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「SS (二次創作小説)」
超時空要塞マクロス 第二部

幕間 嵐の前夜

29話と30話の幕間劇です。

輝・未沙・ミンメイの想いを綴ってみました。





Side 未沙 


 ― やはり地球人とゼントラーディ人は、プロトカルチャーの子孫だったのね。


この広大な宇宙で、こうまでも似ているのが、そもそもあり得ないと未沙は思っていた。しかし、予想されたこととは言え、確定されるとショックであった。


 ― 同胞同士が殺し合う。かつての地球のように … 。


未沙は机の鍵がかかる引出しから、写真立てを取りだした。士官学校の制服姿のライバーと、彼からもらった青いワンピースを着た、まだ幼い未沙。ライバーが未沙の肩を抱き、未沙は満面の笑顔だ。


 ― ライバー …。


彼は、宇宙部隊が宇宙軍への昇格を認められた時
「 人類はついに人類に銃を向けない軍隊を持つに至った。 」
と感動を露わにした。そして「 未沙、きみも宇宙軍へ入隊してくれ。 」と言ってくれたのだ。


 ― 私、また戦いに行きます。


ライバーは、未沙が士官学校に入学した時、「 ぼくは女性が軍人になることはきらいだ。なぜなら、子供を産む女性が人を殺すことの矛盾を感じてしまうからだ。 」と書き送って寄こした。その手紙は、いつもの彼に比べ素っ気ない感じが未沙にはしたものだ。


 ― 私が銃を取るわけではない。でも、私が彼らに銃を手に取らせるのよ。


作戦を立て、戦闘員を指揮するのは未沙だ。今回は戦闘経験のある精鋭部隊であるが、久し振りの宇宙空間での、本格的な戦闘である。非武装のゼントラーディ人が、ちょっとした武器を持って、感情に任せて掛って来る暴動とは全くレベルが違う。

相手は、明らかな戦闘集団なのだ。


 ― ライバー。 私、 怖い。 怖いの … 。


ちゃんと指揮ができるだろうか。ブリタイとは、今まで何度も 『 戦略・戦術 研究会 』で意見を合わせたことはあったし、彼らの新・統合軍宇宙艦隊の演習ビデオは、何度も見た。


 ― 輝を戦わせなきゃならない。あんなに苦しんでいる彼を!


未沙は、写真立てを握り締めた。輝に対して戦闘指示を出すのは初めてではない。しかし、あの頃とは違うのだ。未沙は輝を愛していたし、恐らく輝も自分を少なからず想ってくれているはずだ。

そんな彼に対して、以前ほど軍務に徹せられるか自信がなかった。


 ― ライバー。私に勇気を頂戴。愛する人を守れる勇気を。


未沙は写真立てを抱きしめて、肩を震わす。

もう、未沙にはこれしか想い出が残されていなかった。父母の写真も、ライバーにもらった美しい詩集もマーズ・クリスタルも、全て失っていた。先祖代々受け継がれてきて、未沙が育ったあの屋敷と共に、ゼントラーディ軍の戦いの炎に飲まれてしまったのだ。


 ― いつも助けてくれたでしょう?


ゼントラーディ人との和平のために、一人地球に降り立ったあの日。もう、マクロスに戻れないかもしれないと、大事なものだけまとめて持って行った。そして、それらをアラスカから青山の実家に送ったのだ。

この写真だけ、大事に手許に残した。この写真だけはいつも離さず、士官候補生養成所でも、統合宇宙軍の士官学校でも、そしてマクロスでも未沙の傍にあったのだ。

ライバーを失い、母を亡くし、あの強かった父も目の前で消え去った。そんな時も、この写真だけは未沙の傍らにあった。

奇跡的に生きながらえてきたのは、この愛する人達の護りがあってだと、未沙は思っている。


 ― 今度も一緒に来て、みんなを護って欲しいの。


以前はドレッサーに立てていた写真立ても、輝への恋を受け入れてからは、鍵のかかる引出しにしまい、時々取りだしては眺めていた。しかし、今回は大きな作戦だ。命懸けになるかも知れない。

そんな戦いに立ち向かう力が欲しかった。


「 輝 … 。 輝っ … 。 」


「ゼントラーディ軍がいつまた攻めて来るやもしれん。防衛のためには少しでも多くの戦艦を確保せねばならんのだ。」
グローバルの声が響く。


 ― それでも、私は戦わなくてはならない 。


未沙は、人類と自分自身の未来へ不安に、吹き飛ばされてしまいそうだった。 そして荷物の中に、写真をそっと仕舞った。




side ミンメイ


ミンメイは、ストーン・シティでコンサートをした日を思い起こす。


 ― ステージに立って歌うのは、大好きだったのに …。


煌びやかなライトの中に立って、観客に見上げられていると、
今は一人ぼっちな気がしてくる。


 ― 歌が、心をすり抜けてゆく 。


歌に同化できない自分の心が、置いてきぼりにされた気がしてくる。


 ― みんな応援してくれているのに 。


観客、娘々の叔父叔母、町会長夫婦、近所の人達、馴染みの客、楽しい3人組 … 。
誰もミンメイを笑顔で迎え、大好きだと言ってくれる。


 ― 私の歌に感動して、頑張って生きていこうって言ってくれる人だって … 。


ゼントラーディ人の呼びかけが耳に甦る。

そして、去っていく後ろ姿も … 。ミンメイは、咄嗟にそれには目をつぶった。


 ― 私は、みんなに応えられる歌が歌えるはずだわ。そして、前みたいに楽しく歌いたい!


歌うのが楽しくて仕方がなかった日々が甦る。


 ― きっとできる。だって、前はそうだったんだもの。あの頃より、私はずっと頑張ってる!


朝の澄んだ空気の中で見かけた、輝と未沙の後ろ姿が浮かぶ。

輝は、いつもミンメイを応援してくれた。レッスン等でデートに行けなかった時も、不満そうではあったが、決して怒ったりはしなかった。


 ― 輝 … 。 あなたはまだ、応援してくれる …?


早朝に男女が2人で並んで歩いているなど、考えようによっては深い仲のように見える。


 ― そう言えば、写真がどうのって … 。


もう、あれから一年半は過ぎているのだ。彼と彼女がそういう仲だとしても不思議ではない。 自分だって … 。


 ― もう、私はカイフン兄さんとは違ってしまったのよ。


彼の歌ではない。 2人のためにではない。


「 私自身のために。 … 私の歌を。」




side 輝


― 人類は、ゼントラーディ人と違う。

「 地球では有史以来、地球人同士の戦争が絶え間なく続けられてきたではないか。 」研究員の男の声が聞こえてくる。


 ― 今度の戦いは守っていくためだ。


「 地球人は明らかに好戦的な種族なのだ。」


 ― 違う!俺は戦いたくなんかない。


しかし、本当は輝も分かっていた。未沙と語り合った時にも、この話は出たのだ。


 ― 俺は守るために軍隊にいるんだ。 俺だけじゃない!


グローバルの伏せた目、呻きを思い出す。


 ― 未沙だって … 。


グローバルの言葉に俯いた未沙が浮かぶ。


「 未沙は何のために、軍に入ったって言ってたっけ … ?」



                      第30話 「 Viba Maria 」へ




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