とバルキリーで格闘ゴッコの方がよかったです 」
「 ゴッコって何だよ! 」

 輝は両手を自分のポケットに突っ込んだまま、斜め向かいにいるマックスに届きもせぬ蹴りをした。2人は1機のガウォークの、キャノピーを開いた各々の操縦席の縁に腰を掛けていた。 

複座式の VF‐4ライトニングⅢに2人で乗り込み、どっちの操縦技術がすごいか交代で技を見せ合いながら、すったもんだしてここに到着したのだ。 

「 ―― 色々と孤独かな。でも上になるって、そんなモンだろ 」
「 頼もしいパートナーがいるじゃありませんか 」
「 お前にもミリアが、な? 俺も未沙がいればいいか! 」
「 僕もいますよ。セ ・ ン ・ パ ・ イ 」
「 お前の技を使う度に、思い出すことにするよ 」
「 僕も先輩の技を使う度に、思い出します 」

 なだらかな小高い丘の上から、そよ風に吹かれて周囲を見降ろすのは気持ちがいい。広大な牧草の緑の中に、水飲み用の湖が広がっていた。思い思いに草を食べたり昼寝をしている家畜達の間を、ゼントラーディー人の農夫が鍬を持ち、牧草を掻く。 

―― この1年で、見事な変貌である。

「 まっ、先は長いから程々に頑張りますか! 」

 輝は腰を掛けたまま、大きく背伸びをした。上げた手の先に、太陽が輝く ―― 掴めそうだ。


輝の目いっぱいに見える青空


そのまま少し後ろに反らして、青空の更に高くを見ようとした、ら ――

「 うわっ! 」
「 先輩 !! 」

―― バランスを崩して後ろに落ちかけた輝を、マックスが掴もうとした。が、時はすでに遅し。輝の姿は操縦席から消えた。

「 イテテ ・・・ 」
「 驚かさないで下さいよ! まさか、また冗談ですか? 」
「 いや、本気 」
「 冗談なら僕の技を一発、お見舞いするところでした 」

下まで真っ逆さまかと思いきや、上手く転がり落ちてガウォークの羽に掴まり、機体の腕に足が引っ掛かった。まさに間一髪だったが結構な曲芸で、マックスが疑うのも無理はない。


♪ パラパ パラパ


 農夫がラッパらしき物を吹くと、家畜がバラバラのんびりと集まる。マックスは輝の手を掴んで、操縦席に引き上がるのを手伝った。

「 我ながら、ネタみたいな落ち方だったな 」
「 友達には特別に、必殺技をお見舞いしますよ 」
「 ・・・・・・ 」

輝はやっと昇った操縦席で、照れ臭そうに尻を叩きながら俯く。 

「 友達は離れても …… ですね 」
「 …… 大いに同感 」

おしまい

Image Song
「 心のファンファーレ 」 奥井亜紀 
作詞 BWプロジェクト  作曲 田代智一    
TVアニメ 「ポケットモンスター」 のエンディング曲で、とてもよい歌です。

あとがき
本当はこの前に “ 優しくない輝 ” の話があり、マックスはさり気なく輝を慰めています。彼はクサいことも平気でサラリとしそう。

じゃれあう男友達
いいですねぇ~。首に手を回したり蹴る仕草したりって、楽しそうで仲良しそうで「可愛いなぁ」と思います。VF-4ライトニングⅢに複座式があるか知りませんが、「どうです、僕の技は?」 「なにぃ~? 俺の方がもっと無駄が無い。よし、代われ!」 「ちょっと、先輩! 飛んでんですからムチャしないで下さいよ!」とかして、すったもんだヨロヨロ飛ばして欲しい。マックスは髪にファッション・ポリシーがあり、輝はクセ毛をそれなりに気にしている ―― という、私設定です。

甦った大地と働くゼントラン
マクロスFに登場する「ゼントラーディモール フルモ」の牧場のイメージです。のどかで平和で、素晴らしい光景ですね。


おまけ
模擬戦の後を想像すると、ちょっと笑ってしまいます。その妄想を以下でご覧下さい。

「 訓練はいいけど、コレが嫌なんだ 」
「 綺麗ですね 」
「 うるさい! どうせカラフルだよ 」
「 ほとんど “ マト ” でしたね 」
「 一体、ナンなんだっ! 」

 輝は格納庫で、自分のバルキリーのペイントを落としていた。今日一番派手にペイントされた機は、パイロットが手で洗うのだ。つなぎの整備服の上半身をはだけて袖を腰で結び、長靴を履いている。Tシャツ1枚でも蒸し暑い中を、ついプリプリしてゴシゴシとデッキブラシを動かした。泡だらけの腕では額の汗も拭えない。

ポケットの中をジャラジャラ言わせ、マックスは「工具の他に一体何が入っているんだろうか」といつも思う。

「 まあ、言葉じゃ言いにくいことがあるんでしょうね 」
「 少なくとも好意じゃないな 」
「 そんなことないですよ。みんな照れてるんでしょ 」

「 男の照れなんて要らない 」
「 まあまあ。そんなにイライラして、糖分とカルシウム不足ですね 」

マックスは機体の向こうから、ピョコピョコ飛び出す頭に向かって差し出した。

「 ナニコレ?
「 イライラの薬です 」

マックスが渡したのは、ビビットな色の棒付きキャンディーだ。

「 乳歯と骨の成長を考えた、新製品です 」
「 コドモか、俺はっ! 」
「 僕の愛用品ですよ 」

マックスはそう言うと華麗な手品のように、全ての手指の股にキャンディーを挟んで披露した。輝の胸ポケットを3回軽く突くと、中から1本飛び出す。


カラフル・キャンディー


「 じゃ、お先に 」

 制服姿で愛用品を銜えて悠々と帰って行くマックスの背中を、しばし輝は呆然と眺めた。輝が後ろ向きに被ったキャップの調節ベルトから、聞かん坊の前髪がピョンと飛び出している。

「 手品師か? 制服のどこにあんな …… 。ドラえもん


 輝が未沙に、マックスのスゴ技ついでにペイントの話をした。それが回り回ってエキセドルが開発した物に、新人パイロットは大喜びだ。


ちゅっぱちゃっぷペイント


ビビットな色で豊富なカラーバリエーションを取り揃えた、24時間で消える不思議なペイント v
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