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「SS (二次創作小説)」
超時空要塞マクロス 第二部

第34話 Private Time

12月20日(月)
輝が未沙よりミンメイと会うのを優先させたのは、何故なのでしょう。
  • 例によって、話も後書きも長いです。当ブログ、最長かと思われます。本編SSは解釈や、感想の語り目的もあるので、ご了承頂ければと思います。   「ヨロシクお願いしま~す」
  • 大した事はありませんが、ちょっとした仕掛けがしてあります。 いずれお知らせしたり、誰にでも読めるように 致しますが、分かるかなぁ ・・・ 。2種類あり、片方はモバイルでは表示しません 【1】文末に「――」が付いている、【2】(人物が頭の中で思った事)の後をドラッグすると、文字が浮き出る箇所が7あります。背景色が白以外のブログ画面時には、ドラッグ無しでご覧になれます


 未沙は、クローディアの語るフォッカーとの出会いの日々に、輝と自分の姿を重ね合わせていた ―― いつか私達も彼らのように、強い絆で結ばれた2人になれるかも知れない。本当の自分の心に素直に従えば、輝もあの雨の夜のように応えてくれるのだ。 

 そう自らに言い聞かせて過ごした今日この頃は、自分達の間も少し変わってきた気が、未沙にはしていた。


 一方輝は、自分の将来に思い悩むようになっていた。見えてきた軍隊の現実や、自身の未熟。軍人として、確固たる何かが無い自分 ―― そんな自信の無さや不安を、迷いなく道を進む未沙に相談する事が出来ない。

 しかし そんな彼女に癒されて、現状に身を委ね続ける日々であった。




2012.12.24 UP


 未沙は久し振りのオペレーター業務に、安堵と期待感を持って着いていた。最近は彼女抜きで指令センター業務が成り立つ程に、人員も育っている。それを目指して取り組んできたのであり、当然喜ばしかった。だが同時に少し、寂しくもあったのだ。


ピピッ


 着信の音に、否が応でも心が弾む。

「 こちらスカル・ワン。パトロールに異常ナシ。これより、帰還します 」
「 了解! お疲れさま、一条くん 」

 今までもお馴染みの、いつものやり取り。しかし彼女の声は、仕事にしては少々想いが込められ過ぎていやしないか? 好きな人との近しい距離に、思わず気持ちが滲み出てしまう未沙だった。


「 ありがとう。ねえ、明日の休暇、何か予定ある? 今、森林地帯の上を飛んでるんだけど。良かったら明日、行ってみない? とっても綺麗だよ 」
「 ほんとう?」
「 ホント。約束しよう。詳しくは、帰ってから」
「 了解。ありがとう ・・・ 。嬉しいわ 」

 お互いに自然と優しくなれ、それを素直に喜べた。相手に、伝えたくなった。明日は平日だが、揃って非番だ。その偶然はチャンスの神様が、まるで自分達の仲をけしかけているような気にすらなる。


チャンスの神には、前髪しかない
 
チャンスの髪? 大五郎?


 終業後にいつもの場所で待ち合わせ、お気に入りのレストランで夕食を摂った。屈託なく話す人々の声と、カチャカチャと賑やかなカトラリーの音。リラックスした雰囲気で食事を楽しみながら、プライベートの計画を立てる。

「 明日は10時に、森林公園でいい? 」
「 構わないけど ・・・ 。待ち合わせなんて、珍しいのね 」
「 ―― いつもと違ったコトも、たまにはイイじゃないか 」
「 ほんとう? ふ~ん ・・ 何か隠してるんじゃあナイ? 」
「 へへっ。バレたか 」
「 そんな、いかにも “ 言いたくて堪らないけど、ガマンしてます ” みたいな顔してたら、分かるわよ 」


 いつも出掛ける時は、輝が未沙を自宅まで迎えに行く。しかし明日は未沙の為に、趣向を凝らしたデートを考えてくれたらしい。

「 実はさ。明日は空のピクニックにでも、お誘いしようかと思いまして 」
「 空のピクニック? 」
「 前に約束したろ? “ 虹を見せてやる ” って。明日は天候的に虹は無理だと思うけど、丁度 飛ぼうと思って、手配してたんだ 」
「 本当に、連れて行ってくれるの ・・・ ? 」
「 ははは。未沙、今日は何だか、 “ 本当? ” ばっかだな 」
「 だって、嬉しくて信じられないんですもの ・・・ 」


 それからの未沙は、食事中にも関わらず、次から次へと輝に話を聞きたがった。どんな機体なのか、服装はどうしたら良いか。荷物はどの程度、持って行けるのか ・・・ 等々。輝がそれらに答える度に、熱心に頷いては、「そうなの ・・・」と夢見心地の顔を浮かべる。

 食後のデザートもそっちのけに、輝は地図と雑誌を広げた。森林公園の特集を一緒に読むのに、輝は未沙の隣の席に移る。地図を指でなぞりながら、予定の航路を説明する。

「 森林と湖の上を通って、半島に出るんだ。もし余裕があれば、海やこの島も少し回ってみよう 」
「 ステキだわ。冬の空は澄んでるから、きっと遠くまでよく見えるでしょうねぇ ・・・ 」
「 晴れてればね。時間があれば、飛行場の回りを散歩してもいいな。ほら、リスとかいるらしいよ 」
「 まぁ、可愛い ・・・ 」




「 でもゴミ箱 漁ったり、するんだってさ。ちょっとガッカリだよな 」
「 ええっ! そうなの? 」

 はしゃいで高揚していた未沙は、思わず大きな声になってしまい、慌てて自分の口を押える。そんな彼女は珍しくて、輝はますます煽るような事を言っていた。

 未沙は、最近の輝から今までにない気遣いを感じ、「ちゃんと恋人同士らしくなれた」と嬉しかったのだ。


 店を出た帰り道、輝が肘を少し曲げると未沙を見る。未沙はにっこりと見返して、その腕を取った。2人の間では、もう定番になりつつある行為。冷たい風が吹く夜でも、こうすれば身も心も暖かい。

 そのまま遠回りして遊歩道を歩きながら、バイバイの前のおしゃべり。

「 明日のカフェの床は、私が好きなモザイク・アーティストの作品なの 」
「 モザイク・アーティストって? 」
「 タイルや貝殻なんかで、絵や模様を描く芸術家よ。ローマ教会の大聖堂やイスラム教のモスクが有名だけど、見た事ないかしら? 」
「 モスクって言われれば、何となく “ アレかなぁ? ” って気がする程度 」
「 お店のテーマにしている、滝がモチーフらしいの。壁面も流水で飾って、店自体をひとつの作品に見立てているんですって 」


 ぽつりぽつりと話す未沙に、輝は時々相槌を打ちながら耳を傾けた。いつもの時間を過ごし、いつもの場所を歩く。けれど彼女だけが、少し違っていた。街中が輝く。時にキラキラと、時に温かく。それはイルミネーションだけが、理由ではない。

 未沙もまた、輝が少し変わってきたと感じていた。以前は彼がためらい無く表にしていた素の心が、最近は見えなくなった。悩んでいるらしいと、接して分かる。恐らく、その内容も …… 。でも輝が何も言わないなら、そっとしてあげたいと思った。ただ彼が必要とした時に、いつでも欲する未沙を与えられる。そんな距離で、寄り添いたい。

 輝が持つ真綿で包むような温かさと、しっかりとした存在感。悩みや迷いに気付き、彼は大人になりつつあるのだろう。打ち明けてもらえないのは、寂しいけれど ・・・ ―― 未沙は、そう考えていた。


「 ねぇ。明日、ちゃんと晴れてくれるかしら 」
「 大丈夫。予報じゃ、晴天だって。未沙はホント、心配性だなぁ 」
「 だって、雨で中止になったりしたら、嫌だもの 」
「 雨だって俺は、飛ばしますよ~。それこそ、嵐にでもならない限り 」
「 うふふ。頼りにしてます、一条機長 」

 一時はかなり険悪だったのに、まるで何もなかったかのように一緒にいられる。それどころか投げた想いが、相手から跳ねて返って来るような ―― そんな安心と気持ちの高揚を、互いに感じていた。

  ( ああ ・・・ やっぱり未沙は、いいな )


 もっともっと彼女と話していたかったし、別れるのが名残り惜しい。それでもお利口に送り届けて、自分も帰宅した。自分1人だけのものだった景色を2人で見られたなら、きっと素晴らしいだろう。彼女は天候や地形の事など、仕事柄お手の物だ。しかし実際に大気を感じながら見るのは、教科書やモニターとは大違いなのである。

  ( 未沙が知らないコト、色々と教えてやろう。きっと喜ぶぞ )


 公園には小さいながら飛行場もあり、予約をしてある。明日はまず倉庫にファン・ライナーを取りに行き、そこへ置いてから待ち合わせ場所に行くつもりだ。上手くいけば飛ぶ前に、リスを見られるかも知れない。

  ( 未沙のヤツ、随分と張り切ってたもんな )


 珍しく興奮して話していた彼女に、輝もワクワクする。そう言えば未沙をプライベートで飛行機に乗せたこと等、一度もなかった。フォッカーは急降下中に女性を口説くのを得意にしていたのに、弟分がコレとは。

  ( 先輩。俺、飛行機乗り失格ですね )

 流石に未沙を乗せて地面スレスレ急降下、という訳にはいかないが。折角なんだから、ちょっとはカッコイイ所も見てもらいたい。何でもデキて時に年上ぶる未沙を、得意の操縦でオトしてみせようか?

「 “ 輝、スゴイじゃない ” なーんて、言ったりしてな! へへへ ・・・ 」

 今日の彼は、未沙の前ではちょっと落ち着いているぶっていたが ―― 今の輝を傍から見れば、完全に恋に浮かれた青年であった。


♪ きゅ~ん きゅ~ん
わたしのカレは パイロット ♥


 未沙は朝も早よからルンルンと、お弁当を作っていた。エラくご機嫌で、これではお得意の歌も出ると言うもの。久し振りの輝との遠出に、ウキウキする気持ちを止められない。彼からデートに誘われて、その時のやり取りも思い出し、未沙は踊り上がりたいくらいの気分だった。


こんなカンジ
踊るペンギン


 2人で色々な場所に出掛けたけれど、弁当を持って行くのはこれで3度目になる。輝はご飯党で、未沙はパン派。彼のリクエストで今まではオニギリだったが、今回は特製サンドイッチで彼の胃袋をうならせるつもりだ。

 作りたてをひとつ取って、パクリと試食してみる。

「 んー? もう少しマスタード効かせた方が、いいかなぁ? 」


 本日のMENU 

スモーク・チキンとポテトのサンドイッチ
ベーコンとレタス&トマトのサンドイッチ

ナッツ入りクッキー
コーヒーと紅茶

お湯を持って行って、向こうで作るのよ


 ボリュームがある物を欲しがる輝の為に、チキンはたっぷり。「ウマイ」と口一杯に頬張る笑顔が目に浮かび、未沙の口元も自然と笑む。輝が操縦しながらでも食べられるよう、クッキーは一口サイズにした。混ぜ込むナッツを多目に買ったのは、残りをリスにあげる為だ。彼等とも一緒に食べられたなら、きっと楽しいに違いない。


「 うふふ。 イヤッホーー!! 」


 亡き母が見たなら「未沙さん、何んてはしたない」と、お叱りを受けるの確実な声をあげて、未沙は踊り上がった。


 ( だって、とっても嬉しいんですもの! ) 


 「冷静で理性的」との定評がある早瀬少佐の心は、花開いた恋で一杯だった。


ジーーッ ジーーッ ・・・


 輝は洗面所で、ヒゲを剃っていた。大して伸びる訳もないが、未沙は結構うるさいのだ。「身だしなみは、相手への礼儀です」等と言われると、成人に一応仲間入りした身としては、「ちゃんとしなくちゃ、ならないか?」 とも思う。


 TELL  TELL ・・・


  ( こんな朝から電話なんて、誰だろう。未沙かな? )

『 輝? ―― うふっ。あ ・ た ・ し 』
「 どちら様ですか? 」
『 もう、分からない? 私よ 』
「 ミンメイ ・・・ ? ミンメイなのか !? 」

 はじめは「覚えが無い声だ」、と思った。でも言われてみれば、ちょぴり甘えたような高い声に、楽しそうな話し方 ―― 確かにミンメイだ!

『 この間は、どうもありがとう。あの時に助けてもらわなければ、私 ・・・ 』
「 もう済んだ事じゃないか 」

 言い淀むミンメイの口を、継いで終わらせた。実際に言葉の通り、輝の心はスッキリしていた ―― あれは任務だったし、俺はちゃんとミンメイを助けられたんだし。


『 ところで輝、今日は暇? 』
「 えっ? あ、ああ。その ・・・ 」
『 ねぇ、会いたいわ。今から、ハイランダー・シティに来られない? 』
「 今から? 」
『 だめ? 』
「 ん ・・ 。ちょっと、約束が ・・・ 」

 前日の、未沙の嬉しそうな顔が浮かぶ。“ ゆびきり げんまん " こそしなかったが、「約束よ」と言って手離しに喜ぶ彼女に、輝は満足していた。

『 そんなの、断っちゃいなさいよ。その人、マクロス・シティにいるんでしょう? 』
「 う、うん ・・・ 」
『 じゃあ、いつでも会えるじゃない 』
「 そ、そりゃあ、そうだけど ・・・ 」
『 ねっ! 』
「 うーん。いつでも会える、か ・・・ 」


 そう言われれば、そうだ。その気になれば未沙とは、それこそ仕事中にでも会える。しかしミンメイは芸能人で、巡業も多い。今回を逃したら、次はいつになるか分からないだろう ―― 何よりミンメイに会って確かめたい事が、この時の輝にはあった。

「 分かったよ。その人には事情を説明して、分かってもらうさ 」
『 じゃあ、来てくれるのね! 待ってるわ、すぐ来てね 』

 未沙なら、分かってくれる ―― 一瞬「マズったかな ・・・」と感じながらも、そう思って気を取り直した。しかし電話をしても、既に彼女は出掛けた後のようだ。ミンメイは公衆電話だったから、もう連絡の取りようがない。

「 う~~ん。困ったぞ 」


 ハイランダー・シティまでは、電車だとかなりの距離がある。しかし今日は丁度ファン・ライナーを飛ばせる日で、空路ならひとっ飛びだ。先にミンメイと会って、未沙との約束は少し遅刻させてもらおうと決めた ―― きっと未沙は、待っていてくれる。


森林公園の散歩路

By OiMax


オープン・カフェ 「SECRET COFFEE」

「 うふ。少し早く、来過ぎちゃったわ 」

 未沙は、約束より随分と前に着いてしまった。嬉しくって お日様より先に目覚め、朝っぱらから張り切って準備をし、早々と支度が出来てしまい ・・・ 。家に1人でいるのが、もう待ち切れなかった。だから堪らず、出て来てしまったのである。

 今朝は余りに早過ぎて、カフェは開店前だった。だから未沙はまだ人気の無い公園の散歩道を、独り占めしてきたのだ。イチョウの木の豊かな黄葉と、静寂の中に時折混じる乾いた葉の音。「もしかして ・・」等と、キョロキョロ見回して見たが、可愛い尻尾は見掛けなかった。大抵は自分の足音か、風が鳴らした音なのだ。

 すっかり黄色くなった葉は、もう既にかなり道端に積もっていた。しかしゼントラーディ人程の丈まで伸びた巨木もあり、まだまだ空を縁取る程に茂っている。

「 銀杏が生ってなかったようだけど、雄株だけなのかしら。恋人がいないなんて、寂しいでしょうに 」

 デートというのは「男女が2人で出掛ける事」だと思っていたが、最近それだけではないのだと知った。「恋愛感情を持った男女」という点が、デートでは重要なのだ。


*     *     *


 輝がハイランダー・シティの空港に降り立つと、つばの広い帽子にサングラスの女性が手を振っている。ミンメイにしては少し大人びた印象だった、が ――

「 輝! こっちこっち 」
「 ミンメイ? ―― そんな格好してるから、最初分んなかったよ 」

 変装だなんて、いかにも芸能人っぽいな ―― ミンメイが有名になってからは、2人きりで会った事など無かった。マクロスで彼女と噂が立ったのは、デビュー以前の付き合いによる。閉鎖区間での12日間や、輝が足蹴しく娘娘にゃんにゃんに通っていた事、デビュー前まで重ねていたデートを見られていたからだ。


 パイロット・スーツから着替えると、ミンメイが腕を取ってきた。人懐っこい彼女は、親しい相手には男女構わずこうする。これは彼女にとって、単なる親愛の情を示しているに過ぎないのを、輝はもう知っていた。

「 急に呼び出したりして、ごめんね。約束した人、怒らなかった? 」
「 い、いや。分かってくれたよ。それより離れなくて、いいの? 芸能記者に見つかったら、どうすんのさ 」
「 いいわ、輝となら 」
「 えっ !? 」

  ( マズイだろう ・・・ 。ミンメイは、有名人なんだから )

「 この変装なら、バレっこないわ。最初、輝だって気付かなかったじゃない 」
「 そりゃ、そうだけど ・・・ 」
「 あ ・・ 、こっち向いて ―― 曲がってたわよ 」


 ミンメイは輝と向かい合い、少しだけズレていたネクタイを直す。カイフンは身だしなみにもスキが無くて、逆に直してもらっていた。こんな風にするのに、ずっと憧れていた。

 今日会うはずの人とは、恐らく早瀬さんだ。電話の最中は「断られるかも」と不安だったが、自分との約束を優先してくれて、ミンメイは嬉しかった。


  ( 今日は私の為に、1番いい服を着てくれたのね )

 初めて見る輝のスーツ姿に、心が高鳴る。彼女も大人の女性を意識した格好で、彼が気付かなかった程だ。私達は、もう以前の子供の頃と違う。大人の装いをして、お洒落な店でグラスを傾ける。それが似合う、2人になったのだ ―― そう実感した。

「 ありがとう 」
「 輝でもちゃんとした服、持ってたのね。驚いちゃった。中々似合ってるわよ 」
「 そうかなあ ・・・ 」
「 さあ、行きましょう! 」
「 う、うん 」

 芸能人と釣り合う格好など知らないが、取り合えずハズさなかったようで。未沙の見立てとアドバイスに、輝は感謝した ―― どうやって連絡取れば、いいかな …… 。

 結局ミンメイは腕をしっかり組んだままで、相変わらずマイ・ペースな彼女は、輝を引っ張って目的地に向かう。ちょっと戸惑ったが、カワイイ女性 ―― 増してや初恋の女の子に腕を組まれれば、当然悪い気はしない。2人は腕を組んで、並んで歩いて行った。


 案内されたレストランは、高い天井や分厚い絨毯から高級感が漂っていた。ピアノの生演奏まであり、輝は思わず口をあんぐりして見てしまった。未沙といつも行く気安い店とは違っていて、なんだか落ち着かない。サイズの合わない革靴を履かされた、そんな居心地の悪さを感じていた。

「 プロデューサーの、知り合いの店なの。よく芸能人が、使うのよ 」
「 へえ。君も、もう立派な芸能人なんだね 」
「 もう、じゃないわ。とっくに、よ 」

 そんな店にも慣れているミンメイに、輝は素直に感心した。カイフンは世界各地を回っていたと聞くから、きっと目も舌も肥えているだろう。そんな大人の彼に連れられて、彼女にはこういう店が当たり前なのだ ―― いつでも、どこでも、2人で仲良く連れ立っていたっけ。


「 で、今日はマネージャーさんは? 」
「 仕事の打ちあわせで、出てるわ 」

 ミンメイの様子から話を避けているようなのに気が付き、輝は口をつぐんだ。少しの沈黙に時計へ目を落とすと、時間は10時23分。約束の時間は10時だ。「その辺の店に入って」程度に思っていたのに、離れた場所に連れて行かれてしまった。昔から、どうもミンメイには逆らえないと言うか、いつの間にか彼女の意のままに転がされてしまう。

 「ちょっとお茶しながら」のつもりだったのに、ココでソレだけというのは難しい気がした。

  ( すぐ行くのは無理だ。どうにか連絡、取れないかな ・・・ )


「 どうしたのかしら? 遅いわねえ ・・・ 」
第34話 Private Time


「 輝、どうしたの? 」
「 ん、何でもない 」

 ミンメイは輝に、ちょっと不満を感じた。前は会えば、ミンメイしか目に入らない感じだったのに。今はよそ見どころか、少々気もそぞろに見える。会員制の高級レストランは展望も最高で、店内にはテレビで見るような芸能人もいる。それなのに彼は、全く関心が無いようだ ―― もう、つまんないの!

 輝の前に、取って置きの用意を差し出した。

「 ハイ。これ、つまらない物だけど。助け出してくれた、お礼よ 」
「 いいよ、お礼なんて 」
「 そう言わずに、受け取って? 」
「 そ、そう ・・・ ? 」

 最初は固辞しても、結局はミンメイの言葉に従ってくれるのに満足する ―― やっぱり輝、変わらない。カイフンは仕事となると、絶対に引かない一線がある。それがミンメイには頼もしくあり、そして不満でもあった。


 輝がリボンのかかった箱を開けると、中には白いマフラーが入っていた。輝の手持ちの服とも、よく合いそうだ ―― 未沙は白が、好きだから …… 。

「 うわぁ ・・ 、ありがとう! 」
「 お気に召しまして? 」
「 召します ・ 召します! ありがとう。大事に使わせてもらうよ 」

 どことなく見た目に温か味があり、手編みだと思う。忙しいミンメイがこうして時間を割いて編んでくれたらしいのが、輝は嬉しかった。

 ミンメイも心から喜ぶ輝に、満足した。彼との再会を想いながら、コツコツと編んだのだ。編み物は学生時代に結構していたが、こんなに一生懸命やったのは初めてだった。


「 その服とも似合う 」
「 そうかな? ―― ん、でも ・・ ちょっと、長過ぎやしない? 」
「 余った所は、ワ ・ タ ・ シの 」

 ミンメイが明るく今日の主題を宣言したタイミングで、ウェイターが飲みものを持って来た ―― もう! 輝の気持ちを聞く、大事な場面だったのに!

「うんっ、気が利かないの。もうちょっと後の方が、良かったのにな 」

 折角 昔のように明るくやれていたのに、少し気づまりが出てしまった。ミンメイは無邪気に接していたようで、実は今まで彼に感じた事が無かった、気恥ずかしさを覚えていたのだ ―― やっぱり輝、素敵になった …… 。

 しかし気を取り直して、グラスを掲げる。

「 えへへ。2人の再会を祝って、乾杯! 」
「 乾杯 」


 輝はプレゼントにとても喜んでくれたし、アプローチに嫌がる様子もない。ミンメイは少しずつ、自信を回復した。

「 こうやって2人っきりで会うのも、何年振りかしら 」
「 結局、あの作戦以来だから、―― 2年振り、じゃないのかな 」
「 2年なんか、短いようで長いわねぇ …… 」
「 長いようで短いと、思った方がいいよ 」

 ミンメイが「今日はこの街」「明日はあの街」と懸命に歌っていた間に、あっと言う間に時が過ぎた。そして世の中も周囲の人も、自分の歌すらも ・・・ みんなミンメイを置いて、いつの間にか変わっていた。2年という月日は、意外に長かったと実感したのだ。


 しかし輝にとっては、そうでなかったのだろうか? 大人びた表情を見せる彼だが、あの頃と変わっていないのだろうか?

 それならば ――

「 でも、あの時の気持ち。もう変わっちゃったんでしょう? 」
「 ええっ !? 」


もう、これっきり会えないかもしれないから、言ってしまうよ。
僕、君のこと ―― 好きだった ・・・!


「 そんなこと、急に言われても ―― 困ったなあ ・・・ 」

 今日ミンメイに会って確認したかったのは、その事だった。彼女と会って、あの頃を思い出したかったのだ。まだ軍人に染まっていなかった頃の自分は、何を目指していたのだろう。年月を経て、軍内での立場は上がった。だが自分の中身は、あの頃のまま成長できていない気がする ―― 先輩。柿崎。みんな ・・・ 。あんなに色々あったのに、俺はまだまだ だよ。みんなより余計に時間をもらったってのに、何やってんだろうな。


  ( ミンメイの事は、今でも好きだ ) ―― 以前とは、違っているけれど …… 。

 問われてみれば、そう思った。幼いなりに精一杯した、初恋。モテるミンメイから見たら、俺はさぞかしカッコ悪かったろう。今だって、大して成長できていないけど ・・・ 。それでも、もし今、あの頃の自分に会ったなら ―― 余りの青臭さに、恥ずかしくて「お前、何やってんだ?」と色々止めたくなるに違いない。

 昔の未熟な自分を直視するのは、かなり恥ずかしいものだ。まさかソレを今、出されるとは! 恋した当人にカラかわれては、逃げ場がない。輝は照れながら、どう応えれば気の利いた返事になるのかを考えていた。


「 やはり、ここか。急ぎの仕事が入った。行くぞ 」

 そこへカイフンが、店員の制止を振り切って2人のテーブルまでやって来た。拒否するミンメイを、険しい様子で叱責する。

「 君もプロだろう。そんな事で、どうする 」
「 ―― ミンメイ。都合が悪ければ、また来るよ 」
「 輝は黙っていて! 」

「 いい加減にしてくれよ。ダタをこねるのは 」

 カイフンはミンメイの手を引いて、強引に連れ出そうとした。部外者の輝は2人の険悪さに戸惑い、ただ見ている事しか出来ない。未だに仲直り出来ていないらしいと感じたが、ここまでとは思わなかった。


パシャッ!


 グラスをとって一気に飲み干し「酔ったから、仕事は出来ない」と言うミンメイに、カイフンは水を浴びせ掛けた。大事な髪を濡らしてしまった彼女に、苛立たしい怒気を発する彼。

「 これで酔いも、醒めたろう。悪ふざけも、これまでだ 」

 女の子に、こんなコト・・・ ―― 輝は余りの仕打ちに唖然としたが、他人ひとの仕事や間柄に、口出しはできない。ただ人目のある店の真ん中で、彼女が可哀想だと思った。

「 ミンメイ …… 」
「 済まんな、一条君。折角のデートを、台無しにしてしまって。いずれお詫びはするが、ここの払いは心配しなくていいよ。では失礼する 」

 ミンメイがカイフンに引かれて店から出た後、輝はひとりつぶやいた。

「 さよなら、ミンメイ …… 」 ―― さよなら、俺の初恋

 彼女は芸能人で、自分は軍人 ―― もう、あの頃には戻れない。自分達の道は、本当に別々だったのだ。






 輝はレストランのバーで、カウンターに腰を掛けていた。なんだか惨めだったし、少し自棄ヤケな気分だ。ミンメイを庇えず連れ去られた上に、ヘンに物が解った感じのカイフンの言葉に見下された気もした。

「 ―― マスター、水割り 」
「 止めといた方が、いいですよ。深酒になりますから 」

 指摘されて、確かに飲んでしまいそうだと思った。さっきまで座っていた席には、誰もいない。もう終わった事なのだ。やはり時間というのは、決して帰らない。亡くした人や、失った心と同じように ―― 今日の再会に当たり前の事を確認して、輝の気持ちは沈んでいた。


マクロス・シティは電話ボックスもおしゃれ


 未沙は輝宅へ、もう何度目かの電話をしていた。彼は遅刻をしたとしても、せいぜい10分くらいだ。応答が無い事に、未沙はまた何度目かの溜息を吐いた ―― とその時、車の急ブレーキ音が響く。

「 事故にでも ・・・ !? ううん、まさか 」

 未沙は、すぐ悪い方へ考えがちな自分を笑った ―― 輝にも「未沙は心配性だなぁ」と、よく呆れられるじゃない。クローディアのようにアイツに対して、もう少し大らかに構えていなきゃ。


「 うん、もう! でも、やっぱり心配なのよ 」

 何かの事情で輝だけスクランブルがかかったのかも知れないしと、確認の為に指令センターへ電話をする。相手はよりによって、町崎健一准尉だ。職場に電話をするなど用があるからに決まっているのに、「何かご用ですか?」とくる察しの無さ。

「 大した用じゃないの。ごく私的なことだけど ・・・ 一条大尉の居所、分かる? 」
『 一条大尉ですか? 一条大尉のことなら、僕なんかより少佐の方がよくご存じでしょう 』

 ニヤついた町崎の声に、未沙は「私的」等と言った事を後悔した。プライベートを持ち込む罪悪感で、つい馬鹿正直に言ってしまった。



「 ううるさいっ! 」


 キムとシャミーのヤジが始まり、低レベルな貶し合いが電話の向こうで繰り広げられる。きっと聞き耳を立てていたのだろう。町崎の冷やかしに、相変わらずの彼女たち。

「 もう、いいわ! ―― 全く ・・・ 」

 まるで子供のような彼等に、驚くやら呆れるやらで受話器を置いた ―― もう! 分からないから聞いてるんじゃない …… 。 




 輝は空港に向かい、車を飛ばしていた。ガラにもなく感傷に浸ってなんかいて、未沙を待たせている事を失念していた。

「 未沙、もう帰っちゃったろうな …… 」

 想定以上の遅刻に、ひたすら車を急がせる。とにかく待ち合わせ場所に行って、いなければすぐ彼女の家まで謝りに行こう ―― そう算段していた輝の前方に検問が現れ、空港でゼントラーディ人の暴動が起こったと説明された。


ブウゥゥ ・・・ !

おいっ! 待て、もどるんだ!


 検問員の制止も聞かず、アクセルを踏み込んだ。

「 未沙 ・・・ ! 」

 彼女なら、まだ自分を待っているかも知れない。もしファン・ライナーが壊されでもしたら、今日中に会う事は出来ないだろう。輝の脳裏に、待っていた未沙が1人で帰る姿が浮かんだ ―― やっぱり、行かなきゃ良かった ・・・ !


 輝は身分を説明し、空港警備隊の指揮権を少々強引に得た ―― 治安維持パトロール隊の一条大尉の名は、それだけの効力を持っている。

「 速やかに暴動を鎮圧する。それが被害を最小限に留める為の、最善だ 」

待っていてくれ、未沙。俺は君の所に、必ず行く!

 各警備隊機の通信に、聞き慣れぬ声が響いた。宇宙大戦の表舞台を戦い抜いた、歴戦のエース。大戦後も最前戦に身を置き、現在は首都のバルキリー隊を率いる、隊長 一条輝。まだ若いと聞く彼は、初めての場所や隊にも動じず、粛々と任務を告げた。


『 君達は完全に包囲されている。無駄な抵抗は、やめたまえ!』

 ファン・ライナーが踏み潰されようとする、まさに直前だった。投降を呼び掛けたが、ゼントラーディ人達はあざ笑って銃で応える。焦っていた輝はカチンときた。

「 ちっきしょう、あいつら ・・・ ! こちら一条! A作戦、開始 !! 」

 てっとり早く立てた作戦の内、1番荒っぽい手段を選んだ。多数の催涙弾で威嚇して、戦闘意欲と力を削ぎ、一気に格闘戦で畳み込む。とっとと片付けると、ゼントラーディ人達を一箇所に集めた。

 武器を持つ暴徒相手に全員を生け捕りにし、輝は買って出た責任を無事に果たす事が出来た。

「 やれやれ 。やっと終わった ・・・ 」
「 一条大尉。コイツ等、どうするんです? 」
「 格納庫にでも、放りこんどけ。後は本部で、処置してくれるさ 」

 リガードやヌージャデル・ガーまで所持していた為、手こずってしまった。彼等は入手経路などを厳しく尋問された後、恐らく矯正施設に送られるだろう。


 いつもならゼントラーディ人達に事情を聴く等するのを流し、輝は機上の人となった。

「今日中に謝っとかないと、絶交もんだなぁ ・・・ 」

 カルく言ってはみても、焦りは収まらない。みるみる暮れてゆく冬の日に、輝の心には一縷の諦めが滴り落ちた。


夕闇


 約束の時間から、既に8時間。待ち人達は次々と連れ立って入れ替わり、未沙だけが1人、ここにいる。夕刻の今、手も足も随分と冷えてしまった。

「 私も、相当な馬鹿ね …… 」

 こんな時間では、もう輝が来るはずもない。彼には何か事情があったのだろうに、諦め切れない自分は馬鹿だ。楽しい1日を想像して気持ちをやり過ごせたのは、せいぜい午前中くらいまで。それから今まで、悲しみに負けまいと、半ば意地になって座っている。


アン! アン! クゥ~~ン ・・・


 鳴き声がして見ると、小さい犬が尻尾を振っていた。長い金茶の毛で、見上げてくる つぶらな黒目が可愛らしい。なつっこい様子に、思わず笑みがこぼれた。

「 あなたも、1人? 」

 抱き上げた子犬は、暖かった。大人しく腕に納まってくれるのが、未沙は嬉しい。昔から、子供や動物は大好きだった。小さくて柔らかな存在に、庇護欲と癒しを感じる。

 じっと見つめる無垢な瞳には、自分を求められている気になってしまう ―― リスにあげるのが、楽しみだったの ・・・

「 そうだわ! ちょっと待っててね 」

 バスケットを開けて、クッキーを取り出した。甘く芳ばしい香りが、ふわりと漂う。子犬はクンクンと嗅いで、目を期待に輝かせた。

「 まぁ ・・。うふふ。匂いで分かるのね。よしよし、今あげるからね 」


シェーン、シェーン! どこ? シェーン、帰っておいで


 飼い主らしき少女が、犬を呼んでいる。無心に食べていた犬は、もう未沙のお菓子には見向きもせず、一目散に腕の中から走り去った。

「 また1人、ですか …… 」

 寂しさも愛情も行き場がなくて、未沙は視線を下げた。


お~い! お~い!


 声にはっとして見上げれば、遠くから輝が走って来るのが見える。彼は白い息を吐きながら、未沙の元へ駆け寄った。ずっと走って来たのか、息が弾んでいる。

「 はあ、はあ ・・ 。今日は、ホントにごめんっ! まさか、君がいるなんて …… 」
「 森林公園は、もう閉まっちゃったけど ―― どこでこのサンドイッチ、食べる? 」

 そう言って立ち上がる未沙に、輝は驚いた。連絡もなく、こんなに待たせたのだ。怒って当然だと思う。「どうして ・・・ ?」と彼女を目で追いつつ、つい聞かれてもいない言い訳が続く。

「 急用が ・・ できちゃって 」
「 いいのよ。でも電話ぐらい、掛けて欲しかったわ 」
「 何度も掛けようと、したんだけど ・・・ 」

 彼女の少しスネた口調に安堵しながら、余計に申し訳ない ―― 未沙には、そんな輝の気持ちが嬉しかった。彼の腕に手を添えて、心の底から想いを告げる。

「 ―― もう、いいわ …… 」


 初めは「どうしたの?」と文句のひとつも言ってやりたい、確かにそんな気にもなった。でも息を切らせる彼を見れば、怒りも悲しみも愛しさに溶け消えた。

  ( 輝は来てくれた。輝が無事で、良かった。それだけで、私は ―― もう、いいわ …… )

 未沙は腕を組むと、輝に笑みを向けた。輝ももう何も言わず、微笑み返す ―― もうこれで、この事は おしまい。


  ( やっぱり、未沙だ …… )

 2人並んで、石畳を歩く。木枯らしが吹き、輝は自分より少し下にある肩を寒そうだと思う。未沙が1人でポツリと座っていた姿は、輝の胸を突いた ―― 温めてあげたい。傍にいてやりたい。輝は巻いていたマフラーを未沙にも掛け、「これで、いい」と安心した。

 こうして2人、身を寄せて並び歩く ―― これが自然で、これが自分達のあるべき形。


「 ふふふ ・・ 」

 肩を ぽんぽん する彼の優しさが、暖かさが、嬉しくて …… 。未沙はマフラーを手に取り ―― ・・・ 足を、止めた。

「 どうしたの? 」
「 ―― 掛けてあげる人を、間違えてるわよ 」

 未沙は穏やかな空気を一転し、マフラーを外して輝に端を握らせた。そのまま無言できびすを返す。輝は彼女の変化について行けず、そのまま突っ立っていた。

「 ええっ ・・・ ? ―― ん ・・・ !? 」

 未沙が急に怒り出した理由が分からず、輝は持たされた手の内を見る。



L・M H・I



「 ・・・ ! いや、これは違うんだ! 未沙 ・・・ ! 」

 慌てて後を追い掛けたが、振り返りもしない彼女に足が止まる。自分でも何故、こんななのかが分からない。それを未沙に説明する事は、出来なかった。


 鉛色の空から、今年初めての雪が舞い落ちる ―― 厳しい冬総軍の、到来だった。


*     *     *


 サウスコースト・シティでは政府からの自治権獲得を記念した、ミンメイのコンサートが開かれた。今日のこの日を祝し、近代的なコンサート・ホールも建設していた。

 カイフンの司会が、祝賀に湧く会場に響き渡る。


明日の希望を、彼女の歌に託して
それでは早速、参りましょう!

歌は懐かしの “ 私の彼はパイロット ”!


 スポット・ライトのミンメイを、歓声と拍手が迎えた。しかし彼女の顔は暗く沈み、イントロが始まっても歌い出さない ―― 拍手は空虚で、口笛は白々しく思えた。

 カイフン「まさか ・・ !?」と顔を上げて、目が合うと ・・・ ミンメイは微笑んだ。


ミンメイ ・・・ 君は ・・・

私、あなたの言うなりにはならないわ。もう、決めたの


 観客達は「歌を聴かせて」と、ミンメイに呼び掛けた ―― 彼女には、何かあったのかも知れない。でもこの街のひとり立ちを、自分たちの未来を、きっと勇気づけてくれるはずだ。


ミンメイ! ミンメイ!

この声が、聴こえるだろう? 分かるだろう ・・・ ? さあ、歌うんだ。ミンメイ

「 ごめんなさい、皆さん! ―― あたし ・・・ 今日は歌いたく、ないんです! 」


 その日、ミンメイの歌は流れなかった。シティの自立第一歩は、祝福の無いまま幕を降ろした。


夜の水辺と街灯り


 ミンメイは砂辺に座り、波に散る光を見ていた。決意してコンサートから去ったが、もう後悔している。不安でこれからどうすれば良いか分からず、こうして膝を抱えている ―― 私は取り返しのつかない事を、してしまったのかも知れない。だけど、もう ・・・ 皆んなの想いに応える事が、私には出来ないの …… 。

 傍らで止まった砂を踏む音に、抱えきれない気持ちをぶつけた。

「 あなたのせいよ。あなたが現れてから、輝との仲が遠くなったわ 」
「 変わってないな ・・・ 昔から。君はいつも、自分の事ばかり。観客達がどんな気持ちで帰ったか、考えてみたのか? ―― 君の歌は、君1人の物じゃない 」
「 そんなこと、言ったって ・・・ 」

 カイフンも解っているはずだ。今日だって客席はまばらで、懐かし・ ・ ・ の歌しか求められない ―― もう必要とされないなら、私は「歌手リン・ミンメイ」から「ただのミンメイ」に戻ったって、いいはず ・・・ 。


 ミンメイは望まずとも、当たり前に歌えた。楽曲に心を同化し、感じたままに表現できた。伸びやかな声も、瑞々しい感性も。歌い手として得難い全ては、彼女の天性だ。そしてまた、それを磨く為に、ミンメイは苦も無く全力を尽くせる。

 歌い手としての才能を目の当たりにし、カイフンは「音楽の神に、愛されている」と確信していた。


「 歌に人を思う優しさがあれば、君は本物の歌手になれる 」

 歓声が待つステージで、心のままに歌い、感動を与えられる。そんな稀有を意図せず、挫折も犠牲も無しに手にしていた。それ故に、その価値を知らない所はあったかも知れない。しかし彼女は徐々にそれに気が付き、人生の深みと共に歌は輝きを増すであろう ―― カイフンは、そう信じていた。


「 君の本物の歌が聴きたくて、俺は俺なりにこの2年間、頑張って来たつもりだ 」

 そして、ある時。些細なつまずきが、彼女に自身を見つめる機会を与えた。それは成長には欠かせぬ試練で、葛藤の先には更なる高みが在る ―― はずだった。

 自分達は、それを乗り越えられなかった。無条件に信じ、分かち合えた日々は、子供の頃まで ・・・ 。

「 だけど、それも今日で終わりだ。俺は、また旅に出る ―― 当分、会う事も無いだろう 」


 夜の水辺は冷える。これから冬がきて、もっと寒くなるだろう ―― カイフンは上着を脱ぎ、自分に出来る最後の慈しみを従妹に掛けた。

 俺達の間には、確かに愛があった。ただ少し、何かを間違えてしまったのだろう。ミンメイに、誰か ―― 恋人でも、親友でもいい。人生の旅先で、素晴らしい人や出来事との出会いがある事を祈る。

「 いつの日か、優しい歌を聴かせてくれ 」


 カイフンが去り、ミンメイは1人になった。吹き抜ける風の冷たさに、自分を抱き締める ―― 落ちる涙をぬぐってくれる人は、もう いない。

おわり


あとがき 長いです
問題の「未沙より、ミンメイとのデートを優先する輝」「ミンメイへの恋が、再燃したかのように見える輝」「ナゼ輝、スーツを着る?」を、私はこのように解釈しました。はぁ ・・・ 疲れた。それでもまだ足りない(しつこい、って?)部分は、他の話でポツポツ出させて頂きます。

ALL
原画 ・ 動画 ・ 仕上げと、ですねぇ。しかし結構な頻度で異常に良い絵があり、「バージンなんとか」や「ブロークンなんとか」を超える衝撃はありません。話が良い為でしょうか。脚本は、小説「白い追憶」の大野木氏です。私の脳内では美樹本氏絵で展開していた回で、映像を確認して驚きました。スタッフ・ロール等に出ていないですが、恐らくこれが関連本のどこかにあった「描き直した」? ここまで多量に違うとは、相当ハラに据えかねたのカモ。直される前の絵は、どれほど恐ろしい物だったのでしょう ・・・ 。

モザイク・アートは、Pメモの設定書で 「第28話 マイ・アルバム」の喫茶店「NIAGARA」の絵を見て思い付いた、私設定です。TVの「SECRET CAFE」は殺伐としてて、未沙が可愛そうでなぁ ・・・ 。彼女は芸術を尊敬し、好みによらず幅広く鑑賞しています。

名場面 ・ 珍場面 ・ 気になった場面
前から順番に。「イヤッホー未沙」「ヒゲを剃る輝」「スーツを着る輝」「スパルタンを操縦する輝」「メチャクチャ修羅場」、でしょうか。関連本に「それまでのアニメは服を変えなかったのを、他の服も着るようにした」とか、読んだ気がします。初代のテーマは「日常」という事で、「あって当たり前なんだけれど、描かれなかった姿」が見られて、サービス良いですよね ―― 例え、「あちゃー!」な服だとしても。そして修羅場を始めとする、昭和な効果音とバック・ミュージックの異様な盛り上げぶり(笑)

季節が読めなくありませんか? 雪が降るような日に、みんな薄着し過ぎです。だから「好きにやってしまえ」と12月も下旬なのに、イチョウを飾ってみました ―― ハイ、言い訳です (..)ゞ

ゼントラーディ人が空港の建物を襲った時、中で抱き合っていたカップルの男性が、女性を突き飛ばして逃げたように見える。コレって自分が逃げる為じゃなく、彼女を避けさせる為に押したのかな? マクロスはこういう所にシビアそうで、私は前者に受け取ってしまうんだよなぁ ・・・ 。

襲い掛かるゼントラーディ人のお尻をパシンとする、一条スパルタン輝がカワイイ

長いようで、短い。そう思った方が、いいよ
意味深な言葉ですよねぇ。私はSSのように解釈しましたが、とても苦労し、そして納得できていません。正直こじ付けましたが、皆様はどうお考えでしょうか。表情や口調と併せて「チャカチャカしてたクセに、輝も含みのある大人になったんだなぁ」と感じました。ミンメイは逆の思いを口にしており、この言葉だけでなくSSの随所で、輝とミンメイのズレを描いております ―― Nyao love Misa

未沙
この回は特に、しっとりとして優し気で、非常に女性らしいと思います。犬とのやり取りや、遅刻した輝を許す場面の表情や声が、良過ぎです。「第28話 マイ・アルバム」家庭的に尽くす未沙に引き続き、好感度倍増だったのではないでしょうか。輝にはバーで酒を飲むより、早く未沙の所に行く事を思い付いて欲しかったです ―― てか、飲んだら飛べないだろうが、馬鹿モン!

ミンメイ
今までは輝と未沙の間を割る存在として以外、悪くは思いませんでした。でも、この回ではイロイロ腹に据えることも。「そんなの、断っちゃえばいいじゃない」に、「ハァ!?」とキた方も多いのでは。レストランでの様子にも、傲慢さを感じます。しかし「やっぱミンメイは、こうでなくっちゃ!」と、余りの盛り上げ役ぶりに膝を打ちたくもなりました(笑)。

コンサートで歌わなかったのには、ただひたすらガッカリです。カイフンが見切りをつけたのは、コレが決め手だと思います。

カイフン
描かれ方が悪過ぎて不人気な?彼ですが、私は人間性剥き出しの言動が結構好きなんだよなぁ。見た目も劇場版の短髪は、色気があって良いです(首回りに髪の動きがあるのが、男女とも好き)。TVでは酒に逃避したり、ヘンな蝶ネクタイを着けていますが(笑)。この回は綺麗な絵で、ラストは良い事を言っていました。やり方は悪かったのかも知れないけれど、ちゃんと解っていたんだと思いました。「俺は世界中を見て来たし、何より信念がある」と恐らく自負していると思われる彼も、まだ若くて現実は描いた理想のようにいかない。そんな時にミンメイの中の輝の存在が、余計に苛立たせたのではないでしょうか。

ミンメイがもう少し大人で、きちんと彼を愛していれば、少なくともこんな別れ方にはならなかった気がします。でもカイフンって、自信家で尖ってて、同性の友達 いなそうな人だよな(笑)。
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 Comment 

Re: NoTitle 

んまぁ! ご無沙汰でございます。お越し頂き、コメントも頂戴し、嬉しいです e-446 いやいや、今はリア充へ向かって尽力中で、コチラは全然頑張れていないんですよ~。

ミンメイへ結婚式のスピーチ等を依頼しにいった
輝がスーツな理由、でしょうか? ウチの第二部SSはジレジレやっていますが、TVで描かれてないけど輝がちゃんと考えていたとすると、結婚準備がシックリするかも知れませんね。

仕掛け
もうOPENなので、お気兼ねなく (^^) SS所々に白文字で、輝の意識していない本音を書いています。白画面以外の時ならモバイルでも閲覧できると思いますが、白画面ではPCでドラッグしないと見えないかも知れませんね。文末に「。」が付いていない、通常よりも何となく行間が空いている、そんな箇所に書いております。このSSと、あとSS「Last Flight」のラストに書いていたと思います。

マクロスは40周年でも50周年でも続いてくれるでしょうから、お互い細く長くマク・ファンしていきたいですネ e-68

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Re: 「ミンメイさようなら説」様 

とは、バーでの言葉の解釈でしょうか? 輝がどういう思いで言ったのか、想像させられますよねぇ。仕掛けの方に私なりの解釈を書きましたが、自分でも説得力に欠けると言うか、無理があると言うか・・・。足りないSSを書く中で考えが変わったら、書き換えるかなぁ。上手く他SSで、補完出来ると良いのですが。

こちらこそ、いつも楽しませて頂いております。今年は色々と、大変お世話になりました。e-68 「'13年も、どうぞよろしくお願い致しまーす」

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Re: 「お疲れ様でした」様 

ぱよぷー様、こんばんは。週刊にゃんぷへ、ようこそ!

輝に優しいですね~
女性を女性らしく扱えない、気が利かなさだか子供っぽさだか、なら愛しく思えます。けれど思い上がったとか、相手の気持ちが分からないとか。そういう彼だったら、多分マクロスという作品は、30周年を迎えなかったかも知れませんね。

携帯からは、文の途中でバッサリ切れてる
やっぱり、1ページのデーター量が多いんですね。モヤモヤさせて、すみませんー e-351 本編は長い傾向でしたが、多分これからは短くなると思いますので、ご了許下さいませ。

当時も今も、輝の未沙への気の回らなさ加減にワジワジ
19or20歳の、お付き合い経験が無い、男所帯育ちの青年。どうなんでしょう。「こんなモンかも」とも思うし、「そうだとしても、もう社会に出て結構経っているんだからさ」とも思いますねぇ。まぁとにかく、ミンメイ共々盛り上げてくれる鈍感さ。

輝の行動、眉毛さんは「男の甘え」という解釈?
私がPメモの空白の二年間を読むに、河森氏はそう描いている気がしました。疑問に思われると言う事は、ぱよぷー様的には他の解釈もおありでしょうか? ぜひ×2

ロマネスク・・・プライベート~以上に、迷走しそうです e-454
来年も、どうぞ宜しくお願い致します e-68

お疲れ様でした 

暮れも思いっきり押し迫った本日、ようやく全文読み上げることができましたー。はースッキリです。
携帯からは大作過ぎて、文の途中でバッサリ切れてるんですよ‥onz
コメントも拍手もできなかったし、何より途中で!ってところが昔の週刊ジャンプを待つコドモの気分でモヤモヤわくわくしてました。
‥いえ、私のモヤモヤはともかく。

にゃおさんは輝に優しいですね~。未沙みたい。

この話の御大の絵は非常に大好きなんですが、当時も今も輝の未沙への気の回らなさ加減にワジワジしてしまいます。
そのため、見るのが少々ツライ話ですね。
以外に「あの」カイフンがまともに描かれていますし。

輝の行動、眉毛さんはこれは「男の甘え」という解釈なんでしょうかね?うーん。ワカラナイ‥。

これから例のロマネスク。
にゃおさんのお話楽しみにしています!!

Re: 「1年間 ありがとうございました」様 

こんにちは。こちらこそ、楽しい語りをありがとうございます。お蔭さまで賑わいを頂いており、ひとえに何某様や皆さまが、こうしてコメント欄語りで盛り上げて下さっているからと感謝申し上げております (._.)「ありがとうございます」

「Private Time」 なかなかの難産だったようで
いやいや、もう。何しろ30年分の  便秘  疑問ですから、未だ未消化な点もあります ← v-12 「ヤバくねぇ!?」  まだ書いていない空白の2年間ネタも多々あり、そちらを書かないと、キャラ達の想いは分かりません。最近読んだ文章の書き方についての本で、「書く事は考える事」と言っておりましたが、その通りです。

カイフンは・・・
そうそう。おっしゃる通り、頑張っていたと思います。20歳代の彼に一方的に注ぐ愛は、まだ本当はしんどかったのでは? 関連本などでその後は全く描かれていないですが、私のSSでは彼も登場予定です。

ミンメイは
カイフンに甘えていたでしょうねぇ。彼も年上で男性で強気キャラで今まできていたから、彼女に弱い所を見せたり甘えたり出来なかったかも。「自分の気持ちを優先させて仕事を放棄した。これはプロとしてはしたらアカン」ですよね。ですから当然、36話以降ではツケを払う事にはなりますネ。

短いようで長い ・ 長いようで短い
「二人の成長の時間の温度差」でしょうねぇ。そして気持ちの温度差でもある、と ―― どうしても輝がミンメイに恋心があるとは思いたくない、にゃおでした。

未沙の美しさが前面に出ていた
やはり美樹本氏絵と思われますか。アップが多かったですから、修正(と言うより、全面描き直し?)が無かったら、衝撃的だったかも。ただ残された絵も、★プロにしてはマトモだったとは思いますが。

輝は何故ミンメイに会いに行ったか
「女の子のお願いに弱い輝(ミンメイに弱い)のと 未沙への甘え」ですよねー! でも「どうしても無下にはできない、恋人より優先しなければならない気がする相手」というのは、いる気がします。やっぱり早く出掛け過ぎた未沙が、要因(悪い、という意味でなく)な気がします。もちろん1番は輝未沙の関係を、ミンメイが再登場した段階で、はっきりさせておかなかった事だとは思いますが。

ミンメイは、輝がまだ自分の事を好きでいてくれる、期待も自信もあった
彼の反応を見て、そう受け取ってしまっても無理はない気がしますね。恋は「もしかして相手も、自分の事を・・・」と、都合よく受け取ってしまう部分があるように思います。好かれ慣れたミンメイなら、諸々の輝の反応に「ん?」と思っても、流してしまいそうな。歌からの逃げ先や、自分自身を見てくれる存在も、欲しかったでしょうしね。

今日中に謝っとかないと、絶交もんだなぁ・・・
「なんでそんなに悠長なの!! もっと必死にならないと」そのとーり e-460 おっしゃる通り「そこまで深く考えてなかった。自分の中では、未沙を裏切ったとは思っていない」だろうと、私も思いました。SSでは一応「カルく言う事で、事態を軽くしたいという気持ちの表れ」と描いてはいますが。ウチでは昭和のにほいを演出しているので、FIRSTと違いケータイはまだ登場しません。なのでAFTREでは、物凄い短期間で文明開化が進むハメに・・・e-351

イニシャルには気付かない
盛り上げますね~。こんな目立つ刺繍を見逃すなど、リアルなら「バカか!」と言いたいですが。大人なら一通り見て褒めちぎるでしょうが、そんな気遣いする人じゃなさそうですしね。その後は未沙の所へ駆けつけるのに余裕が無くて、じっくり見たりしなかったんでしょう

未沙にマフラーをかける輝
「輝の優しさがあふれていて、大好き」「本当にいいムード」ですネ! 音楽もイイ感じなのに、アレッと言う間に状況も曲風も急展開 e-447「ひえ~っ!?」

漢を見せてほしかった
「どこか罪の意識のある輝は、追いかけれなかった」んでしょうねぇ・・・。その辺がスレてなくてカワイイ部分でもあり、クローディア「だからボウヤなのよ」でもアリ。

シリアスなお話なので突っ込み満載
「どこに髭が生えているの」男の見得だったりしたら、カワイイかも  タイトル「プライベート~」だから日常の私生活シーンを出したのでしょうが、それが日常で無い女性にとっては、サービス・ショットですよね。未沙とのデートに、それなりに洒落込もうとした気持ちの表れだと思いたいです。

マクロスの世界を知り、楽しく過ごさせてもらいました
いえいえ。私こそ楽しくさせて頂きました。文章だけで誤解なく伝えたいと思うと、どうしても長文になってしまい、私こそ長々失礼しております。TV本編SSは半ば義務という面もあり、なんとかココまで年内に出せました。以降は書き足りないSSを書きながら、解釈を進めたく思います。もちろん頂いたキリ番「もんもん輝」も、その中に入っております。もうしばらく気長に、お待ちいただければ e-441

良い年末年始をお過ごし下さいませ e-68 「来年も、どうぞヨロシク~です」

管理人のみ閲覧できます 

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Re: 「お世話になっております」様 

何度も連絡は取ろうと思ったはず
「~しようと思った」は、社会人として通用しないと、ウチの輝に説教しておきます (^.^) ミンメイに「もしかして、今日会うハズだった人に了解もらえてないの?」等と気を遣わせたくなかったのかも。とか、少しでも早く話を終わらる方を優先した等、考えられますが。そんな言い訳が通じるのは学生までで、まず連絡だと教えてやりたいです。要は輝はまだ世慣れていなくて不器用で、そんな所もカワイイし、そうじゃなければ話にならないけれど、「イライラもするよな」が、年がいった私の思いでしょうか。

酒瓶を割って以降、カイフンの態度は変わる
そうかー。言われてみれば、その後は酒に手を出してないですものね。あそこでミンメイに捨てられかけたから、酒は止めたのか。でも以降も強引さやイライラを改善できなかったのは、もはや手遅れだったという事なのでしょうか。

ミルクに妄想してしまう
ひ「俺、牛乳好きだよ」
み「私も健康やお肌の為に、毎日コップ2杯は飲むようにしています」
ひ「未沙はこの前 “ 豆乳に換えようか ” って言ってたじゃないか。俺なんか、夏なら毎日1Lさ」

「私の彼はパイロット」は、過去の決別 or 戻りたくても戻れない悲哀
あの歌はミンメイの象徴とも言えたでしょうから、思い入れもあって過去の絶頂の記憶かも知れませんね。そういう記憶を呼び覚ます歌を歌うのは、自分が落ちぶれたと思ったであろうミンメイには確かにしんどいかも。

今日は入浴剤のお風呂に、ゆっくり浸かりたいと思いまーす e-224 e-68「ばばんば ばん」

お世話になっております 

温泉の元ならありますよ(笑)

何度も連絡は取ろうと思ったはずです。レストランからじゃ気が引けるので、空港からと考えたんでしょうね。「これから行くから」なんて。
でも、出来る状況になかった。

28話ですが、カイフンが酒瓶割ります。あれはあれで青少年向きには凄いのですが、それ以降、彼は態度変わります。カイフン青年も方向性悩み、彼は彼なりにミンメイの歌のゴールのため役に立つたいとの決意の始まりと考えています。

確かに、水だと思いますが、ミルクに妄想してしまう、くまおです。

ミンメイの歌えないコンサートですが、ホールが閉じるシーンが歌手としての終了、懐かしのデビュー曲「私の彼はパイロット」を歌わないとは、過去の決別ないし、過去に戻りたくても戻れない悲哀でしょうか。

Re: 「長編には、長編で」様 

こんばんは、くまお様。温泉の元、チョウダイな v-424 な気分の、にゃおです。

懐かしい女友達に会いに行った感覚で、単に同窓会でそれなり格好で行っただけと考えたい
そうそう。故郷に錦を飾る的に「いっちょイイトコ見せるか!」と気合が入る、アレですよね。昔好きだった人というのは、いつになってもトキメキを覚える部分はあると思います。だから輝も、それなりに嬉しそうでしたしね。

ミンメイが輝にコールする際、電話線を触り触りながら
落ち着かない仕草ですよね。一方でコードレスでない時代、彼女なら そんな女の子っぽいベタな仕草はデフォルトだったかも知れない、とも思います。SSでは一応、前者を取っていますが。Pメモによるとマフラーは手編みとの事でしたから、彼女は準備していたのでしょう。

輝は時計の時間も気にし、心はミンメイでなく未沙
そう受け取れました? 私は、もう少し未沙を気にする場面が見たかったな~(笑)。カフェに駆け付けた時、「何度も連絡取ろうと思ったんだけど」と言っていますが、「何度もかぁ?」と言いたくなりました。描いていないだけ、なんでしょうね。「10分でもいいから時間を作って、電話帳(問い合わせ)でカフェを調べて、かけろ」と言いたい。

マスターへのお酒頂戴
チョウダイ(笑)。志村ケンちゃんの「ヘンなおじさん」が浮かびました。なんか色々感じて思う所があって、マイナス感情でグチャグチャして「酒でも飲むか」となった。カイフンに対して、「あんな言われ方したら、同じ男としてムカッとこなきゃイカンだろ」と私は思う。以上でSSは書きましたが、謎ですよねぇ。ストレートに見れば、TVではミンメイしか気にしてないように見えます。

カイフンの帰れー事件は、輝に対する男の嫉妬そのもの
ですよね! 主義と嫉妬と混ぜこぜにしてしまう、ある意味とても人間的で、リアルな男性像が描かれていたと思います。28話のいいセリフ? 「君はプロなんだぞ。タダで歌う事なんかない!」かな?(ソコを選ぶか…) 29話「あの子は仕事を放り出すような事はしない」の事かしらん?

ミンメイの歌えない曲が「私の彼はパイロット」で、次の展開も含め意味深
うわっ! ソレ、全然考えませんでした。一体どんな意味が??? 興味ありますねぇ。

気になる点
輝のグラスの中が、牛乳にしか見えない
→ ん~? お水を表現した色が、白っぽくなっちゃった、カナ?
バルキリー「降りれない」
→ ピンポイントで着陸する技術が無い、狙い撃ちされそうだ ⇒ 輝はやっぱり上手い e-446
町崎が出ている数少ない回であること
→ 生意気で馴れ馴れしくて、意外と伸び伸びやっているのが見えました
サンドイッチがクッキーに変わった
→ 未沙が昼食に1人で食べちゃったのを、すっかり忘れていた

☆の絵
美樹本氏(の絵ですよね?あれは)はきっと、ノーギャラでしょうねぇ。

輝が未沙に駆け寄るシーンの、空の色が不気味
冬の空はあんな感じかなぁ?とも思いますが、トキメキのキラキラ感の演出が皆無です。多分この後キた、修羅場の予兆では(笑)。

「輝、追っかけろや!」と言いたい
この辺が、うじうじ君なんでしょうねぇ e-444 ヘタレとも。まだ若くて、生々しい感情には臆病なのでしょうか。あそこで追える人は、自分に自信があったりそれなりに人生経験がある人かなぁ。こういう面では内気そうな輝には、まだ少し荷が重いですが、追って欲しかったですよね。そうすれば後のこじれも、未沙の思いつめも無かったでしょうに。

私の印象としては、彼は「え?」と思うと言葉が浮かばず、黙ってしまう人。口下手なのを自覚しているので、説明できる言葉が見つからないと気後れしてしまう人 ―― という感じでしょうか?

「短く長い」「長くて短い」は、プレゼントのマフラーのこと
あはは・・! そー来ましたか! ウマイです! v-218 「時間軸がズレている」とは、端的な表現ですね。輝と未沙は寄り添って信頼関係を築いたのに対し、ミンメイとカイフンは離れて険悪な仲になりました。同じ2年弱を過ごしたとしても、輝とミンメイでは、得た物もその種類も異なるでしょうね。「長く待ったけど、短かったわよ」の対比がGOODですネ!

輝は憎めない男
なんですよねー。掲示板などでも、男性から見てもやっぱりそうらしく。得してて、幸せなヤツです。

仕掛けとは、うっすらしているもの?
2つあります。単なる私の萌えなので、見なくても支障はありませんよ。
・どちらも、まずカーソルを合わせない事には表示されません
・片方はこのSSの7箇所と、「Last Flight」ラストに1あります
・片方はTOPページでも、全各記事でもご覧になれます。 モバイル・テンプレでは見られません  閲覧可能です
 ↑ うわぁ・・そうでした。アナウンスします。 

まぁ  気にして頂けて、ウレシイです。では楽しい語りを、e-68ありがとうございました

長編には、長編で 

にゃおさま、長編お疲れ様です。どうぞ、ゆっくりと温泉にでも浸かってお疲れをほぐしてきてください。

にゃおさまのブログに長々と書きます、すいません。

『輝!擁護派』のくまおです。だって、主人公の輝ですからね。

にゃおさまの説「輝はミンメイに恋心はないけど、ミンメイに会いに行った」ですが、くまおもそう思っております。
補足しますと、昔懐かしい同級生の女友達に会い行っただけの感覚であり、単純に同窓会ですのでそれなり格好(背広)で行っただけだと考えたいです(信じたいです)。

ミンメイ側は違いますね。輝にコールする際、電話線を触り触りながら、これは輝に対するloveコールですね。
会いたくて、会いたくてしょうがない心理でしょうか。

片方の輝は、時計の時間も気にしていまし、心はミンメイでなく、はっきりと言えば未沙です。
マスターへのお酒頂戴は、ミンメイに対する未練でなく、カイフンに対する不満でしょうか。

ちなみに、カイフンは嫌いなキャラではないです。帰れー事件で一躍有名ですが、あれは輝に対する男の嫉妬そのものでしょう。
28話の最後にいいセリフ語っているじゃないですか。

ミンメイの歌えない曲が「私の彼はパイロット」ですから、次の展開も含め意味深だと感じております。

くまおが気になっているのは、にゃおさまにプラス 
 輝・ミンメイのレストランのシーンで輝のグラスの中が、牛乳にしか見えない。
 バルキリー(空港に)降りれないって、おい、どうしてだ!
 町崎が出ている数少ない回であること
 有名どころで、サンドイッチがクッキーに変わったことでしょうか。

☆の絵ですが、かなりアップ顔は修正してますね。アップ顔が光りそれほど醜くは見えない回だと感じてます。

季節感も読めないのは同感です、輝が走って未沙に駆け寄るシーンの空の色も不気味です、全く明るくない。

最後に、輝も未沙を怒らせて帰らせるのでなく、追っかけろや! と言いたいのですのが、ミンメイと会って悪いとはまったく感じてないので、つまり、ミンメイとはただの友達なので、謝るまでとは深刻に考えていないだけなのでしょう。

ミンメイは「短く長い」、輝は「長くて短い」ですか、プレゼントのマフラーのことでしょうか(ウソ)。
確実にミンメイと輝の時間軸がズレており、二人は根本的に寄りが戻ることはないと暗示していると解釈しております。
視点はずれますが、カフェにいる未沙なら、「長く(待ったけど)、短かったわよ」と輝に会った際、言いそうだ(態度で未沙は出ていますが)と思います。

こういう話し一人で悶々としても面白くないので、表現できる場所をご提供いただき、感謝申し上げます。

けど、鬼畜とも言われれば、そうなんだよね。あいつ優柔不断過ぎなヒーロー?なんですよ、でも憎めない男です。

ちなみに、仕掛けとは、うっすらしているものでしょうか?

Re: 「お疲れ様でした」様 

ありがとうございます (..) 輝の言い訳と未沙の可哀想さを際立させる為に、この長さを費やしました ―― って、私が1番鬼畜かも(笑)。

まだ恋心が燻るって解釈
バーで酒を所望するシーンは、随分そう見えますよね。他は「彼の表情はあまりうれしくも浮かれてる風でもない」で、そうでも無いですが。私としては、「恋心が全くないから、ミンメイに会いに行った」説でしょうか。とにかく「未沙なら分かってくれる」という甘えと、恋の痛みの知らなさが目につきました。未沙の気持ちを想像できれば、この回も後の回でも、もっと慎重に行動しただろうと思います。「鬼畜」とはヒドイ行為を意味するのでしょうが、要は「人の気持ちが解らない」と言っているのだと思いました。

彼を弁護したいけど、弁護しようがないです。行動が軽率すぎるし...
そうそう! 「軽率」ですよね! まず「ミンメイ、ごめん。もう少ししたら、掛け直してもらっていい? 相手の人に、まず確認してみるよ」と未沙に確認とってから返答しない、輝の安易さ。まぁ未沙への気安さとも言えますが。

もし未沙に電話が繋がっていたら ・・・

「未沙、ごめん。今日の約束だけど、ちょっと遅れるんだ。ミンメイと会わなきゃならなくて」
「ミンメイさんと? ―― どうして会わなきゃならないか、聞いてもいい?」
「ええっ!? そ、それは、そのぅ ・・・ 言っとくけど、別に今でもミンメイ気がある訳じゃないからな」
「私が先に約束したんだから、私には聞く権利があると思いますケド?」
「そりゃ、そうだけど ・・・」
「うん、もう。いいわ。行って来て。でも必ず迎えに来てね。私、すごく楽しみにしてたんだから」
「ゴメン! 未沙なら分かってくれるって、思ってたよ。ありがとう。絶対に行くよ。俺も楽しみなんだから」

―― 以上、IF妄想。要は「未沙、早く家を出過ぎだよ」が1番の原因でしょうか。事前に了解を取る機会があれば、未沙ならちゃんと理由や輝の気持ちを確認すると思います。そこで、この「誤解から始まった三角関係」は終わり。

未沙がとても可愛らしくなおかつ健気で優しい女性に描かれてるので、余計不憫で(T_T)
ですよね! でもSSを書いて思いましたが、輝非難とSっ気が出て、未沙をそう描きたくなる話でした(笑)。しかし絵が生のままだったら、輝の鬼畜度もかなり減だったカモ。某「ラブ・コンサート」のカイフン「キレイだ。今日のミンメイは、一段と」妙に太って肉の輪郭がズレミンメイ → 「どこがだよ~~!!」状態になってしまいますね。

30年たっても輝への怒りがこみ上げてきますね
いつの時代も、どんな年代から見ても、イカンものはイカンで変わらないですね。早々にコメントを頂き、労いをありがとうございます。ホント苦労したので、嬉しいです。でも今でも整理がつかなくて、ゴチャゴチャなんですが。 e-68「では~」

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