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白い薔薇によせて



いらしゃいませ。現在の閲覧者  名さま

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「SS (二次創作小説)」
Macross After

新婚さん

新婚さんと言ったら、やっぱりアレでしょ!





 輝と未沙が一緒に住み始めて、1週間が過ぎた。元々お互いの家を行き来し、食事を一緒にすることも多かった2人だ。大きく問題なくスタートできた ―― 同棲生活、だった。


「 行ってきます 」
「 行ってらっしゃい。気を付けてね 」
「 今日は遅くなる。隊長達と内輪で飲むんだ 」
「 飲み過ぎないでよ? 」
「 今度は失敗しないよ。


 輝が未沙に軽く口付けた。未沙も目を閉じて、受け入れる。1週間続けて、もう慣れつつある儀式だ。 

自転車で走り去る輝を見送り、未沙は幸せな気持ちで家に入った。



新婚さん



 ここはメガロード‐01内の家族用宿舎だが、セキュリティーが特に厳重な地区だ。輝も未沙も軍内での立場上、身の危険が有り得る重要人物であった。


 9月9日に迫った出航を前に、一般市民を除く軍関係者や主だった為政者らは既に乗船していた。問題なく艦が稼働できるかの確認や、宇宙空間での訓練が目的である。8万人からの者を一度に乗船させるのは混乱が大き過ぎたため、3回に分けてメガロードが地球に着陸し、人々や家財を受け入れる計画だ。

結婚の約束をしていた2人は、これを期に一緒に暮らすことにした。6月には仲間達から祝福されて、結婚式も既に挙げている。しかし軍の意向と未沙の思惑も少しあり、入籍は10月にメガロード内でされる予定だった。 

―― だから、2人は同棲なのである。


「 さてと。片付けますか 」


 未沙は大きく伸びをし、家の中を見回しながら言った。乗艦して1週間たったが、多忙な毎日のため最低限の生活用品を出しただけで、まだ引っ越しは完了していなかった。







「 たっだいま~ 」


 ご機嫌の輝が帰宅したが、在宅していれば出迎えてくれるはず未沙が顔を見せない。今日は非番であったはずだが … 。不思議に思い、キッチン・リビング・洗面所などを覗くが、妻は見当たらなかった。電気はついているので、外出してはいないはずである。


「 みさぁ~? ただいま~


 寝室に顔を出すと、未沙が床に座って背を向けて俯いていた。 


「 どうしたのさ? 今日はそんなに飲んでないよ 」
「 そう … 」
「 元気ないけど、具合でも悪い? 」
「 別に何でもないわ。何か飲む? 」
「 いや、別に … 」
「 そ 」


 何故だか妙に素っ気ない気がしたが、輝は着替えを持って浴室に向かった。未沙は立ち上がろうとし、 … 手に持っていた物を段ボールに戻した。


「 …… 馬鹿 」







 輝は歯を磨きながら、TVニュースを見ている未沙の元へ行く。


「 ねへ … どーひはの? 」
「 ん・もう! 歯磨きしたまま出てこないで 」


 未沙は、肩に置かれた輝の手を払った。輝は一瞬呆気にとられたが、歯ブラシを口から出してすぐに謝る。


「 ごめん。癖になっちゃってて 」
「 … トイレの蓋も開けっぱなし 」
「 そっちもか。悪かった 」
「 私だって、何度も言いたくないんですからね 」
「 ん。ごめん、気を付けるよ 」
「 … 先に休ませてもらうわ 」
「 あ、俺も ――
「 ちゃんとデスクの上を片付けてから! 昨日言ったじゃない 」


 未沙は輝の返事も聞かずに寝室に入ってしまった。少しズボラな面がある輝と、日常生活でも几帳面な未沙と。お互いのそんな性格を知ってはいたが、一緒に暮らすからには譲れない部分も出て来る。この1週間2人は互いのそんな部分を忙しいながらも伝えあい、話し合ってはいた。

しかし今までの生活の癖は、一朝一夕で直るものではない。大体において利があって不利益を被るのは未沙の方で、輝もそれは分かっていたから大人しく従っていた。彼は未沙に甘えている面があったが、自分が楽をする代わりに彼女がそれを受けるような甘え方はしなかった。


( ちぇ … 別にそれ位なら、明日でいいじゃないか )


 輝はデスクに広げたプラモデルを整理した。荷物の中からこれだけは大急ぎで出して、無事を確認したのだ。未沙は輝の軍宿舎に掃除に来ていた頃から、プラモデルや本棚といった輝の大事にしている物や想い入れがありそうな物には触れなかった。 







 寝室は輝のためか、ナイトランプが燈っていた。未沙はダブルベッドの隅で背を向けて横になっている。このベッドを買う時、未沙は「お互い夜勤もあり得るのだからベッドは別にしよう」と言った。しかし、輝が強固に主張してこれにしたのだ。


 寝室は広かったので、壁に付けず両サイドからベッドに出入りできる。輝は未沙と反対側からベッドに入り、未沙の肩に手を置いた。


「 未沙、もう寝た? 」
「 …… 」
「 起きてるんだろ? 」
「 …… 」
「 どうしたんだよ 」


 返事を寄こさない未沙にくじけそうになりながらも、輝は彼女を背中から抱き寄せる。


「 結婚する時、2人で決めたじゃないか。何でもちゃんと言葉に出して話し合おうって 」
「 …… 」
「 俺は、今でもそのつもりだ。未沙は違うの? 」


未沙の体が小さく震える。輝は更に強く抱きしめた。


「 俺 … また何かした? 」
「 ううん。いいの。私が気にし過ぎなの 」
「 何を気にしているのさ 」
「 言えない 」
「 言ってくれよ。じゃなきゃ、分からない 」
「 分からなくて、いいの 」
「 … 怒るよ 」
「 怒っていいわ 」

( そんなこと言われたら、怒れないじゃないか … )


 輝は悲しくなって、未沙を抱きしめたまま目を閉じた。こういうこともあろうから、このベッドにしてよかったと思う。 







「 行ってきます 」
「 ん。気を付けて 」
「 今日は定時で帰れそうだわ 」
「 そ。よかった。んー


 未沙は目を伏せながらも受け入れる。これもやはり結婚の時の約束で、どんなに喧嘩をしても挨拶だけはすることになっていた。

ヒールを鳴らして歩く未沙の後ろ姿を見送りながら、輝はため息を付いた。


「 さてと。片付けますか 」


 輝は大きく伸びをし、家の中を見回しながら言った。自分の箱を開けては中の物を手に取って、中々はかどらない。やっと寝室に入った頃には、夕方になっていた。


( “お休みなのに、何してたの!” って叱られるぞ )


―― すっかり小学生とお母さんのようである。

 
 輝は段ボールを次々開け、ふと手を止めた。手に取った物は ―― 白いアルバム。ミンメイの物は、引越す時に処分した。これは未沙とのアルバムだ。しかし、同じメーカーの物だったため、表紙だけ見れば同じに見える。


( もしかして、これを … ? )


 輝は胸がズキリと痛んだ気がした。昨晩は、愛しいが故に憎らしくも感じた気持ちが、一気に申し訳なさと後悔と、更に愛しい気持ちに変わる。







「 ただいま 」
「 お帰り 」
「 … どうしたの? その恰好 」
「 本当は未沙の手料理の方がいいけどさ。俺、休みだったし 」
「 ありがと 」


 玄関に出迎えた輝は、エプロンを付けてお玉を手に持っている。


「 ご飯にする? お風呂にする? それとも オ・レ?
「 やっだー! 輝ったら。あははは …  ! 」


腹に一物あるさすがの未沙も、思わず大笑いした。輝は未沙のバックを取って、手を繋いでダイニングへ連れて行く。 



        


 テーブルには、豚肉サラダとぬか漬けが用意されていた。


「 と言っても、もう作っちまったからこっちが先だけど 」
「 嬉しい …  ごめんなさい、急いで支度するわ 」


 未沙が寝室で着替えている間に、輝は中華スープを温めながらチャーハンを炒める。未沙が手洗いも済ませて出て来ると、一緒に配膳した。


  「 いっただきま~す 」 「 いただきマス 」

「 サラダ美味しいじゃない 」
「 未沙が漬けといた肉だよ 」
「 レタスがシャキシャキよ 」
「 未沙の言う通り、ザクッっと切っただけ 」
「 スープだって美味しいわ。 お・く・さ・ん 」
「 旦那、男なら黙って食いな 」
「 … どうしたの? 私は褒めてるのに、素直じゃないんだから 」
「 素直じゃないのは君だろ? 」
「 え? 」
「 後で見せたい物があるんだ 」


 2人で食器を洗って片付ける。洗うのは輝で、すすぐのが未沙だ。未沙が翌日の食事の下ごしらえをしている間に、輝がテーブルを拭いたり食器を片付けたりする。初めは未沙が洗っていたが、手荒れを気にする彼女が手袋をしてやっていたのを見た輝が代わるようになり、いつの間にか今の形が出来上がった。
―― 結婚前からの、共同作業だ。







 各々入浴を済ませ、手を繋いで2人で寝室に向かう。


「 そう言えば、見せたい物って? 」
「 これだよ。未沙、これを昨日見て変だったんだろ? 」
「 …… 」


アルバムを凝視する未沙を見て、輝は間違いないと確信した。 


「 前にも見ちゃったみたいだけど、これは … 」


 輝はアルバムを開いて未沙に見せる ―― 輝と未沙の写真だ。輝は写るのが余り好きではなが、イベントや遠出の時には必ず1枚は2人で撮っていた。 

2人で写る写真ばかりの中、3枚だけ未沙1人の物がある。


「 これ … 」
「 ちゃんと整理して貼ったって言ったろ? 」
「 ごめんなさい。私、すっかり … 」
「 あの時にもこれはあったさ。君が見てなかっただけ 」
「 私の写真なんて、どうせお菓子箱に放りこんでるとばっかり … 」
「 え? 見たの? 」
「 は? 何を … ? 」
「 い・いや。そんな時期もあったかな~? と 」
「 もう。やっぱり輝ね! 」
「 ははっ、冗談だよ。でも、さすが未沙。俺のことよく分かってるなー 」
「 当たり前じゃない。一体何年あなたと付き合ってると思うの? 」
「 ん~? 3年ちょい? 」
「 何で疑問形? 」
「 奥さんの君は、まだ1週間だ 」


 2人でクスクス笑いながら、ベッドに倒れ込む。未沙の唇に優しく口付ながら、輝は彼女の瞳を見詰める。


「 … ミンメイの写真はもう、整理したよ 」
「 私、そんなつもりじゃ … 」
「 いや、俺のケジメ 」
「 でも、あんなに好きだったのに … 」
「 昔はね。嘘は言わないよ 」
「 初恋って、大切なものじゃない? 」
「 … 君にも分かるよな 」
「 そうよ。私も、嘘は言わない 」
「 なら分かるだろ。今は誰を好きか 」
「 …… 」


 未沙は目に涙を浮かべて、輝を見詰める。任務から離れると、彼女は本当に泣き虫だ。


「 奥さん … 一番大事なことが、まだだよ 」
「 え? 」
「 まだ、1週間しか君を知らないんだ … 」


輝はそう言うと、未沙の首筋に顔を埋めた。



おわり

あとがき

 未沙の でエプロンを想像した方、すみません。輝で我慢して下さい。―― え?脱いでれば考える?うーん、男のそれは私の趣味嗜好に合わず … 。お好きな方に譲ります。

 本当は喧嘩になるはずでしたが、輝が怒れず … 。TV版のセリフを聞いて、「ウチの輝はちょっと男っぽくないなー 」と意識して直していたのですが、話し方だけではないようで。

 SS「第28話 MY ALBUM」の問題のアルバムを、輝が未沙に言い訳する場面がやっと回収できた。29話をアップ後、「しまった! 忘れた」と思ってました。

 むむ …、輝め。持ち込み方がナカナカやるな! 彼はこういう時は口が回ります設定。でないと私が面白くない。

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 Comment 

優しい輝、意地っ張りな未沙 

こんばんは。初めまして、ですよね。
ご訪問&コメントを、ありがとうございます。
お陰さまで初期の作品を久しぶりに読み、まるで他人の作品のようにも思えました。我ながら確かに輝、優しいわぁ。
休止中ですが、やっと最近PCを直したので、何か書く機会をうかおります。
e-68「また遊びにいらして下さいね〜」

Re: ストレス発散が必要! 

deさま、こんばんは。

すんごいジットリ感。これでは、百年の恋も冷めませんか?
エエ~!? そうですか? 今まで頂いた感想からも・私自身も、これはライトな感じがしますなぁ・・・。未沙が引きずっているけど言い出せない感じに描いているので、その為でしょうか。

しっかりしてもらわないと、一緒に乗り組んだ人たちや部下が不安になりますよ
そうですね。このSSの2人も、仕事場面ではしっかりしていると思います。だだこの場面はプライベートなので、悲しんだりウジウジしても良い気がします。それを出して支え合えるから、2人でいる意味があるのではないか。私は、そんな考えですね。

頂いたお言葉を正しく理解できているか解りませんが、こんな返答でした。de様のカラーのお話、公開されるご予定なのですか? もしブログ等を開設されたら、ぜひお知らせくださいませ e-68「では~」

ストレス発散が必要! 

ifは苦手なので、こっちを拝見しました。
 すんごい ジットリ感。 これでは、百年の恋も冷めませんか?
 今まで、自分しかいなかった世界に、他人を迎える。私も覚えがありますが、せっかく意中の人と一緒になれたんだから、活発にやってほしいですね。
 艦の責任者と守る武官の夫婦。 しっかりしてもらわないと、一緒に乗り組んだ人たちや部下が不安になりますよ。
 私は、ライトが好きなのでその方針で、せっせと書きためているところです。

覚えてます~❤ 

もちろん、拝見しましたv-10 そして、萌えさせて頂きました!
未沙のアルバムは妄想を掻き立てますよね。

ウチは甘えちゃん同士のようで息の合った甘えを見せて欲しいです。
好いて下さったのは、エプロン輝でしょうか? よろしければ歯ブラシでムホムホしながらしゃべる彼も可愛がって下さるとv-238

おめでとうございます!
9月9日は記念SSでも書かせて頂きたくなりますね。

管理人のみ閲覧できます 

このコメントは管理人のみ閲覧できます

いつも素敵なコメントをありがとうございます 

喧嘩させてやれ!と私は思ってだけなのですが、ふたりが勝手に萌えを次々と繰り出しまして。自動筆記のように書いただけで、私は2人の世界の外です…(ショボン)。多めのハートは親心。
私が書く輝は、どうも今のところ未沙に対しては甘えん坊で茶目っ気がある感じがします。なので第2部を見ると、原作の輝はもっと男っぽいんだなと思います。他の場面の彼を書けば私のSSも少しはカッコ良くできると期待してますが、キャラの自由な言動が出てきておりますのでどうなりますか。
 
それにしても、萌え処を逃しませんねv-389ニヤリ? 私が気付かなかったポイントまで発掘下さり、楽しんでしまいました。言われてみれば切ない場面もありましたね。そちら系も好きで今後考えてますので、ご趣味に合うとよいですが。

管理人のみ閲覧できます 

このコメントは管理人のみ閲覧できます

お誕生日、楽しみですね 

9月9日と言えば…と調べたら、ドラえもん は3日で勘違いでしたv-356
出航日はWikiに出てた物で、きちんと調べて違っていたら直すかも…。折角同日だったのにすみませんv-421

輝は幸せにしてあげたいですね。
ついせっせとご飯を作ってしまいます。
未沙は輝といるだけで幸せ…という、意地らしい設定。

2人は言語的・非言語的コミュニケーションの両方を得たので、喧嘩は大いにやっても大丈夫です。

9/9 

バボの生誕記念日なのだ!
輝未沙は 今まで沢山の山あり谷あり 崖ありだったから
何があっても、仲直りで来て良いな~
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