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「SS (二次創作小説)」
超時空要塞マクロス 第二部

第30話 Viba! Maria

未沙は自室で、輝に何を話そうとしていたのか気になりました。

輝が写真を見た時、未沙は何故不機嫌そうだったか、疑問でした。

丸2年振りくらいの輝&未沙のキスかもしれませんね。


輝達はブリタイとの混成軍を結成し、軍備増強のためゼントラーディ軍の自動工場衛星を奪取する遠征に出発した。
ところがマックスとミリアは、この作戦に自分たちのまだ幼いひとり娘マリアを連れてきていたのである。






快晴の空の下、奪取作戦に参加する精鋭部隊が今飛び立とうとしていた。  戦闘員として輝、マックスとミリアを含む9名が、ロケット・ブースター付のバルキリーで次々と発進する。 


「 シャトル、発射!」


参謀・指揮官としてエキセドル、クローディア、未沙が乗り込んだシャトルも打ち上げられた。 彼等のいずれも来たるべき戦闘に備えて、引き締まった表情を見せている。





編隊を組んだシャトルとバルキリー隊が、大気圏を抜け宇宙を飛行する。 前方に新・統合軍宇宙艦隊の一番艦であるブリタイ艦の、威風堂々とした艦影が見えて来た。 



―― 画像を掲載していましたが、削除しました ――
楽しんで下さっていた方、ごめんなさい

TV版 より 「宇宙に浮かぶ Nupetiet-Vergnitzs - ノプティ・ガバニス - 」



シャトルはブリタイ艦内部に吸い込まれ、バルキリー隊は滑走路に降り立つ。





輝とゼントラーディ兵士が親指を立て、収容準備OKと了解の合図を交わし合う。 輝は思わずコクピットで、ひとり呟いた。



―― 画像を掲載していましたが、削除しました ――

TV版 30話 より 「ゼントラーディ兵士と合図を交わす輝」



「 まさかこんな日が来るとはなぁ。」





シャトルから降りたエキセドルら3人を、ブリタイが出迎えた。


「 よく我が艦に来られた。 歓迎しますぞ。」
「 ブリタイ閣下、お元気そうで何よりですな。」
「 おお、エキセドル。 お前も元気そうだな。」
「 はい、お陰様で。」
「 ラサール少佐、早瀬少佐、自分の艦のように寛いでくれたまえ。」
「 ありがとうございます、ブリタイ司令。」
「 どうだ、エキセドル。儂の地球流の挨拶も上手くなっただろう。」



―― 画像を掲載していましたが、削除しました ――

TV版 30話 より 「手を腰に当て茶目っ気ある表情で3人を見下ろすブリタイ閣下」



ブリタイの少しおどけた様子に、未沙とクローディアは顔を見合わせ小さく笑う。 情報交換や会議等で顔を合わすことがあり、彼の知性が文化をも瞬く間に取り込んできたのを、彼女等は知っていた。


「 さあ、ブリッジに案内しよう。」



―― 画像を掲載していましたが、削除しました ――

TV版 30話 より 「通路を横に並んで進む4人」



通路を歩くブリタイの顔の横を、3人が自動走路で進む。 
体の大きさが全く異なる彼らが一緒の空間で生活するために、自動走路はマクロス・シティと同様、要所毎に設置されていた。 
ブリタイ艦の修復完了からほぼ1年たち、人類とゼントラーディ人が共に生活するのは当たり前かのように整えらていた。





格納庫で先に降りたマックスがコクピットのミリアに合図を送り、ミリアは機体からポッドを降ろした。 マックスがポッドに両手を差し伸べると、中からまだ1歳にも満たない赤ん坊を優しく抱き上げた。


「 あー。 あ。 きゃ。」


           上を見ろ あれは空だ
          下を見ろ あれは海だ
          私を見ろ おまえと同じだ
          おまえも大きく強くなれ



まだ言葉も話せないが、赤ん坊はコクピットにいるミリアに手を振る。 ミリアは女戦士から、母親の顔になり満足そうに微笑んだ。





ブリタイ艦のブリッジは、2年前マックスに破られた跡も修復され新しい様相を呈していた。 司令官席に座るブリタイの目の前に、マイクローンサイズのモニター機器とシートが3人分設置されている。


「 ふ~む、2年振りの戦闘か。 しかし、こうやって我々と地球人が共同作戦を行うなどとは、かつて夢想だにできなかったことだ。 これも文化の力か。」
「 そうとも言い切れませんわ。」


感慨深げにつぶやくブリタイに対し、クローディアが意見を述べる。


「 各地で発生している暴動 … ああ、失礼しました。」
「 いや、構わん。ま、いずれ膿は出し切らねばならなくなるだろう。 」


文化の力を以てしても、地球人とゼントラーディ人が相容れない状況は依然としてのだ。





ブリタイ艦の中を輝とマックスが自動走路で進みながら、懐かしく見回す。 あの時は敵艦の中でひどく恐ろし気に感じたが、今は巨大なゼントラーディ兵がのんびり脇を通り過ぎていく。


「 久し振りですね、この艦も。」
「 捕虜になって以来だもんな。」
「 どうです、捕虜になった者同士でパーティでもしませんか? クローディアさんも呼んで。 一度ミリアにも地球のホームパーティーってのを見せてやりたいと思ってたんです。」
「 料理はどうするんだい?」
「 ふっ、僕に任せて下さい。 和風、洋風、中華風、どれでもリクエストに応じますよ。」
「 お前ってまるで、スーパーマンだなぁ。 」



―― 画像を掲載していましたが、削除しました ――

TV版 より 「自信有り気に見返すマックス」



「 全部喰いたい。」とリクエストしつつ、マックスの多才さにまたもや感心する輝であった。





輝達は集まってホームパーティーをしていた。 マックスの和洋中ミックスの料理に舌鼓を打って満足した後、食後のお茶で寛ぐ。 
ミリアに抱かれたコミリアが哺乳びんでミルクを飲む。 8カ月の可愛い盛りのコミリアに、ミリアは普段からは想像もできない柔らかな表情を浮かべる。 そんな妻子を優しく見守るマックス。


           いつの日もおまえの側に
          いつの日も私がいる
          見ておくのだ 空を大地を
          今日という日を忘れるな



輝と未沙、クローディアの顔も自然と笑顔になってしまう。 
未沙はあやされて愛らしく笑うコミリアを見ていると、自分も赤ん坊を抱いてみたくなった。


「 ねえミリア、コミリアちゃん、ちょっとだけ抱かせてくれない?」
「 子供が抱きたかったら、自分で作ればいいだろう? これは私が作った子供だ。」
「 ミリア、そういう言い方は良くないよ。 早瀬少佐に抱かせてあげなさい。」
「 分かった。 少佐、行きますよ。 ほらっ!」


ミリアがコミリアを放り投げ、未沙は驚愕しつつも何とかコミリアを前のめりでキャッチする。 輝はカップを持ったままだったので思わず横に避けてしまい、あげくに少しこぼしてしまった。


「 何てことするの!?」
「 大丈夫ですよ。 コミリアは骨格がしっかりしてますから。」


マックスは暴挙を咎めるところか、全く動じていない。 もしかして普段から、この夫婦はそういう扱いをしているのだろうか … ? 
常識離れした彼等に、未沙もクローディアも唖然とした。


「 大体戦場に子共を連れて来るなんて、非常識も甚だしいわよ。」
「 自分の子供ぐらい、ちゃんと守ってみせる。」
「 あ、あなた、少しくらい戦闘能力が高いからって … 、痛っ!」


ミリア本人は事実を述べているだけのつもりなのだが、地球人からは非常識としか思えない言動で、時折騒ぎを起こすことがあった。 

未沙の説教と、しかしその意味が分からないミリアとの不毛な争いが始まるのではないか … ちょっとそれは止め難い。
という危惧の中、コミリアが未沙の髪を引っ張った。 途端に未沙はコミリアに夢中になり、輝とマックスは密かに胸を撫で下ろす。


( … ナイスだ、コミリア! )

「 まるで人見知りしないのね。」
「 ホント? 私にも抱かせて。」
「 だ~め。 私の方が先よ。」
「 んっ、ケチ。」
「 うふ、だ~め。」
「 ほら、コミリアちゃん、レロレロばあ~。 ほら笑ったじゃない?」


未沙とクローディアがコミリアを構う傍で、ミリアは知らん顔の様子である。 輝はマックスに小声で懸念を漏らした。


「 コミリアをとられて、ミリア、怒ってるんじゃない?」
「 心配ないですよ。 あれは自分の子供がチヤホヤされて、気分がいいって顔です。」
「 そうか?」


ミリアを理解できない地球人も、地球人を理解できないミリアも、天才マックスに掛れば意思疎通はスムーズだ。


「 それより早瀬さんの方に気を遣った方がいいんじゃないですか?」
「 ええ?」
「 ほら、あの嬉しそうな顔。 見て御覧なさい。」


未沙がコミリアを嬉しそうにあやしている。 マックスの中では、輝と未沙は恋人同士で確定している。 しかしどうもこの先輩は純情で女心に疎い所があるせいか、2人の関係は足踏み状態のように思えていた。 双方のために、つい少し手助けしてやりたくなるのだ。


「 赤ん坊が大好きで仕方ないんですね。 自分の子供ならもっとすごいだろうな。 早瀬さんの赤ちゃんだったら、見てみたいと思いませんか? ね、一条大尉?」
「 そんな眼で見るなよ。」

( お前と違って、俺はいきなりそんなわけにはいかないんだよ。 )


意味あり気に目を向けられ、輝は思わずひるんだ。 そんな輝に未沙が話し掛ける。


「 なあに? 男同士でナイショ話?」
「 そうそう。 女には聞かせられません。」


クローディアはそれならば … と、仲間に声を掛ける。


「 あ~ら、悔しい。 ミリア、こっちにいらっしゃい。 女は女同士でパアッと賑やかにやりましょうよ。」
「 そうか! 昔のゼントラーディ軍のようだ。」


嬉しそうなミリアの言葉に、かつては敵味方同士だった一堂は朗らかな笑い声を上げた。





輝と未沙、クローディアは並んで自分達の部屋へ帰る。 未沙の声は弾み、まだ先程の興奮が冷めやらぬようだ。


「 今日は楽しかったわねえ!マックスの料理も美味しかったし。」
「 あなたは、コミリアちゃんを抱けたから楽しかったんでしょう?」
「 ふふっ。 実を言うと、そうなのよね。」


未沙は部屋の前でクローディアをお茶に誘うが、彼女は遠慮した。


「 じゃあクローディアを送るから、あなたは部屋で待ってて。」
「 え? ああ … 。」


未沙と遅い時間には家を行き来したことがなく、こんな時間に彼女が誘うのは珍しいので、輝は少し戸惑った。


「 いい夜を。」
「 えっ!」


クローディアに去り際にウインクしながら言われて、輝は意味が分からずに驚いた。





クローディアは自室に入ろうと一旦ドアノブを握ったが、振り返って親友に言う。


「 未沙…。 コミリアを抱いている姿、似合ってたわよ。」


彼女は戸惑う未沙におやすみ、とウインクして部屋に入っていった。





クローディアは部屋に入ると、大きなため息を吐いた。 力の抜けた脚からヒールを放って、ベッドに身を寄せる。 

もう一人のベッドも大分慣れたが、こんな日はまだ切なくて溜まらなくなる。 慈しみ合う家族、未来のある恋人達 … 。 

愛しい男の愛した酒でも持ってくればよかった、とつい任務を置いて思ってしまう程だ。



―― 画像を掲載していましたが、削除しました ――

TV版 加工画像より 「フッカーと並んで街中を歩くクローディア」

    

「 ロイ … 。 あなたの子供、抱けなかったわね…。」





輝は未沙の部屋で、手持ち無沙汰に辺りを見回してた。


( ふーん。 やっぱり俺らとは違う作りなんだな。 )


未沙の部屋は輝の所より一回り広い。 
少佐と大尉は一階級の違いだが、権限の範囲等その差は大きかった。 階級の区別 ・ 差がより明確だったゼントラーディ軍の名残りを残すこの艦は、上位の者には高待遇を与えたようだ。

輝はテーブルに置かれた写真立てに気が付いた。 
写真を手に取って見ると、少女の未沙と自分よりやや年少と思われる、青年に差し掛かった少年が写っていた。
ドアが開く音に驚いて、輝は振り向いた。


「 ご、ごめん。 別に、その … 。」


未沙が少し表情を険しくしているのを見て、謝りながら写真立てを置く。 自分でも何を言おうとしているのか分からないまま言い訳をしてしまい、更に焦ってうっかり横向きだ。

考え抜いた大事な話を、これからしようとしていた想い人 … 。 
未沙はその輝に初恋の人の写真を晒してしまい、自分のうかつさを悔しく思う。 加えてそんな人の写真を見ても謝るだけで怒りもしない、 多分恋人? の男にも腹が立った。 


( 私ばっかりヤキモチ焼いて、イヤになっちゃうわ! )

「 お茶ぐらい淹れて待ってればよかったのに。」
「 ん、ごめん … 。 その、気が付かなくて。」
「 いいわ。 私が淹れるから。」


未沙は気持ちを抑えてもつい不機嫌な口調になってしまいながら、簡易キッチンに向かう。 


( 勝手に触って嫌だった? 大事な物だったのかな … 。 )


輝は写真立ての向きを元に直した。





輝と未沙は並んでソファに座り、未沙が持参して来たお茶を飲んだ。 「 リラックスして2人で将来を話し合いなさい。」 とクローディアが用意した秘蔵のティーバッグだ。


「 コミリアちゃん、可愛いかったわね。」
「 おたく、さっきからそればっかりだねぇ。」
「 だって、ホントに可愛いんだもの。それともあなた子供嫌い?」
「 そんな意味じゃ … 。 俺だって子供は好きだけどさ。」


未沙は輝の返事にほっとして微笑んだ。 未沙は子供が大好きだ。 … やはり自分の結婚相手にも、そうであって欲しい。

お茶を飲む輝の横顔を眺め、意を決して話を切り出す。


「 話は変わるけど … 、この前から聞きたいと思ってたことがあるの。 あのね … 。」
「 何だよ。」
「 その … 。」
「 はっきりしろよ。」


いつもはない改まった前置きや躊躇った話し方に、輝は自分達の間でそんな話はないはずだ、とつい先を促してしまう。 
未沙としては女の自分から、 きっと恋人? の輝に結婚の意思を問うのだ。 今までの付き合いで、彼だって自分を相手にと思ってくれているに違いない … とは思っていてもはっきり聞くのは、未沙にとってかなり勇気が要ることだった。


「 私と … 

『 早瀬少佐、ラサール少佐、至急ブリッジにいらしてください。』


未沙は一世一代の重大事だった所での呼び出しに、つい怒りを露わにしてしまう。


「 もう、何よこんな時に! 一条くん、また今度話し合いましょう。」
「 あ、ああ…。」


未沙が立ち去った後も、輝はひとり釈然としなかった。


( 一体なんだったんだ? )


未沙の 恐らく?恋人 の輝は、残念ながら鈍感極まりなかった。





ブリッジで待つブリタイとエキセドルの元へ、未沙とクローディアが揃ってやって来た。 彼女らに先程までの様子はみじんもなく、完全に有能な士官の顔だ。 

示されたモニターを見ると、大破した戦艦の残骸が映っていた。


「 間違いなく、監察軍の戦艦ですな。」
「 生存者は?」
「 生命反応はゼロ。戦艦が破壊された時期は最近と推定される。」
「 司令、詳細な調査を! 」


未沙の意見をブリタイは却下したが、彼女は引かなかった。
今まで監察軍についての記載を何度も目にしてきたが、このような間近に存在を確認したのは初めてなのだ。 
軍人としての使命感と決意が漲る。


「 地球人と監察軍の2度めの接触なんです。許可して下さい。」
「 監察軍に関する情報は全て地球側に与えた。まだ不足か?」


エキセドルが振り返って言いつつ、未沙に鋭い目を向けた。 
いつもは温和な彼も、こと自身の知識や研究に絡むことになると、途端に厳格で鋭利になる。 
食い下がる未沙に目を緩めることなく、淡々と説明する。


「 ブービー・トラップではないという保証はどこにもありませんな。 任務の重要性を考えれば、多少の危険も冒すわけにはいきません。」
「 未沙、エキセドル記録参謀のおっしゃる通りよ。」


クローディアが未沙に引くよう促す。 
エキセドルの言う通りであり、またこれ以上言っても受け入れられないであろうと、未沙は心残りを感じながらも進言を取り下げた。

ブリタイ艦がフォールドした後、監察軍艦の残骸のみが宇宙空間に残された。





デフォールドするとスクリーンに、工場衛星とゼントラーディ軍艦隊が広がる。その巨大さに、未沙とクローディアは思わず見入った。


「 プロトカルチャーの力って偉大だったのねぇ。 これほどの物を作れるなんて。」

『 強行偵察、準備完了。』


マックスの声に未沙は驚いて管制席に戻り、指示が遅れた旨を謝罪して発進を許可した。

画面に写るマックスの様子は落ち着いた物で、久し振りの戦闘に不安を感じる様子は微塵も見られない。 
マックスはミリアと2機で発進スタンバイに入った。

ブリタイは発進準備が進むのをスクリーンで確認しながら、部下に指示した。


「 守備艦隊のダガオ司令を呼び出せ。一応降伏勧告をしてみる。 あの石頭には無駄なことだとは思うが。」
「 勧告だけでは弱いんじゃないでしょうか。 私達がプロトカルチャーであることを示せば、あるいは … 。」


ブリタイは未沙の提案に納得し、エキセドルに手段を検討させる。


「 キスが一番ではないかと。」
「 確かにあれは衝撃が大きいからなあ。 早瀬少佐、すまんが捕虜になった時のようにやってくれんか?」
「 えっ! あ … 。 そんな … 。」
「 幸いこの艦には、一条大尉と言ったかな、あの軍人も乗っておるではないか。」


頬を染めて小さくなった未沙に、クローディアが発破を掛ける。


「 そうよ、未沙。 地球のためだと思って盛大におやんなさい。 」

( 全く、この人達はこんなことでもないと全然進まないのよね。 )



“ 地球のため ” と言われると気が楽になり、未沙は頷いた。





「 ダガオ司令官がお出になりました。スクリーンに回します。」
『 久し振りだな、ブリタイ。 一体何用だ。』
「 我々はここに貴君の降伏を求める。」
『 何だと? たかだか戦艦1隻で何ができると言うのだ。』
「 我々はプロトカルチャーと接触し、文化を手に入れた。 降伏した方が身のためだぞ。」

「 一条輝、参りました。」
「 丁度よいところへ来た。 ダガオ司令、こちらを見て頂だこう。」


ダガオ艦のスクリーンに輝と、傍に歩み寄った未沙が映る。


『 そいつらがプロトカルチャーとでも … 女がいるではないか!』
「 これからこの2人に、文化の力のほんの一部を示してもらう。」


輝は何が起きているか分からないながらも事態を見ていたが、ブリタイの言葉に、まさか … とうろたえる。


「 文化の力って、ひょっとして … 、 ア、 アレ のこと?」


軽く笑って頷く未沙に、輝は困って戸惑う。


「 と、ちょ、ちょっと待ってよ。 そんなこと急に言われたって、はいそうですかって、できるかよ。」





マックスとミリアはこのやり取りを、コクピットで聞いていた。 
マックスは今更うろたえる輝にも、息の合ったチームワークをみせたブリタイ等にも、思わすニヤニヤしてしまう。


( 全く、往生際が悪い隊長殿だ。 )

「 一条大尉が作戦遂行に反対してるようだが、大丈夫なのか?」
「 反対しても無駄なの。 上官の早瀬少佐が決めた。 キスするしかない。」
「 そうか。 … でも、何故一条大尉はキスを嫌がるのだろう。 あれはとてもいいものなのに。」


マックスは、素直なミリアの言葉を輝に伝えたくなった。





最近は何かと従ってくれることが多かった輝の拒否に、未沙は声を潜めて説得にかかる。


「 一条大尉、これは命令です。」
「 何も人前でわざわざやることないじゃないか!」
「 これは上官の命令よ。」
「 だ、大体こんなことに上官命令なんて横暴だ。越権行為だよ!」


以前は自分から文化を提案したこともあった輝だが、あの頃と今では未沙との アレ の意味合いは全く異なる。 

輝はこんな アレ は断固阻止すべきだ、と頑なに反発した。


エキセドルはキスをめぐって言い争いが激しくなってきたカップルのために、ミンメイの “ 0-G Love ” を流した。 男女の事に疎いはずの彼にも、輝の無駄な抵抗に口から笑みが消えない。


( 若い彼に課せられた命題ですな。 )


曲に気をとられてミンメイの名を呟いた輝に、未沙が近付いて自から唇を押し当てた。


「 ん、んん … !」



―― 画像を掲載していましたが、削除しました ――

TV版 30話 より 「輝の肩に手を置き、自分からキスする未沙」



( 未沙が、こんな … 。 )


輝は驚きつつも了解して、 … 気持ちに身を任せた。

ブリタイは素直になった2人を見て、思わず笑みを浮かべてしまう。


( 地球人は女の方が潔いな。 )





スクリーンに大写しの2人のキスに、ゼントラーディ兵士達が浮き足立った。 画像をシャットダウンするが時すでに遅く、1人が気を失う。 ダガオは激しく動揺しながらも、何とか持ち堪えられたことで強気に言い放った。


「 残念だったな、ブリタイ。 こんなまやかしが我らに通用するとでも思ったか。 何がプロトカルチャーだ。 何が文化だ!」


その時衝撃音と共に、艦壁を突き破ってマックス&ミリア機が突入してきた。 大勢のゼントラーディ兵士達が2機を取り囲んで、銃を向ける。 ミリアはマックスの信頼の目に頷いて応えると、多数の銃口を物ともせずキャノピーを開けてヘルメットを脱いた。 

強い意思をはらんだ瞳と、ヘルメットから拡がった緑の髪が美しい。


          行け! 行け! 飛んで行け!
         青く光るあの星まで
         私と共に…
         とにかくよろしく頼む



「 私は元ゼントラーディ軍兵士、ミリア・ファリーナ・ジーナスだ。」
「 あのラプ・ラミズ隊のミリアか!」
「 いかにも。 そしてあれが、プロトカルチャーのマクシミリアン・ファリーナ・ジーナスだ。」
「 たかがマイクローンではないか。 何がプロトカルチャーだ。」
「 それではこれを見ろ!」


ミリア同様立ち上がって敵に生身を晒していたマックスが、そう言ってミリアの方を指し示した。 操縦席のミリアが抱いた小さく奇妙な生き物に、ゼントラーディ人達は大きな不安と恐ろしさを感じた。 
そんな彼等に対し、ミリアは眠そうに小さな手で目をこする我が子を慈しみながら、穏やかに説明してやる。


「 これは “ 赤ん坊 ” と言う物だ。 名前はコミリア・マリア・ファリーナ・ジーナス。 段々大きくなって、我々と同じ大きさになる。 これは私と、彼が作った物だ。」


           戦いが運命ならば
          戦いは生きる事だ
          振り返るな 立ち止まるな
          お前の誇りを 忘れるな



「 お前達に、プロトカルチャーが撃てるか!」


ミリアがコミリアを高々と差し上げると、兵士達は驚愕した。 

コミリアはガオークからのいつもよりずっと高い たかい たかい に眠気も吹き飛んで、大喜びで遥かな天井に向かって万歳をする


「 よく見ろ、これがプロトカルチャーの印だ!」


           行け! 行け! 飛んで行け!
          おまえの未来が見えるだろう
          私と共に…



ゼントラーディ兵士達は畏怖と恐怖の心から、銃を投げ出して逃走する。 遂に司令官のタガオまでもが逃げ出した。


      「 プロトカルチャーだ!」  「 文化だあ!」  





自分の艦のスクリーンでこの模様を見ていたブリタイは、敵の醜態と余りにも呆気ない文化の勝利に満足の笑い声を洩らした。 
ブリッジ内の空気が緩み、思わずクローディアも軽口が出てしまう。


「あなた方2人のキスより、コミリア1人の方が迫力あったわけね。」
「そうみたいね。」


未沙は全くだ、とばかりに笑って応えた。 彼女は地球人とゼントラーディ人の一粒種、コミリアの活躍を称賛する気持ちで一杯だ。 
またその愛らしさに、相変わらずご機嫌になってしまうのだ。

任務の成功までコミリアに攫われて、結局ひとつもキメられなかった輝だけが、ひとり隅ですっかりしょ気ていた。


( 俺、カッコ悪 … 。 )


ブリタイは反撃の可能性があると臨戦態勢での待機を指示し、再度ブリッジの場を引き締めた。





敵艦から脱出したマックス&ミリア機の後をミサイルが追尾したのを確認し、未沙は戦闘開始と判断した。


「 バルキリー隊、発進!」


輝のバルキリーにも彼女の凛とした声が響く。 輝はこの声を聞くと、自身に戦闘のスイッチが入ったかのように全身が引き締まる。


「 スカル中隊、発進!」


輝達の発進を皮切りに、未沙の指示で ヌー・ジャデルガー、リガート、戦闘ポッドといった戦機が編隊と組んで工場衛星へと向かった。 

2年前には対峙した者同士が、今は同じ方向に向かって進んでいる光景は壮観だった。





ダガオ艦では反逆者が現れ、統制が全く取れなくなっていた。 
余りの恐慌におかしな考えをもった者が現れ、それは瞬く間に艦内にいる者達の思考に伝播したのだ。


「 プロトカルチャーに汚染された艦は、破壊すると申しまして…。」


ダガオは事態の把握すらできない内に、友軍戦艦から砲撃を受けて吹き飛んだ。 

輝は冷静に状況を判断し、味方に指示を出す。


「 敵軍は混乱をきたしている。今の内にできるだけ制圧しておけ。」


ミリアもコミリアを片手に次々と敵を撃破していく。 
宇宙に散る美しい光の華を掴もうと、コミリアは大興奮だ。

クローディアの照準指示に合わせて、未沙が味方へ退去を伝え、ブリタイの号令で主砲が発射された。
地球の技術が加わって更に強力になった雷は、一気に敵を破壊する。





かつての味方の残骸が宙を流れる中を、ブリタイ艦は進む。
今や新・統合軍宇宙艦隊の司令官である彼は、変わらず自分の味方であるエキセドルと話す。


「 結局彼等は、我々をプロトカルチャーと認めたか。」
「 制圧した敵兵の処置は如何致しますか?」
「 彼等とて我らが同胞。 来る者は拒まずと伝えろ。」


残存兵の最後の抵抗もなくブリタイ艦は工場衛星に着艦し、味方の血をほとんど流さずに手に入れたることができたのだった。





工場衛星がフォールドの準備をしている。 クローディアの主導の下、関連部署ではスタンバイを進めていた。


「 空間転移、座標算出完了。」
「 全フォールド・システム、長距離転移準備完了。」
「 発進!」


ブリタイの合図で巨大工場衛星はフォールドした。 
限界まで作動させたフォールドシステムが再作動不可能となるかもしれないと、クローディアがブリタイに報告する。


「 当初の目的はほぼ達成した。航跡も何とかごまかせるだろう。」
「 デフォールド、します。」


マクロスの上空に昇る満月の傍に、工場衛星の影が現れた。

小さな女戦士の活躍で、約2年ぶりの宇宙戦争はここに終結したのである。



     平和の女神 コミリアに万歳! 



                                  おわり


あとがき

輝のヘタレ具合に皆がしびれを切らしていた、に一票。
「子供なら自分で作れ」 「キスはいいものなのにな」 と、大真面目で無意識に煽るミリアにも3票。

ブリタイ閣下は、ダンディで茶目っ気があり漢 - おとこ - でもある。 
髪型と眉毛が星一徹めいております。

未沙の 「 だ~め 」 等が、ビッグ・エスケープの 「 マクロスに帰れなくてもいいのかな~?」 並みの破壊力です。

ミリアのぎこちない話し方と、ちょっと浮世離れした感じが好きです。 「 7 」ではすっかり達者になってしまって残念。

人類とゼントラーディ人の、共存と共闘を書きました。 どんな環境になっているのか、具体的に知りたいです。

いい加減仕方がなくて着手しましたが、TVを見ている内にムラムラと妄想が発露して、楽しく書けました。 
絵のウマヘタ差がありましたが、それなりに表情は読めますね。 ここでの輝&未沙のキズシーンは余り…だった気がしていましたが、ワンショット良いものが。 2人とも素直にしていそうでしたので、SSではこのように描きました。

画像探しがしんどくて、もう結構いい加減に。 でも面白い画像があったので、載せておきます。


―― 画像を掲載していましたが、削除しました ――

多分TV「マクロス7」 より 「マクシミリアン家の人々」


  マックスの5女 エミリアの自室に貼ってある一家の写真


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