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白い薔薇によせて



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「SS (二次創作小説)」
空白の二年間

輝はひとり暮らし?

 SS「男のひとり暮らし」 の続きで、輝が準備した未沙の誕生日会の模様です。


ある日時(たいてい15:00頃)  ある場所  あるメンバー

「 一条大尉って、気が利なかってか、ツマラナイってか ・・・ 」
「 オシャレじゃないって言うか ・・・ 」
「 言動が無防備って言うか ・・・ 」

   ドーンカーンなのよねぇ ~~

そんな鈍感男 一条輝が、最近思うコトは ――
2011.7.19 up


 午後1時、約束丁度の時間に未沙はやって来た。白いレースのジャケットに、薄桃色のAライン・ワンピース。珍しくパールのイヤリングを付けている ―― 輝には「何だかいつもと、ちょっと違うな」位しか分からなかった、が …… 。

「 お招きありがとう 」
「 そんな大したモンじゃないんだけどさ 」

 頭を掻く輝に、未沙はニコニコしながら手みやげを渡す。ジュエリー・ショップの小奇麗なペーパー・バックに入っているモノは ――

「 これ好きだと思って 」
「 スキ ・ スキ! これ、ウマイんだよな~。サンキュー 」


豚の角煮
豚の角煮


 輝には匂いですぐ分かった。 未沙の角煮は、厚切りの大根やゆで玉子、こんにゃく等が入って栄養満点だ。若い男の彼は、こってりした物を体が欲するようであるのを未沙は感じていた。未沙自身は西方の出身である母親の影響か、薄味で野菜の色や香りが活きるような煮物が好きではあったが。 


「 もう用意していい? 自分で遅い時間にしたクセに、ハラすいた 」
「 輝の手料理なんて楽しみで、私もお腹すかせてきたのよ 」

 未沙は輝が嬉しい言葉を、自然に言ってくれる。輝は慌ただしく彼女が輝宅で使っていたエプロンを着けた。未沙も持参したエプロンを身に着けて、並んでキッチンに立つ。

「 エプロン、似合うじゃない 」
「 これ犬だよな? 俺で合うかな?と思ったんだけど 」
「 カワイイわよ? さ~て、何を作ってくれたのかしら 」
「 や! ホントそんな大したモンじゃないからさ …… 」


 既に輝が用意したテーブルに、2人で祝い膳をセットする。輝は普段、寝室のデスクか小さい座卓で食事を摂る。未沙と食べる時だけ、それ用に購入した折りたたみ式のテーブルセットを寝室に出すのだ。普段は邪魔になるので、リビングにしまっている。リビングと言ってもソファーがあるだけで、ほとんど物置だったが。

「 あら、美味しそう 」
「 未沙が作ってるの見て、これならできるか?と思ってさ 」
「 盛り付けが綺麗ね。センスいいわよ 」

 単なる冷しゃぶだったが、パプリカやブロッコリー、トマト等でカラフルに彩られている。そこにポン酢をかけただけ … という、シンプルなメニューだった。
 
未沙はサッパリした味と、野菜を好むのを輝も分かっていた。

「 あとチャーハンを炒めるだけ。親父とよく作ってたんだ 」
「 いかにも男の料理ね。中華鍋を遠火でガンガン振る所とか 」
「 ウチのはフライパンだけどね。振りますよ~、ガンガン 」

輝は “ ガンガン ” の身振りをし、2人で笑う。未沙と話すと、何てことはない日常の内容でも楽しい。彼女は聞き上手だと思う。

―― でも、それだけではなくって ……

「 そっちも用意してくれたの? 嬉しいわ 」
「 未沙、これ好きだろ? 必ず頼むよな 」

未沙が好きな赤ワイン

画像の雰囲気だけで、銘柄等は無関係です
     

 それはちょっと高級な赤ワインだった。輝は未沙に家事のお礼と、差し入れの材料費のお返しを兼ねて、月2~3回は食事やお酒に連れて行き御馳走している。輝も19歳を過ぎて、大手を振るって未沙と飲めるようになった。彼女御用達の Bar MICRO COSMOS に行った時は、未沙は最後に必ずこれを頼むのだ。
私のSSでは、19歳以上を法定飲酒可能年齢と設定しています

「 ふふふ。昼間っから飲むなんて、私達ったらワルい大人ね 」
「 大っぴらに飲んで、酔っ払う。それが大人になった醍醐味だよ 」
「 子供の頃から飲んでた人には、そうでしょうケド 」


 輝の父親のアクロバット・チームには外国人もおり、飲み水が安心できなかったり、極寒の国の出身だった者は、飛行に支障がない程度に日常的に飲酒する習慣があった。それに皆で飲むのが好きな父親は、よく自宅でも仲間と飲んでいた。
 
輝も中学に入った頃には、面白がって飲まされる事があったのだ。 

「 好きで飲んでた訳じゃないよ。俺は酒よりコーラの方だから 」
「 今じゃ、すっかり飲兵衛ですけどね 」
「 誰かさんのお陰でね 」
「 マックス君? 」
「 そーとも言うか! うん、マックスのせいもあるな 」
「 他には …… 」
「 身近な人って、なかなか気付かないんだよなあ~? 」
「 身近って、一番仲いいのは彼じゃない 」
「 マックスよりも飲みに行く人がいるんだなぁ、これが 」
「 えっ? ―― 私? 」
「 だろ? 」
「 …… 私、飲兵衛じゃなくてよ 」


のんべえ人形


そう言う未沙は恥ずかしそうで、でも隠しているつもりで嬉しそうだ。 

  ( 未沙って分かりやすい。根は感情豊かで素直なんだな )

―― こんな彼女見ていると、思うのだ。やっぱり ……


*    *    *


テーブルのセットが終わり、向かい合って席に着いて乾杯する。

「 未沙、誕生日おめでとう 」
「 ありがと。またひとつ、年取っちゃったわ 」
「 おいくつでしたっけ? 早瀬さん 」
「 うん、もう! 意地悪ね。どうせあなと違って20代よ 」
「 俺は早く20代になりたいけど、女の人はそうじゃないよな 」
「 クローディアは “ オンナは30代からが本当の華よ ” なんて言ってたけど …… 」
「 さすが、クローディアさん。余裕だね 」
「 彼女くらい素敵なら、そうかもしれないわね 」


話しながらも、酒も食事も進む。輝はメインの冷しゃぶを口に入れ、止まった。

「 どうしたの? 」
「 ―― ごめん。これ、旨くない 」
「 そんなことないわよ? 」
「 だって、未沙のと全然違う 」
「 美味しさなんて色々。私と同じじゃなくても、美味しいじゃない 」
「 俺は未沙のがいい。これバサバサしてるし、味もない 」
「 下に溜まってるポン酢と絡めながら食べるのよ 」
「 それだけじゃないよ ―― 何でだろ。何が違う? 」

「 …… 牛肉はバサバサしやすいし、豚肉ほど火を通さなくてもいいの。だから私は色が変わったらすぐお湯から出すわ。味は茹でる2時間くらい前にお醤油やショウガに浸けておくの。茹でる前に、水で溶いた片栗粉を絡めるのよ。そうするとしっとりするから 」
「 へー。茹でるだけじゃなくて、見えない所で手間を掛けてくれてたんだな 」
「 だから、お料理は愛情で味付けする、って言うのかもね 」

「 ・・・・・ 」

( 俺、もしかしてアピールされてる? )


―― ブリッジ3人組に “ ドンカン ” と言われる輝も、そろそろ気付いていた。


「 でも本当に美味しいわよ? いいお肉買ってくれたんでしょ? 」
「 店員お勧め。未沙が言ってた店だから、ボッタくられてないよ 」
「 店って “ ハピマ ” ? うちと反対側なのが残念なの。荷物が重くて 」
「 俺の食い分もあるんだから、休みが合った時は俺が運ぶよ 」
「 じゃあ、これからは輸送隊長にお頼みするわ? 」
「 りょーかい ・ りょーかい 」


 輝は敬礼し、未沙と笑った。食事が済んで、食器を下げに2人でキッチンに行く。キッチンの隅にある袋に、未沙の目が留まった。

「 ねぇ、実はさっきから気になってたんだけど。これって …… 」
「 バレた? へへ。未沙に頼もうと思ってさ? 」
「 グレープフルーツが本当に好きなのねぇ …… 」
「 パイナップルには挑戦したけど、さすがにそれはね 」
「 パイナップル切ったの? すごいじゃない 」
「 結構硬いし、剥き過ぎた気もしたし、大変だったな 」
「 ああいうの、慣れよ ―― ねぇ、他にも何か隠してる?」
「 いやぁ …… 」

輝が冷蔵庫に目を向ける。未沙は冷蔵庫を開けて、ビックリした。


大量のシラス


「 シラスが大漁! 痛みが早いけど、食べ切れるの? 」
「 未沙にもあげるよ 」
「 素敵なバースディプレゼントねぇ? 」
「 …… 未沙、シラス好きだろ? 」
「 あなたと同じに、ね。これで骨太になれそう 」
「 もっと図太くなれるよ 」
「 “ もっと ” って、何よー! 」
「 いや~、この前の中佐とのバトルはすごかった。未沙ってば表情全然変えないよな。俺なら蒼褪める 」


 口うるさい中佐が1人いて、理不尽な理由でよくブリッジに文句を言って来るのだ。初老の頭の固い男で、まだ年若い女性の未沙が少佐なのが気に食わないらしい。部下だったのに、いつの間にか追い抜かれて提督まで上り詰めた、未沙の父親への嫉妬もそうさせている一因 ―― という噂もまことしやかに囁かれている。
 
そしてそれは、真実であった。

傷付いてない訳じゃ、ないんだから ……
あ! いや、ゴメン。その ―― 未沙はすごいな!ってことだよ。あそこで折れたら、みんなが困ったろ? 自分の身を顧みずって所がさ、その辺のお偉方と違うなぁ ・・・ と 」

 今では輝も未沙がかたくなな軍服の下に、柔らかい心を隠しているのを知っていた。そして、未沙がそれを自分にだけは ―― 自分とクローディアだけには垣間見せてくれるのが、誇らしくも感じている。


  ( マズイ ・ マズイ。ちょーっと、地雷踏んだな …… )

 未沙はその後、シラスを3種類に分けて整理した。ひとつは生食用。もうひとつは1食分ずつ分けて冷凍。最後は多めのごま油で炒めてポリポリと美味しい揚げシラスにしてしまった。そのままツマミにしてもいいし、ご飯に掛けたりサラダにあえても美味しいとのこと。

 マグロのアラも「あら、アラね!」と、冗談のか素なのか分からない様子で始末していた。今晩食べるアラのおつゆ ・ 明日食べる漬け ・ そのうち食べる用に冷凍した照り焼き、である。

キュウイ・フルーツは既にかなり柔らかく、輝好みではなかったのでヨーグルト・ソースにしてくれた。


*    *    *


 輝の用意した赤ワインと、ツマミを囲んで再びテーブルに着く。未沙のために買っておいた超高級イチゴも出した。

「 綺麗なイチゴ! 赤ワインに真っ赤なイチゴなんて、お洒落ね 」
「 そう言えばそうだ。俺のセンスも中々だな 」
「 味も多分合うと思うわ 」

 未沙は嬉しそうにイチゴを摘まむと、口に運ぶ。本当は未沙の感覚でいけば、カットしてフォーク等を使うところだが、余りに大きなイチゴは輝風に手でいきたい。 

「 あっま~い! いいイチゴよ。この時期に、よく見つけたわね 」

ほっぺたを押さえながらワインも口に運ぶ。堪能してくれている未沙の様子に、輝も満足だ。 

「 綺麗 …… 」

つやつや真っ赤ないちご


未沙はそう言うと、唇をイチゴに寄せる。イチゴよりずっと薄いピンクの唇は、露とワインに濡れてツヤツヤしている。そんな口元を見ると、輝は自分があげたクリスマスプレゼントのことを思うのだ。まだ使ってくれている感じがしないのが、ずっと気になっていた。

  ( 俺は、未沙に合うと思ったんだけど …… )


 他のツマミは、揚げシラスと大根サラダのポン酢合えと、未沙が持参した角煮を出した。ある物を上手く組み合わせてサッっと作れるのは、お嬢様でお手伝いさんもいたと噂の彼女からは想像がつかない。

「 未沙はなんで、そんなに料理ができるんだ? 最初はそんなこと全然しないと思ったよ 」
「 “ 女は軍人なんかやらずに、料理をしたり、歌でも歌っている方が、よっぽど可愛い気があっていい ” 、ですものね? 」
「 えっ? 俺、そんなこと言ったっけ? 」
言 ・ い ・ ま ・ し ・ た。 私、ちゃんと覚えてるんだから 」
「 人の都合が悪い事を覚えてるって、可愛気ないデスネ 」
「 言ったの、ちゃんと覚えてるんじゃない! 知らんぷりして 」
「 ごめん ・ ごめん ―― んで、家事はどうして覚えたの? 」


 輝は都合の悪い話を切り替えた。仕事では未沙に言い負かされることも多いが、酔ってきている彼女を丸め込むのは難しくない。特に今日は外でないことが、未沙の酔いを早くしているようだ。

「 お母様がね “ 何でも自分でできるようになりなさい ” って 」
「 厳しい人だったんだ 」
「 優しいけど、厳しい人でもあったわ。今思えば、それすらも優しさだったけど 」
「 確か、大戦前に亡くなったんだっけ? 」
「 ええ。持病があったから、私が子供の頃から入院は多かった。長い経過で亡くなる病気だったから、そう遠くない日に私を残して逝くのが分かってたのね 」


 未沙の母親はウイルス性の肝炎であった。未沙を産んだ時、出血が止まらず受けた血液製剤が原因だ。そもそも母は出産で落命することが多い家系で、子供を産むこと自体が命懸けだった。運が味方したかと思えば、落とし穴 。 

 数年前にあれだけ騒がれていたにも関わらず、未だ感染した薬剤を投与した病院は、父方の祖母の強い勧めによるものだった。   


「 お婆様が昔型儀の厳しい方で、大変だったみたい。お母様は何もおっしゃらなかったけど、婆やが言ってたわ 」

 祖母は未沙が物心つく頃には亡くなっていた。軍人の妻らしく武士の家柄出身で、質素倹約 ・ 女は男に黙って従う ・ 家に従える ・・・ を地でいき、母にも強要していたらしい。 

 婆やは長年早瀬家に仕えており、未沙にとっては本当の祖母のような人だった。母が入院している間は、代わって家事を切り盛りしてくれた。未沙が大きくなり彼女も年をとったからは通いになって、パーティーがある時などに手伝いに来る程度になったが。息子夫婦に引き取られて幸せに暮らしていると思っていたが、彼女はどうなっただろう …… 。

―― 生存者リストに、婆やの名はなかった。


    


「 お陰で大戦後に物不足でも、困らなかった。大根や人参の葉っぱのお料理とか、お芋の色んな食べ方とか、いつの時代の人よ、って自分でも笑っちゃったわ 」
「 あの頃はなぁ …… 。毎日肉を練って塩味つけたようなヤツと、イモと、豆。魚肉ソーセージ大好きだったのに、今はダメだ 」
「 私達はいい方よ。民間なんてもっとひどかったと思うわ 」
「 そうだな。ここまで手に入るようになったなんて、すごいよ 」

「 あなたが料理をするようになったように、人間の食べることに対する情熱には頭が下がるわね 」
「 あのさー、俺はホメたわけ。なのに何で、ホメられてる気がしないワケ? 」
「 やあねぇ、褒めてるじゃない。今日は美味しかったわ 」
「 ―― そう? 丸め込んでない? 」
「 丸め込んだの、アナタよ。私、分かってて丸まったんだから! 」

バレてたか …… となりゃ、今度は誤魔化すか!

「 ―― もしアポロ行く前に未沙のメシ食ってたら、耐えられなくて退役してでも帰ったかもー 」
「 また、丸めようとする。今度はタラシ込まれないからっ! 」
「 タラシって …… 酔ってる? 意味分かって言ってる? 」


 冗談っぽく言ったが、本当にもし未沙の味を知っていたら、アポロでの食生活は耐え難かったろう。味に無頓着だった輝も、それ程食事と言うのは毎日の生活ややる気に関わると、最近つくづく実感している。

 未沙の食事を食べるようになってから、体が軽いのだ。体格もしっかりした気がする。何より結構美味しいと思っていた軍の食堂の食事が、まずくはないが美味しいとも思わなくなっていた。アポロなど、今思えば宇宙食だ。

「 今度は軍仕込みの野営食を御馳走するわ。 腕が鳴るわね? 」
「 俺も楽しみで、ハラが鳴りそうだよ。ははは ・・・ 」
「 心配しないで。入隊してすぐの訓練で食べたでしょ? 」
「 だから怯えるんだ。組んだ人が凝っちゃって、リアルにやる!ってスゴクてさ。ま、未沙なら雑草でも美味く作ってくれるよな。ウン 」
「 研究しておくわ 」
「 未沙ならダイジョーブ!  多分 …… 。  期待してるよ 」

「 ねぇ ―― 私のお料理食べてたら、アポロから本当に来てくれた …… ? 」
「 えっ? 」
「 ん、もお。 だ ・ か ・ らぁ …… 」
「 あ、ああ。そう、かな? 」

「 なら、食べてもらえば良かった …… 」


 “ 嬉し恥ずかし ” とでも言うのだろう未沙の様子は、輝から見ても可愛いものであった。酔った未沙は少しガードが緩む。いつもより素直に感情を表情や言葉に乗せ、分かりやすいのだ。話し方も少し舌足らずで子供っぽくなり、甘く感じる。

―― だからこんな時は、思うのだ


( 俺のコト、好きなのかな?)


*    *    *


 お酒とツマミで夕食分までお腹一杯になり、輝は未沙を自宅まで送る。まだ酔いが醒めきらぬ未沙は、フワフワとしたような足取りだ。今日は自分の誕生日を輝が祝ってくれるとあって、彼しか見る者がいないのに未沙は洒落込んでいた。服に合わせて、避けていた高めのヒールを履いたので、余計足元が危な気だ。

「 大丈夫? ちょっと飲ませ過ぎちゃったかなぁ 」
「 ヘ ・ イ ・ キ ―― どうもありがとう。お酒もお料理も、とっても美味しかったわ 」
「 お粗末サマです。 ―― ちょっと危ない気がするから、俺に掴まりなよ 」
「 …… いいの? 」
「 だって、危ないだろ。そんな歩き方して 」
「 心配してもらえるのって、うれし …… 」

 未沙は差し出された輝の腕に手を添え、上目遣いに微笑んだ。彼女の満足気な様子や頼られる感じに、輝も気分がよい。2人で寄り添って嬉しそうに歩く姿は、傍から見れば仲睦まじいカップルだ。


魚屋から泳ぐ視線
          


「 やっぱカノジョ、妊娠してんだ。転ばねぇよう腕組んでら。くーっ、あの幸せそうな顔! シッポリ無理でも、ニーサン天国だねぇ 」
「 今頃外出って、夜の散歩かしら? 」
「 今日はお雛さんだし、ベイビーの人形でも見に行くんじゃね? 」
「 じゃあ、女の子ね! 」
「 愛の巣にちょっと早いプレゼントだ 」

 愛の巣はただの軍宿舎だし、プレゼントはオヤジのところのシラスだ。そんなことは知らない彼らには、輝は恋人と同棲中ということになっている ―― そして未沙は、妊娠数カ月 …… 。


 勘違い甚だしいが、訂正する者は誰もいない。彼等は数カ月後に真実を知ってガックリするが、迷惑する人はいないので、これはこれでいいのだろう。

めでたし めでたし

あとがき

初めての腕組み~。本編で誕生日ネタが、ミンメイの1回きりだったので出してみました。輝の誕生日はビッグ・エスケープ中でフォールドの彼方にすっ飛んでたり、アポロだったり。二部開始直後の20歳は、そのうち書きたいな。→ SS「♪ あ ・ こ ・ が ・ れ」

未沙の母親
私の脳内設定も出してみました。小説「白い追憶」によると肝臓の病気だったらしいので、薬害肝炎問題とちょっと絡めました。

ダダ漏れ未沙
アポロ帰着から3カ月半。さすがの輝でも好意に気付く程「輝、スキ ・ スキ!」な未沙タン。恋心も手伝って、ホメ上手に輝をイイ気分にさせます。どうでもよい馬鹿なコトですが、自分で書いた「未沙の味を知っていたら」にエロ気を感じて、「だよなー!」と思ってました(はぁ~。やっと言えた)。

輝が自分達は恋人同士とちゃんと認識し合っている、と思い込むまで約半年。気持ちの段階を他のイベントと合わせてSSにしていきたいなー、と思います。まだ、ミンメイ出てないし(UP当時は未登場でした)。

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 Comment 

コメントありがとうございます! 

未沙自身は出過ぎないように…と思っているのに、あんまり輝が喜ぶから、つい自分流に色々やってシマッタ。…ら、あんなになっちゃった、という設定のつもりです。SSで輝は、掃除も洗濯も結構溜めこんでるのを、休日にまとめてやってます。家事は流れでやるといつの間にか終わるから、フットワークの軽い彼は、一気にやってしまいます。

ヒカミサの会話って本編では意外とないなーと、私は思ってました。なので想像できないと思いながらも、会話が聞きたいと書いていたら、意外と次々と出ました。いつか本気の喧嘩や、業務上の対立も書きたいですね。

魚屋のおっちゃんの応援も頂けて、またいつか登場して欲しいキャラとなりました。

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グレープフルーツは剥きがウマイ 

輝がマメ過ぎて、イヤって声があがるかな?と思ったのですが。
寮のような賄い付きでない本当の一人暮らし経験があると思われ。
それなりに全生活を自分でできるハズ。
不潔系はイヤなので、掃除は少なくとも月1~2回はする。
フットワークは軽そうだ。
食事は食べたい年だし、職業意識からそれなりに気を付けてる。
カッコつけでないし素直そうだから、未沙がやったことならそれなりに。
そんなで、あんな感じになりました。
しかし彼の家政夫成長も、もう一歩どまりです。
細かい男は好きでないし、輝は面倒臭がりっぽい感じがする。

仕事でまさに家政婦の時期があって、以来家事ネタは好きです。
TVでスーパー主婦なんか見ますし、編み物ブログも日参。
しかし、好きと実際しているかは別で…。
マクロスのことを考えるのは、料理している時が多いです。
未沙なら…、と。

ウチの輝を家政夫に!?
光栄ですが、ウチのだと毎朝ネコまんまですよ ~ 。
作り置きがなければチャーハンか外食だし。
マックスの方が超お買い得。 どっちも漏れなく強い彼女付きe-447
あっv-364ソッチの方はe-241にて、お手柔らかにお頼みしますe-179

魚屋のオッチャン、期待通りヒカミサをアワワ赤面させます。 
何しろ下世話ですから!

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