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白い薔薇によせて



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倉庫 (改訂前記事など)

【旧版】 第28話 MY ALBUM ~side 未沙~

書き方の変更に伴い、改訂前を残しました。頂いた拍手28(コメレス0)は「改訂版」に引き継いでおります(現在作業中の為、非表示です)

アルバムを見ている時の未沙の表情が細やかで、音楽にも気持ちが出てますね。

彼女の心情を想像してみました。

輝と未沙の幸せな若夫婦、お宝映像です。未沙タン、本編で実現させてあげたかった…。
2011.6.11 UP
改訂に伴い、倉庫に保管


マクロス・シティのある宿舎から、「私の彼はパイロット」の楽しそうな鼻歌と水音が聞こえる。今日非番の未沙は、輝が定期パトロールに出かけた後で、輝の宿舎に掃除にやってきたのだ。それは、彼女にとっては、日課のようになっていた。きっと出掛けに急いでいて洗えなかったのだろう食器が、洗ってキュッキュとなるのが気持ち良くて満足する。

「よしっと。今度から掃除代もらおうかしら? うふっ、無理ね。頼まれてもないのに私が勝手にやってるんだから。」

続いて、いつものように寝室に入る。パジャマ代わりのスエットが脱いだままになっていた。

「うふっ、相変わらずねえ。」

未沙は子供の頃から母親に家事をしつけられており、全く苦ではなかった。何となく散らかってしまうらしい輝の部屋を綺麗にするのは気分がよい。彼女にとって、恋する輝の世話をやくことは、楽しい事だった。
ベッドを直していると、テーブルの上に白いアルバムがあるのが目に留まる。何の気はなしにめくると、ブランコに座るミンメイの後ろに輝が立っている写真があった。

「あぁ…。」

未沙の目が曇る。思わずアルバムをめくってゆくが、全てミンメイの写真だった。アイドル時代のブロマイド風のものから、歌手になる前だろうか私的なショットもある。どの写真も、表情豊かで生き生きしている。未沙の気持ちはますます沈んでいく…。

(本当に素直で、…可愛らしい子なのね…。)

面倒臭がりの輝のくせして綺麗に貼られている。最後は、噴水の前で制服姿の輝の腕にミンメイが甘えるように抱きつき、寄り添っている写真だった。今よりちょっと少年っぽい輝と、無邪気なミンメイ。彼らがどう付き合っていたのか、そんな二人を直接見たことはなかったが…。

(お似合いの恋人同士ね…。)

輝は優しい表情をしていた。彼は彼女を可愛く思い、大事にしてきたのだろう。そんな二人がひどくまぶしいのは、噴水のきらめきのせいだろうか…。
未沙がそっとアルバムを閉じて、思い切るように振り返ると、部屋の壁に貼はミンメイのポスター。一瞬見つめた未沙の瞳はすぐに弱々しくなり、口元にも言葉にならない寂しさが滲んでいた。



「ん…もうっ!」

未沙は輝の家を出ると、乱暴にドアを閉め、鍵をポストに入れ去る。部屋の中では、ミンメイのポスターが逆さに貼りなおされていた。



未沙は喫茶店「NIAGARA」で気持ちを落ち着けていた。

「はあ。あいつ、ミンメイを忘れられないのね。でなかったら、いつまでもあの子の写真やポスターなんか…! あ。」

向かいの通りを、ベビー・カーに赤ん坊を乗せた、マックスとミリアが歩いている。 マックスはミリアの肩を抱き、ミリアと楽しそうに話していた。二人で仲睦まじくベビーカーを覗き込むと、マックスがコミリア抱きあげた。思わず、その姿を輝と自分にだぶらせてしまう。自分達二人の子供を、嬉しそうにあやす彼と微笑み合う私…。
その幸せな光景は、ミンメイの「私の彼はパイロット」の大きな音により、立ち消えてしまった。店に来た2人づれ軍人が、ステレオを持ちこんだのだ。
未沙は居たたまれなくなり、席を立った。



気持ちを切り替える間もなく、指令センターに呼び出された。通信でビヨン・シティに向かっている輝と話し、思わず強い口調になる。

「隊長みずから任務を放棄してるって、どういうこと!?」
「あ…、あれ? 休みなのに呼び出されたの?」

のん気な返答にイライラする。

「質問に答えて!」
「ん、ちょっと、人に会いに行ってたんだ。まさか武器を持ちだすまでエスカレートするとは思ってもみなかった。」
「誰に会いに行ったかは、想像がつくわ!」
「えっ?」
「とにかく急いで。任務を一時でも私用のために放棄するなんて、隊長失格よ!」
「なにツンツンしてんだよ!」

未沙は、乱暴に通信を切った。腹立たしさが治まらず、前髪を払い上げ、思わずコンソールにも当たってしまう。傍で見ていたヴァネッサも、未沙の反応に納得の表情だ。

「私だって、ああいう態度とるわよね。非番のときに呼びだされたら。 」

本当の理由はちょっと違っているのだが…。
任務うんぬんより、ミンメイに会いに行ったことに憤りを感じてしまう自分にも、未沙は気を落とす。指令センターの第一セクションから、目をぼんやり遠くにやる。

(やっぱりアイツ、ミンメイの所に…。あの子のことになると、任務もそっちのけなんだから。)

そんな彼女の姿は、しかしながらキムとシャミーには、自分達のおしゃべりを咎めて睨んでいるとしか見られなかったが。



先程より、大分気持ちが落ち着いてくると、輝の様子が色々気になってくる。丁度グローバルからの伝言があるのだ。…通信で伝えればよい話なのだが。輝が帰還するのを滑走路の端で未沙は待っていた。こちらに向かって歩いてくる彼は、やや表情は硬いが、怒っているようでもなければ、良い事があった風でもないことに安堵する。そうなってくると、今度は気まずいながらも、つっけんどんな心持ちにもなってくるから、自分でも嫌になる。

「隊長失格って、もう一度言いたそうな顔ですね。」
「別に。」
「ヘンですよ、さっきの少佐は。」

グローバルを使って話を反らしつつ、一番気になっていたことを、ためらいながらも聞く。

「それで…、ミンメイに会えたの?マネージャーのカイフンと、いまグランテにいるって聞いたけど。」
「会うことは会ったけど、話はしなかった。遠くから見ていただけさ。」
「どうして話さなかったの?」
「そんな雰囲気じゃなかったんだ。」
「なにかあったの?」
「別に!」

ついしつこく聞いてしまったか…。輝の後ろから付いて歩きながら反省する。しかし意を決して駆け寄り、輝に封筒を少々押し付け気味に手渡して、そのまま指令センターのほうへ足早に歩く。

「ん、何これ?…ええっ?」

未沙は何も言えずに走り去った。



その晩、未沙はドレッサーに座り、ペンギンの縫いぐるみ( 脚注1 )を膝に抱き、その頭に頬をすり寄せながら、自分と輝のアルバムを見ていた。輝のアルバムに未沙の写真は一枚もなかった。今まで二人で撮ったことなど、何度だってあたのに!きっと、お菓子の箱の中にでも放り込んでいるに違いない…。

「私はちゃんと綺麗にとっておいてるのに…。輝はミンメイばっかり。」

写真の輝の髪を指で優しくなぞる。ちょっと拗ねた気持ちになってきて、ペンギンのくちばしをギュッとつねるが、慌てて離してさすった。

「第一、ミンメイはカイフンと恋人同士なのよ。それをアイツったらいつまでも、ミンメイ、ミンメイって!確かに彼女は可愛いけど、私だって…。」

鏡に映る自分は、少し目の周りと鼻の先が紅潮し、いつもより更に冴えない気がする。目を反らし、ため息を漏らした。輝は写真を撮ってくれたことはあったが、未沙一人だけの写真など、一枚だって持ってないだろう。自分では可愛く映っていると思ったものを、思い切って渡したのだが。
…勢いでやってしまったとも言う。今更ながら後悔した。

「少しは私にだって、…可愛いって言ってくれる位いいじゃない。」

逆さに貼ったポスターは、自分の気持ちを知って欲しい…、いや気付いて欲しいい未沙の、幼いお願いだったのだ。


         酒ペンギン


注1「ペンギンの縫いぐるみ」…手芸好きの未沙が作った、自慢の一品。何となく一途そうな、頑張ってるような表情が、不憫なような可愛いような…、と手放せない。ちょっぴりメランコリックな気分になっちゃった時、抱っこしたり撫でたり、話しかけたりする。キスまでしちゃってるかは秘密(きっとしてる)。誰も知らない未沙の奇行。


つぶやき

輝&ミンメイの噴水前の写真は、くやしいがすごくよくとれていると思っていた。

ペンギンの名前とキャラ設定に迷う。

あのピンクのペンギンのちっちゃいのが、何羽も横並びしてパタパタヨタヨタしているパラパラアニメを入れたい。いずれチャレンジ。

未沙SSは、ペンギンと戯れる場面で終わるパターンにしたい。イメージは「クレヨンしんちゃん」の飲み屋の場面ふう。ウチの未沙は、輝よりギャグ要員にしてしまいそうな予感。

「押しかけ未沙」は家事の達人。その辺の詳しいネタを別の話でやりたい。

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