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「SS (二次創作小説)」
超時空要塞マクロス 第二部

Last Flight

11.12.16 (金)

 SS「冬の琥珀」の、数日後です。マクロス・シティもクリスマス仕様で、煌びやかになりました。雪の訪れを予感させる、そんな冬のお話です。



2012.12.18 UP



 軍内の連絡システムが整備され、バルキリー隊から指令センターへの日常報告もメールになった。ゆえに、輝が未沙と仕事中に会う事も激減した。それに彼女は「新・システム移行委員会」の委員長で、運用後の修正や評価の為に多忙であった。

 システム完成後のひと時で取り戻した2人の時間も仲も、こうして再び棚上げとなった。


「 ん? この数値の意味、何だっけ 」

 輝は中隊長室で、自分の隊の訓練計画を検討していた。測定データーを元に、各隊員の心肺機能や視覚 ・ メンタル等のトレーニング内容や、喫煙 ・ 栄養など生活面での改善点などが挙げられている。これが個人メニューとなり、主に屋内で個々人が進めてゆくプログラムとなる。

 一方 輝が作成しているのは、要は実技と隊での訓練内容だ。年内には他の中隊長とすり合わせをして、年明けには各個人に順次説明する予定である。
 

「 ここの小隊長、イライラが出る人だから、下はやりにくいだろうな ―― ふ~ん。メンタル評価で、ちゃんと問題点に挙がってるぞ 」

 輝が全隊員を指導する訳で無く、基本的には小隊長を通す。直接やり取りしたくなる時もあるが、そこはグッと我慢だ。自分の後任となる隊長候補を育てるには、仕事を下に任せなければならない。


「 あ~あ。面倒だなぁ ・・・ 」
「 ははは。ホント、中間管理職はツライよ 」

 思わず出た輝のホンネに、隣の席の同僚が応えた。彼は30歳代半ばの男で、輝が首都パトロール隊に転属した時には、大分世話になった。来た当初、かつてのバルキリー隊との勝手の違いに戸惑った。それを高見の見物や無関心を決め込む者が多い中で、彼は色々と親切に教えてくれたのだ。


「 こうも上からも下からも、丸見えじゃあな 」

 測定データーや訓練メニューは「軍内情報共有システム」を通じて、自分の分を閲覧できる。そこに各人が自己評価を書き、小 ・ 中隊長が客観的評価を加える。サポート・チーム ―― 例えば筋力トレーナーや視覚訓練士、栄養士など、各分野のプロフェッショナルで構成される ―― は、計測値と専門分野からの意見を挙げる。それらを関わる者全てが把握する事で、その時々に最適な訓練を行うのを目指していた。

 その履歴が「共有」の名の元、1隊員である当人から大隊長を始めとする上まで、大勢に閲覧可能である。これでは妥協も誤魔化しも効かない上、他人から見ての分かり易さも要求された。

「 一条、こういうの、イヤそうだもんな 」
「 当たりです。こんな風に机に齧り付いてると、時々放り出してパトロール行きたくなりますよ 」
「 んだな 」
「 あーあ。隊長なんて、なるモンじゃないな 」
「 でもお前、楽しそうにやってるぞ? 」
「 飛行訓練とか隊の組み合わせを考えるのは、面白いです。予想通り上手くいった時なんて、“ よしっ! ” って思うし。でも書類とか報告は、もうウンザリだ。何だか最近、色々と速過ぎて、気が休まらない 」
「 その割に、結構無難にやってるじゃないか。若いヤツは適応が早くて、いいな。俺なんかパソコンの電源切るのも、未だにヒヤヒヤする 」


 最近急に普及してきた Personal Computer は、四捨五入すれば40歳のこの同僚には、少し荷が重いようだ。しかし今回の連絡システムの導入に伴い、中隊長のデスクに各人のパソコンが設置された。 

「 文書作るとかキーボード入力は、アポロで多少やってたんで 」
「 そりゃお前、先見の明があるな。これからはただの飛行機馬鹿じゃ、隊長職は務まらない 」
「 ただの飛行機馬鹿って、なんですか。ヒドイなぁ 」

 輝は同僚に笑って返しながら、本当は溜息つきたい気持ちだ。便利な世の中になったが、仕事も社会も複雑で、分かり難くなったとも思う。自分の立場も取り巻く人も変わり、輝なりに気遣いも増えた。




  ( さむっ! ハラも減ったし、何か温ったかくてウマイもん、食べて帰るか )

 輝はコートの襟を寄せながら、駅前を歩いていた。首都マクロス・シティの陸の玄関は、洒落た石畳で街路を演出している。すっかりクリスマス一色に染まり、イルミネーションの光と浮き立つ音楽に溢れていた。

 酒が過ぎたのかゲラゲラ大笑いする、学生っぽい集団も多い。どことなくウキウキした人波で、通りは賑やかだ。

  ( 金曜って “ 花金 ” って、確か言うんだっけ ―― なのに俺は、明日も会議かぁ ・・・ )


 家にはやる事も話し相手もいないし、持ち帰って書き物するガラでもない。訓練プログラムが思いのほか捗り、つい遅くまでやってしまった。仕事のデキに気分を良くして足を延ばしてみれば、街には自分と同じ年頃のヤツらが季節を謳歌している。

  ( 皆んな楽しい時に、俺ときたら仕事ばっかだ。クリスマスってのは、戦争も休むもんだぞ )


 師走の空気の冷たさに、恋人達の距離は近い。腕を組んで温め合いながら歩く男女の姿が、妙に目に付いた。耳に馴染んだクリスマス・ナンバーが、ムードを盛り上げている。


♪ Last Christmas I gave you my heart ・・・


  ( 未沙も今頃、まだ仕事かなぁ ―― 仕事、だよなぁ ・・・ )

 地球の未来だ、軍の行く末だ。そんな事はここにいる誰も、全く考えていなさそうだ。輝にはもう正直、どうでもよい事のようにすら思えてきた。本当はそんな事はないと分かっているが、普通の若者らしい世界に、ちょっと身を置いてみたい気分なのだ。


 こんな時期では店でも色々と見せ付けられそうで、輝は買って自宅で食べる事にした。寝室で弁当を広げながら、届いたばかりの封書を見る。輝のファン・レーサーと、ミンメイのファン・ライナーの保管を任せている倉庫からだ。



一条 輝 様

定期点検上の異常はありませんが、時々は持ち主が飛ばしてあげてはいかがでしょう。
あなたの飛行機が、寂しがっておりますよ。




 ライナーはミンメイがMiss.マクロスに優勝した時にもらった賞品で、「輝にあげるわ」と言われた。「そんな高価な物は、もらえない」と断ったら、「だって私、運転できないもの」と言い返され、そりゃそうだと納得した。輝が整備 ・ 管理等をして保管し、ミンメイは倉庫代を支払う。彼女に頼まれた時は輝が操縦し、代わりに好きな時に乗ってよい。結局そういう条件で、お互いが納得したのだ。

 当時は「これを口実に、ミンメイを誘えるかも」等と思っていたが ――

「 俺はただの飛行機で、マクロスのどこを飛ぶつもりだったんだか 」


 大戦後のマクロスは軍基地となり、民間の施設は全てシティへ移す事になった。その為にバルキリー隊の格納庫に間借りしていたレーサーと共に、知り合いの倉庫に格安で預ってもらったのだ。

  ( 最近 飛ばすどころか、見てやることもしてなかったな )


 勤務ローテーション表を引っ張り出しながら、オムライスをモゴモゴと頬張る。それでは栄養が不足するから、味噌汁を兼ねた おでんと、サラダも摘まむ。

「 やっぱり、おでんはハンペンだ。でも一番旨いのは、汁なんだよなぁ 」

 デザートは今日頑張った褒美も兼ねて、でっかいアイスにした。最近あちこちに出来た “ コンビニ ” なる店は、色々買えて便利だ。




「 よぉし。いっちょ、飛ばしに行くか! 」

 甘い物で気分を上げた輝は、早速倉庫に電話をして、飛行場の予約を取った。仕舞い込んでいたゴーグルやパイロット・スーツを、物置部屋から引っ張り出す。装着してもヘルメットのような圧迫感はなく、スーツは軍の物とは違う手触り ―― ああ ・・ 懐かしいな …… 。

 また空を飛べる。風を、空気を、直に感じられる。かつてレーサーで大空を駆けていた自分を思い出し、輝の心は今を忘れた。

そう ・・・ 。この時の彼には、それが必要だった。




 未沙は仕事帰りに街へ寄り、クリスマスの買い物をした。両手一杯の荷物とデパ地下のちょっぴり贅沢な夕食に、心ホクホクと帰宅する。それらをダイニング・キッチンのテーブルに並べ、一通り眺めて満足した。

 プロの本格ビーフ・シチューを、こんがり焼いたバケットやサラダと並べる。少々お行儀悪いが食べながら、クリスマスのメニューと材料を書き出した。

「 ケーキはスポンジだけ焼いて、あとは輝にやってもらおうかしら 」

 彼は去年のパーティーの時、「ケーキの飾りをしてみたい」と言っていた。意外と器用だから、もしかすると上手にデコレーションするかも知れない。


 飾り付けは去年より少し大人っぽく、シックにしたい。ファイバー・グラスのツリーは美しく、灯りを落とした部屋ではきっと神秘的だろう。鎖骨が見える、未沙にしては少し大胆な服と、キャンドルの光に映えるペンダント。

  ( ちょっと冒険、し過ぎかしら? ―― ううん。私だって、もう二十歳過ぎたんだから )


 食器を片づけると、未沙は窓辺に立った。カーテンを細く開けると、結露で曇った窓に、向かいの家のイルミネーションが滲む。指先で冷たい窓をなぞれば、去年とデジャブする瞬き。

  ( 今年のクリスマスは、去年とは少し違う日になりそう …… )

 あの時 何を感じていたか、今なら分かる ―― もしかすると輝と私は、一歩踏み出すかのも知れない …… 。未沙にはそんな、不安と高揚の予感があった。




 輝は他の中隊長達とのミーティングを済ませ、格納庫に足を向けた。狭い部屋に籠って使い過ぎた脳を、冷やしてスッキリさせたかったのだ。次々とバルキリーが滑り込んできて、夜間担当に引き継ぎを済ませてゆく。

「 あっ! 」

 下降して来た小隊の内 1機が振らつき、輝は思わず声を上げた。危うく他の機体に接触しかけ、それを避ける為にした無理な動きの為に、滑走路から大きく外れる。そのまま方向転換できず、ついには備品庫に突っ込んだ。


 輝は瞬時に走り出し、周囲の者もみな打ち合わせていたかのように、各々対応した。わらわらと備品庫周辺に人や車両が集まり、救助を開始する。幸い建物には人がいなかった為、ケガ人はパイロット1人だけだった。

「 おいっ、しっかりしろ! 」
「 い、いち ・・ 隊長 ・・・ 他に、誰か ・・・ 」
「 大丈夫だ。よく避けた 」
「 すみ、ま ・・・ 」

 他の者の安否を確認すると、パイロットは意識を失った。数日前に面談し、今後の去就を告げた男だ。ドクター・カー内では医療班が患者を取り囲み、嵐のように処置を施す。


 輝はそれを横目に見ながら、車内電話をかけた。同僚に家族へ連絡を入れるよう頼んだ後、応急処置を終えた医師に尋ねた。
 
「 容態は? 」
「 検査しないと確実には言えませんが、恐らく命に別条はないと思います。ただ、脚が ・・・ 」
「 ・・・・・・ 」
「 これでは、再建も難しいかと 」

 有り得ない形に歪んで潰れた脚を見て、輝は顔を歪めた。例え脚を失くしたとしても、日常生活はそう制約無いかも知れない。最近の義肢の性能は素晴らしく、下肢の欠損で車いす生活を送る者は皆無だった。


―― だが

ぽつん ぽつん ・・・


「 夫はもう、パイロットは無理ですね …… 」
「 ―― はい 」
「 規約を、満たせませんものね 」
「 ・・・ すみません 」
点滴
Last Flight
© 写真AC

 病院に駆け付けた部下の妻に、輝は残酷な事実を告げた。彼女は点滴に繋がれた夫の手を取り、労わるように撫でる。酸素マスクのシューッという音や、規則正しい機械音だけの時間が過ぎた。

 術後の麻酔は30分もしない内に覚めると言われており、彼が意識を戻すまで輝はいるつもりだ ―― この事実から逃げる事など、してはならないと思う。


「 あなた ・・・ 」

 青褪めた瞼や指先がピクリとした後、睫毛が薄く上がった。まだ焦点が結べない眼を、ゆっくりと妻に向ける。

「 あなたは手術を受けたの ―― 脚の。ケガが酷くて ・・・ 。 酷くて、それで ・・・ 」

 言葉を詰まらせる妻に応えるかのように2度まばたきすると、彼は再び目を閉じた。妻はナース・コールを押すと、夫が目覚めた事を告げる。やって来た医師が話し掛けると、わずかに首だけで答えた。身体のあちこちに繋がれた管が、まるで彼をベッドにはりつけにしているかのようだ。


「 鎮痛剤を投与したので、明日までお休みになられます 」

 医師にそう説明され、輝は部下の妻と病室を出た。待合室には彼の子供がいて、祖母らしき女性と本を読んでいる。それを彼女は遠目に確認してから、輝に言った。

「 今日はもう、お帰りになって下さい。遅くまで、ありがとうございます 」
「 また明日、伺います 」
「 いいえ。何かあれば私の方からご連絡させて頂きますので、結構ですよ 」
「 でも、その ・・・ 脚の事とか、説明しないと 」


 彼女は輝の胸元に落としていた視線を上げ、少し驚いたような顔で見た。

「 それは、家族が言うべき事ですから 」
「 あっ! す、すみません。出過ぎた事を言って。でも今後の事とかも、ありますし 」
「 多分、もう夫も分かっていると思います。私からも、言っておきます 」
「 でも、その ・・・ 責任がありますし 」


 輝は掻い摘んで、先日の面談の件を話した。

「 僕は隊長として、あの時に辞めさせるべきでした。危険だと、分っていたのに ・・・ 」
「 全て夫が、自分で決めた事です。一条隊長が責任を感じる必要なんて、無いんですよ 」
「 いえ、でも ・・・ 」
「 この仕事です。いつ命を落としてもおかしくないと、私達はずっと思ってきました 」


 彼女はそこで、待合室へ目を向けた。我が子に向けるには厳しい表情のまま、後を繋ぐ。

「 ―― 子供も子供なりにですが、解っています。自分の父親が、どんな仕事をしているのか 」
「 ですが ・・・ 」

 大人しく待っている子供を、輝は力なく見ていた ―― 本を読む声の拙さに、胸が痛む。そんな彼を見ていた母親は、表情を和らげて言った。

「 隊長さんと聞いたので、もっと御年配の方を想像していましたが。随分と、お若いんですね 」
「 え ・・ ああ。すみません 」
「 ふふ。非難している訳じゃ、ないんですよ。ただ、そう思っただけで 」
「 いえ ―― その、すみません ・・・ 」

「 主人が、あなたの事を褒めていましたわ。“ 堅実な操縦なのに、光ってる ” って 」
「 ・・・・・・ 」
「 私にはよく分かりませんが。主人はあなたに、憧れていたのだろうと思います。いい年をして、少年みたいに 」
「 いや、俺は ・・・ そんな ・・・ 」
「 今回の事は私達の問題であって、隊長さんがお気に病む事ではありません。どうかこれからも、夫がなりたかったパイロットで有り続けて下さい 」


コトッ

 
楽天市場


「 お疲れ。まぁ、飲め。どっちにする? 」
「 あ ・・ どうも 」

 輝が中隊長室に戻ると、隣の席の同僚が缶コーヒーをデスクに置いた。事の次第は電話で伝えてあり、彼は帰りを待ってくれていたようだ。不在を請け負った間、特に問題は無かったと報告された。

 そして輝の肩を叩き、言い聞かすかのように ゆっくりと言った。

「 誰も巻き込まなかったし、何より命が無事だ。良かったな 」
「 ―― はい。でも、これからを考えると ・・・ 」
「 ああ。奥さん子供が、いるんだっけ 」
「 それも、そうですが。パイロットは、もう ・・・ 」
「 無理だな 」
「 ええ ・・・ 」


 輝は缶に目を落としたまま、新型可変戦闘機開発チームの副主任の話を思い出していた。彼は元パイロットで、年齢的な限界から引退したのだ。


―― 最初は「あれ?」とか「おかしいぞ?」、と思うんだ。 何故だろうと考えると、いつもと同じにやってるのに、わずかに足りない。 意識してやらないと、出来ない。

 そんな感じの事が続いて、ある日ふと気が付く。「俺は年を取ったんだな」、と。「まさか!」 、と思う。「そんなハズない」 、とも。そうして いつの間にか、「やっぱり」と思う。

 それから色んな物と天秤に掛けて、俺達は戦闘機乗りから降りるのさ ―― ・・


 彼のように、別の部署で軍に居続ける者もいる。新しい空を求めて、民間の門をくぐる者もいる。誰もいつか、何かを、必ず選ばなければならない。

 しかし、あの人は ――

「 もう飛行機には、乗れなくなっちまった 」
「 ―― 一条。 彼は年齢的に、先は長くなかった。今回の事で、すっぱりと諦めがつくかも知れない 」
「 そんな ・・・! 」
「 俺も、他人事とは言えない年だ。引退をいつにするか。その後どうするか ―― 最近よく、考える 」
「 ・・・・・・ 」

「 どこまで足掻けるか。どこまで家族に甘えて、男の意地を張るか 」
「 え ・・・ ? 」
「 家内は、いつも整備服を綺麗にして、 “ 力が付く食事を ” と協力してくれる。でもアイツは内心、いつでも心配なんだ。 戦闘機乗りの妻は、みんなそうだろう 」
「 ―― でしょうね 」


 未沙はいつも、輝を心配している。不安に思っている。彼女が言わなくとも、輝には分かっていた。

「 今回の事故は、下手をすれば死んでいた。それに誰かを巻き込んでいたら、心に深い傷が残る 」
「 ええ 」
「 だから、上等さ。20年近く馬鹿みたいに苦労して、戦闘機に乗ってきた。今更他なんて、考えたくない。でもいずれ、別の生き方をしなければならないんだ。だがらせめて、自分が納得いく終りにしたい 」
「 はい 」
「 事故を起こした奴も、“ まだまだ ” なんて言いながら、自分の引き際を考えていたろう。女房子供がいるから我儘できないが、だから自棄にならずに頑張れるさ 」
「 ―― はい 」


マクロス周辺の遊歩道


 輝は疲れ切った心と体を押して、中隊長室を出る。寒さに震えて足早に家路を急ぐと、基地周辺は光の街路樹で囲まれていた。ぼんやりと上を見ながら歩くと、輝の歩調に合わせて瞬く。冬の澄んだ冷たい空気が、輝きを奏でているかのようだ。


I gave you my heart ・・・


 漠然と「先のこと」としか考えて来なかった未来が、重い現実感を伴って存在していた。


―― なぁ、未沙 ・・・

ただ空を飛べれば、それで良かったんだ
なのに、どうして戦闘機なんて乗ってるんだろうな

君と空さえあれば、俺はそれでいいって思うんだ


おわり

あとがき
色々思い ・ 色々あって、迷う輝。落ち着いて仕事をこなし、きちんと楽しみも用意する未沙。そんな2人が、いよいよ物語のクライマックスに向かいます。


A Robot
christmas season
BY marqos 2009

 クリスマスに聴きたい歌ランキングの、上位常連ですね。
失恋の歌ですが、途方に暮れて未沙を求める、輝の孤独な心に重ねて頂ければと思います

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 Comment 

Re: 「未沙のドレス姿是非見たい〜」様 

こんばんは。見たいですねー (^^) 「鎖骨が見える服」とは、どの程度開いてるのでしょう。未沙の事だからヤラしさなど無い、さぞ清純な見せ方でしょうね。そのドレス未沙表紙は、82年のTV版小説下巻ですね。ご存知かも知れませんが、ウチでも掲載しております。

→ ちょこっと宣伝 記事「超時空要塞マクロスTV版は、いい」 http://nyaoa.blog.fc2.com/blog-entry-30.html

おっしゃる通り「エレガント」で、オトナの色気も醸していますよね。未沙ドレス姿なら、男女ともクギ付けでしょう e-349 美しい女性には、同性でも目が行きます。

彼女なりの気持ちを表した勝負服
もしかすると「もし求められたなら、夜を一緒に過ごしてもいい」くらいの気持ちだったカモ ・・・  ―― それなのに ・・・ ! な、ワケです e-68 「ちゃんちゃん!」

シリアス路線はまだ×2続くので、多分イカレた小噺も続くと思います ・・・ 。足して2で割ってマトモ、位の大らかさで受け止めて頂ければ e-441

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Re:拍手コメ「大爆笑しました!」様 

こんばんは! 拍手小噺「親友の境界線」にウケて頂き、良かったです。きっと あまみ様は、OKカモーンかと思っていました(笑)。イラストの「かなりキてて、ヤバいマックス君」を、捧げます e-398

初代ってBL聞かない
あの時代、少女漫画ではBLが多少あった気がします。ちょい後のキャプテン翼の同人は、ヤオイですごかった。初マクはスポ魂のような男同士の熱い何かが無い、ゆる~いノリだった為でしょうか。

カップリング傾向
マクヒカ(下剋上カプ)
フォッカー×輝(先輩後輩カプ)
柿崎君 ネタとしてはアリ
マックス君は両刀、幼少時代はショタ受
一条先輩は・・・総受けしか浮かばない。。。 ガンバレ一条先輩 !!

↑ こう来ましたか(笑)。マックス幼少時代は、考えなかったなぁ www。さすが! 輝はもう、こうですよねぇ・・・。ヴァネッサ腐女子説(笑)。3人のうち誰かは、ソレっぽいです。では~ e-68

ありがとうございます 

惚れたほうが負けですね。
了解しました。納得です!ありがとうございます。
公式にはメガロードに乗っていますから、船内のVIP官舎でいちゃいちゃ、LOVE2、三昧でしょうか。
いちゃいちゃさせるためにもSS書きますが(笑)

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全角・半角の空白が全て、半角になり、全角一マス空けることが認識しません。

レスは不要ですよ。
面倒なので非公開にしません。

Re: 「超 シリアスですね」様 

こんばんは! もうすぐ原画展ですね。

輝は急速に大人にならざるをえなかった
河森氏?美樹本氏?が関連本で、輝を「飛行機以外の事では受動的な性格にした」とあるように、彼は今まで自分ではどうしようもない事態に流されて、ここまで来ていた。それが初めて自分から選ぶ段階になったのだろう、と思います。

鬼畜なんて、言わないよ
輝~。ヨカッタねー! ( ´∀`)人(´∀` ) 河森氏の空白の二年間がTVでも描かれれば、第二部の言動も理解を頂けたでしょうね。

みりまち 最高でした。未沙も美しい
ありがとうございます。私の脳内では、未だアレらが無理と無茶を繰り広げております。SS「冬の琥珀」未沙、お褒めを頂き嬉しいです e-446

またご都合宜しい時に~ e-68

Re:「 BL素敵です(笑)」様 

だって、輝のこと好きなんですもの
そうそう。未沙はきっと、今頃そう言っています。'12年のクリスマスは、ラブラブのはずですよネ

ミンメイのマフラー事件
私なら「惚れた方の負け」で、聞くに聞けずウジウジしてそう。ミもフタもなく言えば、年齢がいってたらハッキリさせようとする、かな? 未沙も我慢しそうな気がします。自分よりミンメイと会うのを優先したと、知ったか否かも大きそうです。知ったなら、輝に気持ちを確認しそうな気もしますね。「ウジウジ君が悪い!」ウジウジ君(笑)。私もウジウジ君が、不利だと思います。

クローディア「分からなかった? 気付かなかった? ―- だからボウヤなのよ」

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「全角・半角を認識しない」 となると、モジ化けして読めなくなるのでしょうか。
「管理コメントは、閲覧機能と削除しかない」、「文字が拡大出来ない」んですか。

ブログを3Gで閲覧すると、かなり時間がかかる
なるほど。PC閲覧推奨サイトなので、モバイルはオマケと言う事で妥協いただけると 今の装飾レベルのままで改善する方法があれば、対応したいですね。こういう事実があるのを知っておくのは、良い事だと思います。教えて頂き、ありがとうございます。

Twitter にゃおサン
拝見してみました。あはは・・。大分ノリが、私と違いますねー(笑)。Fがお好きなのかな?

コミックマーケット83
行かないです。観察軍(笑)強行突破でレポ出来れば楽しいし、行けない方々にもご報告出来るのですが。「おじさん、いけないルージュマジックで」って、あった ・ あった! 「おじさん」が付くと、ほよーんとしますネ。

BL 薔薇族ですね
ええ、薔薇族です。竹宮恵子さん、調べました。拍手小噺「親友の境界線」をお読み頂き、ありがとうございます。「え~~!? 有り得ない~」とか言っていたクセに、手を出しました。聞いていた2人は、マクロス・キャラです。正体は機会があれば (^^ゞ

ゼントラの性の考察
いいですねぇ。ぜひ珍説を期待しております。

ノロでしたか。点滴、可哀そう・・・。ウチの子も3歳位の時、肺炎なりかけでやりました。今でも注射を見るだけで、泣きます。治る為だけど、痛々しくて可哀そうですよね。治ったら、頑張ったご褒美でしょうか。では、したっけ(「じゃあ」ですね?) e-68

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Re:「非公開コメに」様 

前2コメを新しい1コメ(この下)に転載し、削除致しました。パスワードは何某様のハンドル・ネームを、ローマー字です (^^ゞ 「任務完了!」

輝は聖母未沙の愛に包まれるのが、一番のリラックス
ですよネー  彼なりに男のプライドみたいな気持ちがあって、今までのように素直に吐露できない状況です。この辺を振り切る36話以降は、きっと反動で「未沙未沙」と強く求めるのでしょう。それで未沙は、輝を抱き締めてくれると思います。ムフフ・・ e-440

狭い場所に閉じこもると、本当に落ち着きます
聞きますね~♪ そして分かります。壁際に着きたがったり布団にもぐり込むのは、密着による安心感だか攻撃されない部分を求めてらしいですね。

輝は責任感も強く、優しいヤツですが、色々なものを抱え過ぎて、ちとかわいそうな気も
ですか(笑)。← ヒドイ  追い詰め気味に描いているので、そう言って頂けると嬉しいです。気質的には、軍人なんて本当は合わない人なのでしょうにね。輝は現場にいてしまったので、直接対応になってしまいました。大隊長(詳細ナシ)がヘボ過ぎて、アテにならないし(笑)。当初は彼をもう少し冷静に描いてましたが、少々冷たい気がしたので、修正時にやや取り乱し気味にしています。

批判とは受け取りませんヨ。ただの感想や意見の違い、アドバイスと取るようにしています。だから逆に批判でも、気が付かないカモ(笑)。明らかな悪意があれば思いますが、あとはお相手の方の人柄を信用したいと思っておりますので。逆に何某様も私が多少カチンとくる事を申してしまっても、私が批判している等と受け取らないで頂くと、安心してお付き合いが出来ます。つまり「信頼関係は、信頼しようとする意志から生まれる」、という訳ですね。

FC2ブログと、iPhone ・ Googleの相性悪く不都合多々
iPhone ともですか。Google とは確かに悪いですね。Amazon のウェジェットの件でFC2サポートに以前問い合わせた時、「GoogleがFC2に対応していないので、Google に言って欲しい」みたいな返答を頂いた事があります(ちゃんと状況確認など、FC2なりには対応して下さいましたよ)。更新が出来ない過去記事が最近あって、更にミス・マッチが進んでいると見ています。

Twitter でにゃお さんがいらっしゃいますが
私ではありません。へぇ~。マクロス・ファンの、にゃおサンですか! 「にゃお」って多いみたいで、大抵のニックネームに登録済みで使えないんです。

ノロ・ウイルス、流行っているらしいですね。ウチでも昨晩コドモが下痢になり、「ノロかも知れないから、よく手を洗いなさい」と言って聞かせました。 e-68 「コドモちゃん、お大事に~」

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Re: 「苦悩」様 

レスは不要との事ですが、このSSの補足と、私がより楽しむ為に一筆させて頂きました。

あぁっ、残念!
応援頂いていたのに、お応えできずにすみません。でも当初亡くなるハズだったのを、変更しました。輝が退役したがるのも無理はない事情を描きたいが為に、行き過ぎなくて良かったと思っています。ありがとうございます。

ハンス・ウルリッヒ・ルーデル
読んだ「アンサイクロペディア」( http://ja.uncyclopedia.info/wiki/%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%83%AB%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%92%E3%83%BB%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%87%E3%83%AB )の胡散臭さと大袈裟加減が私の性分に合っていたのか、非常に面白かったです。

「朝起きて牛乳のんで朝飯食って牛乳のんで体操して出撃して昼飯食って牛乳のんで出撃して晩飯食って牛乳のんで出撃してシャワー浴びて寝るという毎日を送ってたら、何時の間にか戦車519両を撃破し、世界最強の戦車撃破王になっていた」に(笑)。

「被撃墜王」という意味では輝を彷彿とさせますが、無茶苦茶だけど「空を飛んで敵を落とす」1点に集約された言動が、ミリアを思わせました。もう、可笑しくって・可笑しくって。ここまで来ると「飛行機馬鹿」というより、もう「飛行機変態」の域なんでしょうね。

戦闘のようにアドレナリンがバンバン放出される状況だと、人体の常識を超えるらしいとは思っていましたが、ここまでとは。戦闘が絡む話は、リアルさと物語としての演出のバランスが見えなくて怖々なんですが、少し指針を頂いた気がします。

全身麻酔から覚めた時には、いきなり話をするのは難しい
でしたよね! 頭はボーッとするし体は重いしで、自分が話せる事にすら思い至らない感じ。試しに直してみたら、描きたい点は表現できるようでしたので、少々修正しました。コッチの方がしっとり感が出たかも。アドバイス、ありがとうございます。

隊長職って大変だなぁというのが実感できる、重い話が続いて
もう私も疲れてしまって。軍内の連絡や育成のシステムとか輝が成長してゆく部分とか、妄想するのは楽しいのですが。それを文章にすると、説明的だったり知識が足りなかったりで、小説としては武骨で浅くなってしまうんです。「こんなときに未沙に暖めてもらう輝を期待しちゃいます」私も~ e-68 です。もうソッチが、書きたくて ・ 書きたくて。

空があればいいというセリフには、早乙女アルトを思い出しました
そう言えば、そんな事を言っていたかも知れませんね。アルトは飛ぶ事に強い想いが描かれている点が、良かったと思います。輝も本当はそんな気持ちがあると思うのですが、余り描かれてない気が。それこそ未沙(恋)そっちのけエピソードがあっても良いと思いますが、TV前半の「仕事より、飛行機より、ミンメイ」しか無くて残念。テスト・パイロット時代のSSで、「恋より飛行機」の輝が描けたらと思っています。

一筆じゃナイですね ・・・ 。いつも感想や情報を、ありがとうございます。楽しく拝見しておりま~す e-68

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