QLOOKアクセス解析

白い薔薇によせて



いらしゃいませ。現在の閲覧者  名さま

スポンサー広告

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


拍手ボタン

「SS (二次創作小説)」
空白の二年間

男のひとり暮らし

 ちょっと輝の日常を覗いてみたくなりました。春間近のある休日、らしくなくマメな彼の様子をお送り致します。いないハズの未沙が、何故かちょこちょこ登場しておりマス

2011.7.16 UP


 3月のある天気が良い朝、輝は出勤時と同じ時間に起きた。非番のこの日、いつもならまだ惰眠を貪っている頃だ ―― しかし、今日の彼は違う。

「 朝から忙しいぞ。 あ~あ、昨日やっとけばよかった 」

散々寝たクセに大あくびをし、頭を掻きながら浴室に向かう。

「 うへぇ …… 。 カビ出てないといいけど 」

シャワーを浴びるついでに、久し振りの風呂掃除。寒いので湯を張るが、最近は浴槽の中をちょっとこするくらいだった。排水溝を開けると、髪の毛が固まっている。

「 こんなの未沙にやらせたくないしなぁ 」

 アポロから帰還以降、未沙は時々掃除や差し入れをしてくれるが、トイレと浴室は遠慮していた。同僚達は恋人にやってもらう者がほとんどだったが、輝はそういうのは恥ずかしいと思う。「甘ったれるな!」という気持ちからでもあるし、他人に ―― 増してや若い女性に、そこまで自分の生々しい部分を見られるのは赤面ものだ。


ジ~ ジ~ ジ~


 ヒゲが柔らかくなったところで髭剃り。まだ薄いので2日の1回程度、電気カミソリで済む。ついでに洗面所を掃除した。“ ミラクル・ダスター ” とやらで、鏡とカランを磨く。

『 これだと、洗剤を使わなくてもいいの。水周りわね、こういうシルバーの所をピカピカさせるだけで綺麗に見えるのよ 』

 未沙の声が自慢げに浮かぶ。極細繊維で織られた布は目の覚める様なブルーで、洗面台の脇に掛けておいても爽やかだ。彼女は掃除道具にも機能とデザインを求める。ダスターの乾いた部分で洗った髭剃りの水気を取り、最後に洗面台周りをぐるりと拭く。

『 こうやって出したままでもいい物にしておくと、目に入って自然とついでにやるのよ 』


 輝はそのままダスターやタオル、脱いだ衣類等を持ってキッチンに行く。溜まった洗濯物が入った備え付けのランドリーに放り込んだ ―― 洗濯も辞退したのだ。

「 男の服はクサイしなー。ちょっと、パンツもなぁ …… 」

男の園と言うべき、ロッカー室のあの悪臭 …… 。男衆の男クサさは、イヤと言うほど知っている。


「今日も俺の得意料理といきますか!」

輝の朝メシの常連「ザ ★ ネコまんま with しらす」&NUKAZUKE


 輝は最近では料理をするようになった。男所帯で育ち一人暮らし歴もあり、チャーハンくらいは元々作れたのだ。しかしマクロス時代は食堂が身近にあり宿舎の調理設備はオマケ程度だった為、作らなくなってしまっていた。

「 冷蔵庫も丁度空になるしな 」

 計算したかのように、非番には空になる。未沙は週1~2回輝の宿舎に来ては、作り置きの総菜を仕舞っていってくれる。すっかり手作りの味に慣れてしまった輝には、外食は昼だけで十分だった。自然と自分でご飯を炊いたり、味噌汁を用意するようになった。未沙が作った物で、自分に可能そうなものをマネて作ったりもする。

「 でも、何か未沙の作ったのと違うんだよな 」 

輝はご飯を掻き込みながら、首を傾げる ―― インスタントの味噌汁は、やっぱりイマイチだ。


バリ   バリ   バリ

う ~~~ む。 未沙特製のぬか漬けは、今日もウマイ


 すぐ食器を水に浸けて、食後のコーヒーと洒落込む。抽出が済んでボコボコしているのを、大きいマグカップに注いだ。フィルターも未沙がまな板や白い食器などと一緒に殺菌漂泊してくれている。一度未沙が片付け忘れたのを見たので知ったが、その後の漂泊水でフキン等も浸けているらしく、この前付けたトマトソースのシミもなくなっていた ―― 彼女は結構、倹約家だ。

「 開店は9時からだからな~ 」

 近所に24時間マーケットもあるが、未沙情報では反対側の店の方が新鮮で安いとのこと。テーブルをフキンで拭いて、食器を洗う。水切りを待つ間に、流し周りも大きく拭いてフキンを洗う。

『 よく使う場所のお掃除は、ちょっとしたついでにやっちゃうの 』


 輝は洗い終わった衣類等を取り出し、外しておいたトイレカバーやバスマット、玄関マット等を放り込む。衣類は日当たりと風通しのよい窓の桟に干す。

『 乾燥機って、あんまり好きじゃないわ。洋服が痛むし、ゴワつく感じがして。でも柔軟剤は水分の吸い取りが悪くなるからイヤなのよね 』


 輝はエコバックを持って出掛けた。 バックの中には、開いた牛乳パックや食品トレー等が入っている。マクロスでの宇宙生活により、 リユース & リサイクル は当たり前の世の中になった。限りある資源を、限りある空間で使うのだ。

『 こうすればリサイクル品をポイッって入れられるし、エコバックも忘れないでしょ? 』


輝のためだろう、男性が持っていても恥ずかしくない濃紺のナイロンバック。隅に小さく白い糸で ICHIJO と縫い取りがされて四つ葉のクローバーが刺繍されているのは、いつもの未沙仕様だ。


幸せを呼ぶ葉


「 肉はどれがいいかなぁ …… やっぱり牛肉か? 」

 ブツブツ言いながら肉を見比べる。 そう言えば、適量というのが分からない ―― 適量と言う名の、適当な量を買うこととする。


野菜売り場には、色取りどりのベジタブー!


『 モヤシは切らなくていいし、お安いし、茹でても炒めてもOKの便利野菜よ 』

モヤシ2袋カゴに入れる。他にも トマトレモンブロッコリーパプリカ 等が、カラフルに入っていた。


「 おっと、コレ ・ コレ! 」  

輝は牛乳が大好きだ。夏なら1日1リットルは飲んでしまう。それに ――

『 男の人って、二十歳過ぎても背が伸びるんですって! 私はもう伸びたくないけど、骨やお肌のためにも毎日コップ2杯は飲んでるの 』


輝の身長は、176cm。決して低くはないが、軍隊では大きくもない。女性の未沙とだって、ハイヒールを履いたら10センチと違わないのだ。増して、クローディアなど …… 。
関連本では175cm。コレは私設定です
―― 輝はちょっぴり身長が気になっていた。


「 すごい量のシラスだな 」

 元気のある 特売 !! の文字に釣られて、輝は大きな箱を手に取る。ここ店主は元々魚屋だったが、自然再生計画で漁業が立ち遅れたために商品が入荷できず、肉や野菜も扱うようになったのだ。今は本業の魚を一番のウリとして頑張っている。

「 マグロの “ アラ ” って? 」 

このブツ切りで色んな形の切り身が入ったパックは、一体どんな料理になるのだろう …… 。

「 未沙に任せるか! 」

ボーーン!  カゴに入れる。


「 果物は、っと …… 」 

またもやイイ気分で ポン! とパイナップルを入れる。


 ちょっと時期が早いイチゴも、結構値が張るがためらわずに入れる。真っ赤でちょっと澄ました果実は ―― 多分、温室育ち。


超高級いちご


「 お嬢様ってヤツだな 」
まさに、未沙!


見切り品のカゴがあり、のぞく。キュウイ・フルーツがあるが、どうしてこれが古いとなるのか分からない。

『 半分に切って、スプーンで食べれば簡単よ。ビタミンCが豊富なの 』


ポン!


「 7,780マクドルになります 」

 輝はジーンズの尻ポケットから財布を出し、ポイントカードと代金を受け皿に置いた。

『 第1日曜日は、“ ハッピー・サンデー ” で、ポイント3倍よ 』

買い物カゴに広げておいたエコバックの持ち手を取って、引き上げたまま肩に掛ける。肩に食い込まないように細めの持ち手には、またまた未沙お手製の柔らかい綿が厚く入った握りが付いている。なにやら洋服の肩パットを再利用して作ったとか ―― やっぱり輝がイメージしていた “ お嬢様 ” とやらと、ナニかが違う人だ。


「 あのニーチャン、奥さん妊娠でもしたかね? 」

いい買い物した♪ と意気揚々と帰って行く輝の後ろ姿に、魚売り場の店主が腕を組んで言う。

「 あの人、多分独身よ 」
「 あのカゴの中身は一人身じゃねぇだろう。あのバックといい、買っていくモンや量といい 」
「 だって、軍の独身宿舎の方に歩いて行くもの 」
「 キレーなネーちゃんと時々来てるぞ? 」
「 カノジョじゃない? 」
「 いいねぇ。 同棲かねぇ …… 」
「 独り言多いけど、彼女と喋ってるつもりじゃない~?」   「ププッ! カッワイー」
「 仲良さそうだもんなぁ ―― はっ! ―― 今晩は、彼女とシッポリかっ! 」   「おおーーっ!」

見当違いも甚だしいオヤジであった(泣)。


♡   ♥   ♡   ♥


 輝は帰ると洗濯機からマット類を取り出し、干す。買って来た物を流し台の上に広げて包装ビニールの止め口を開けたり、冷蔵庫に入れる物 ・ 野菜室に入れる物 ・ 入れない物、に分ける。

『 なるべく冷蔵庫を開ける時間が短く済むように、予め整理しておくの。取り出しやすいようにしたりね 』


 パイナップルを切るのに、初めて挑戦する。輝は缶の果物が余り好きではない。果物はちょっと酸っぱくて、固めくらいが好きだ。

『 すぐ食べられるように、可能な物は下ごしらえしたり切っておくの。パイナップルは置いておいてもこれ以上熟さないし、周りに防虫剤とか付いてそうだから切って入れてるわ 』

未沙はクレープフルーツまで剥いてしまう。TVでフルーツのカッティングを競う番組を見た時、参考にしたそうだ。輝は元々面倒で余りフルーツは食べなかったが、グレープフルーツは好きで食べていた。その時は半分に切って、スプーンで掬って食べた。未沙が剥いた物は、大きくてジューシーで、とっても美味しい。

「 難しいな …… 。未沙は結構簡単そうにやってたのに 」

そう言えば未沙も、輝とTVゲームをしていると「輝は簡単そうにやってるのに!」と言っていたっけ。


 タッパーに入れたパイナップルは、輝のデザートだ。未沙は同じタッパーをシリーズで買い、そこに総菜やフルーツ、下ごしらえした物などを入れる。それらが冷蔵庫にキレイに積んであるのを見ると、彼女の整頓された頭の中を見ているような気になる。

『 このタッパーがいいのよ! 透明で中が見えて、入れ子式に収納できて場所も取らないし。重ねても、上のタッパーの底が下のタッパーの蓋に丁度噛み合ってズレないの! 』


未沙に力説されて購入したが、使ってナルホドである。しかも安いので彼女は人に料理を差し入れる時など、お返しの気遣いをさせずに入れ物ごとあげられると言っていた。

「 …… 誰にあげてるんだ? ―― クローディアさん、か? 」  ← イッチョマエに嫉妬か !?


ハムぴか ハナひくひく


ポリ ポリ ポリ


 輝はひと息入れてキッチンのスツールに腰を掛け、ほうじ茶とぬか漬けをつまむ。

『 こういう塩分が強いものは、プラスチック系の容器にはあんまり良くないらしいのよね 』

ぬか漬けはホーローの容器に入っている。未沙はカレーも容器に色が付くからと、これに入れていた。もちろんこちらも入れ子式。ほうじ茶は電子レンジで温めた。コップ1杯くらいなら、ガスよりレンジの方が早くて光熱費も安いそうだ。

「 鍋も使わないしな ―― さてと。 いっちょ作るか! 」


 今日は未沙の誕生日。 輝はクリスマスにあげたプレゼントを、未沙が使っているのをまだ見ていない。だから「ハズしたかな?」と、あえて聞けずにいた。そこで更なるプレゼントは、ちょっと …… なので、いつものお礼を兼ねて未沙を招待し、手料理をご馳走しようと考えている。

「 まっ、俺だって一人暮らしは長いしな! 」

輝の行動を見ていれば、ただの独身男には見えない気もする …… 。

既にいっぱしの主婦 ―― 主夫?

おしまい

あとがき

未沙は家事オタク
この世界は物を大事に使うのが奨励されているから、みみっちくなんてナイんです! ← 力説
未沙に言われた事を思い浮かべながら、会話している気になってブツブツ言い、素直に言う事を聞いている輝を描きたかったのです。未沙も嬉々としてオネーサンぶって、「~なのよ!」と張り切って教え込んでいそうな気がします。

主夫、輝
面倒臭がりだけどフットワークは軽いし、その気になればマメ設定。プラモ ・ 機械いじり好きで、結構器用。素直だし好奇心もあるので、未沙がやっていることはすぐ取り入れる ―― と言うカンジ。未沙も無意識に、将来の夫教育もしております。共働きは大変だから輝に頑張ってもらわないと、イチャコラする体力が無くなっちゃうんです。

クリスマス・プレゼントにまだ気付かぬ未沙
もうグッズは仕舞っちゃったから、クリスマスまで気付かない ―― 今度(2011年)のクリスマスは …… 。
輝からのクリスマス・プレゼント 2010年 → SS「想い出の White Christmas 後日談」

NEXT 「輝はひとり暮らし? 」
BACK 「Sweet-Valentine」
スポンサーサイト
拍手ボタン

 Comment 

コメント投稿覧
レス(お返事)は数日中にさせて頂きます。現在、トラック・バックは受け付けておりません
 公開する場合、コメント下「URL」からリンクが可能になります
 レスを非公開でご希望の場合、その旨とアドレスを記入下さい

 半角英数 設定すると、投稿後に修正・削除が可能です
 管理人のみに表示:  チェックすると、記入内容全てが他の閲覧者には見えません
 ※ 現在、非公開コメントの投稿は可能です
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。