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「SS (二次創作小説)」
空白の二年間

行く年 来る年 ナニかある年



 大晦日 ・ お正月ネタです。2010年の、輝がアポロから帰って少したった頃のお話です。

2012.1.1 UP




 今日は12月31日で、輝と未沙は当直であった。未沙は家族や恋人がいる者に休みを譲って、「上に立つ者は部下が嫌がる事も先頭にたってやるべき」と自ら勤務を申し出た。輝はテスト・パイロットなので当直はないはずだが、パトロール隊のマックスが「シフトが組めない」とウンウンしているのを見て、手伝ってやる事にした。

 連休中は通常の当直よりも体制が薄い。しかもイベント事に興奮したゼントラーディ人が酔って暴れる可能性が高く、勤務できる力量の者は少ない。未沙は「大晦日を他部署の者に任せるなんて」と物申しに行こうとしたが、「別に用もないし 」と止めたのだ。


「 未沙ぁ、来たぞ~ 」

 輝は照明が半分落され人の気配がない指令センターを、キョロキョロ眺めながら進む。休憩時間になったら来るように、未沙に言われていたのだが。

「 こっちよ 」

 休憩用の小部屋から彼女の声がして、輝は指令センターの奥へと進む。入るとテーブルの上にタッパーが幾つか置かれていた。未沙がレンジから出して容器を開けると、いい匂いをさせて煮しめが現れる。次々と開けられるタッパーからは、栗きんとん ・ 伊達巻 ・ 松前漬け ・ 白菜のおしんこ ・ お握りが出てくる。

「 ちょっぴり早いけど、おせちを食べながら年越ししましょ? 」
「 いいね。旨そ~ 」
「 あ、輝ったらエ ・ リ! 」
「 いいだろ、別に。休憩中なんだし 」
「 うん、もう。あとでちゃんと留めてね。ダラしない人、キライよ? 」
「 ハイ ・ ハイ 」
「 じゃあ、たーんと召し上がれ 」


 未沙が正月用の箸袋に入った竹箸と、はまぐりのスープを輝の目の前に置いた。飾り切りされた煮しめはそれぞれの具が色で鮮やかで、他のメニューもツヤツヤ色取り取りの豪華夜食だ。

「 ウマイ! おせちってベタベタして甘いかしょぱいかで、マズイもんだと思ってたよ 」
「 ふふ。子供にはそうかもね 」
「 なんか言った? ・・・ まあ、いいや。ご馳走にありつけたし 」
「 そんな大した物じゃないわ。たくさん作ったから、あんまり色々は作れなかったのよ 」
「 たくさん? 」
「 これ、他の当直の人達にも持って行ってくれる? 」


 三段重やタッパーにはおせち料理がたくさん盛られており、これなら明日の日勤者の分まであるだろう。

「 大変だったろう? 」
「 ちょっぴり、ね。でも人が休んでる時に働くんですもの。この位の感謝は示さなきゃね 」
「 みんなきっと喜ぶよ 」


 以前は "鬼" と呼ばれた早瀬少佐は、「最近ちょっと柔らかくなった」とパイロット達に言われるようになっていた。

「 そうそう。俺もご馳走しようと思ってさ、さっき買って来たんだ 」
「 え? わざわざ遠回りして売店まで行ってくれたの? ありがとう 」
「 今日は寒いから、旨いと思ったんだ 」
「 何かしら …… ? 」
「 はい、ドーゾ 」

かっ、かわいいー! でも ――

「 食べ物としては " どうなんだ " ってカンジだけどさ。まあ話のタネと思って、食べてみなよ 」
「 こんなに可愛くちゃ、食べるの可哀想だわ 」
「 ダメダメ。袋に入れたままにすると、ミイラみたくシワシワになるんだ 」
「 それもイヤね。中は何かしら? 」
「 青いグミだったりして 」
「 ビジュアル的には合いそうだけど、食欲出るかって言えばちょっと … ね 」


未沙は可愛い可愛いと言いつつ流し台に持って行き、包丁をズブリとぶっ刺した。


包丁がモロ入りのスライムまん



うぎやぁ ~~~ !


 輝がまんじゅうの代わりに、額を押さえて悲鳴を上げる。「やめてくれぇ~」「ヒドイ~」と続ける彼に対し、未沙は笑いながら スライムまん を更に十文字に切り割く。


ついに分裂スライムまん


「 未沙って何気に野性的って言うか、残酷だよな 」
「 何がよ 」
「 手で包丁切るし、目玉に指突っ込むし、内臓引きずり出すし、火ぃ吹くし 」
「 そんなの当然じゃない 」
「 女ってコワッ 」

 ちなみにコレらを輝にしたのではなく、「手の上で豆腐を切って」「イカの目玉を出し」「魚をさばいて」「ワインのアルコール分を飛ばした」だけだ。料理を手伝っていた輝がいちいち「うわ~~!」と騒いだので、何の事を言っているのかすぐに分かった。

よく ケンカ 意見を戦わせ共に過ごす事も多くなった2人は、いちいち説明しなくても相手の気持ちや言いたい事が分かるようになっていた。


「 お料理するなら、あんなの当たり前よ 」
「 俺んちじゃ、あんな事するようなモン作らなかったからなぁ 」
「 お父様は、どんな食事を作って下さったの? 」
「 んー? カレーとかラーメンとか、すき焼き? 」
「 ふふっ。ちゃんと家庭の味ね 」
「 単に他に作れるモンがなかっただけじゃない? 文句は言えなかったけど、本当は他の家みたくロールキャベツとか、凝ったモンも食ってみたかったな 」
「 確かに凝ってはいないかも知れないけど、みんな子供が好きそうなメニューだわ 」
「 ・・・ そうか 」
「 あなたに美味しい手料理を食べさせたくて、始めは本とにらめっこしながら作っていたのかもね 」
「 親父 …… 」
「 いいお父さんね 」
「 ああ 」

 輝は手の中のお握りを、じっと見つめた。そうしないと鼻水が出そうだ ―― うん、コレは鼻水だ。

「 いつも当たり前に喰ってたけど、ちゃんと "美味しい" って言いたかったな 」

輝はひと言いうと、それから無言でガツガツ食べて、食べ終わる頃にはいつもの彼になっていた。


「 喰った ・ 喰った。んじゃコレ、ホントにもらっていいの? 」
「 ええ。勤務している人達に "お疲れ様" って言っておいてね 」
「 ああ ・・ あっ! もう2011年だ 」
「 そうね。明けましておめでとうございます。本年もどうぞ宜しくお願い致します 」
「 明けましておめでとうございます。こっちこそ、今年もよろしく 」

 2人でイスから立ち上って、新年の挨拶と共にお辞儀をし合う。日本人なら当たり前の礼儀作法で、輝はこんな部分まで未沙となら自然でいられると思う。





 退勤後は輝が未沙の家におせちの残りを食べに行く(まだ喰うんか!)為、いつもの場所で待ち合わせをした。約束をした後「また後で」と言えばここに決まっており、輝は未沙と話すと言葉少なでも通じるので気遣いなくて楽ちんだ。

「 遅れてごめんなさい? 帰りにマックス君に呼び止められて 」
「 何かあったの? 」
「 おせちのお礼をしに、わざわざ来てくれたのよ 」

―― 「折角の年越しに、一条さんをお借りしてすみません。でも2人仲良く勤務だったんですね」とも実は言われたが。


「 あいつもミリアが家にいるから、本当は休ませてやりたかったんだけどなぁ 」
「 彼女ひとりじゃ、心配よね 」
「 " マックスすまん。寒くてストーブを付けたら、家を燃やしてしまった " とか本気で言われそうだからな 」
「 ―― やりそうね 」

 ミリアは出産を2月に控えて「頼むから休んでくれ」という周囲の懇願をものともせず、未だ勤務している。もちろんバルキリーには乗らず主に新人の育成を担当しているが、当直は当然させられない。


「 そう言えばマックスのヤツ、"僕は今は日本文化に興味があって、今年は年賀状って物を出しました" って言ってたな 」
「 なら今頃届いてるわね。私の家にもくれたかしら 」

 未沙の家のポストには既に年賀はがきが入っていた。昨年は " 地球壊滅 ” の年で、本来は「おめでとう」ではない。しかし 「そんな年でも明けるんだから、今後は未来に進んで行ける」という気持ちから、年賀を出す人が多いとニュースでやっていた。

「 あ、マックス君のがあったわ 」
「 どれどれ? 俺も見たい 」

  「 「 ・・・・・・ 」 」




「 アイツ、なんかカン違いしてないか? 」
「 文化って … 一体何を見たのかしら? 」
「 また誰かミリアに妙なコト、教えたんだな 」
「 マックス君まで 」
「 結局あいつら、似た者夫婦なんだよな。にしてもナニ考えてんだ? 」


 輝は「今年も波乱に満ちた年になる」と思い、ため息を吐いた ―― ご存知のように、実際そのとーり。


おわり

あとがき
今年は大変だな、輝。「取り合えず1月1日に何かしたい」と、文章は下書きなしの一発書きでした。何とか1日の間に出せた! (後で見たら誤字・脱字の嵐でビックリ)。

イラスト
年頭のご挨拶画像は “軍服エリ開き輝を見たかった” 編。ミリアは髪の流れを出すのが面白かったのですが、掲載したら「全然ワカラン!」でザンネンな状態に。ちょっと絵柄や書き方のヒントが得られた気がしますが、途中から疲れてイヤになってイイ加減に(マックスは本当は銃を持ってたはず)。

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 Comment 

Re: 年賀状 

敦賀谷バボ様、こんばんは ( ・∀・)ノ

マックスandミリアのコスプレ、目に留めて頂きありがとうございます。
天才な彼等ですが、外国の方が浅草にお越しになった時の感覚です。

e-68「では~」

NoTitle 

メッセージをどうぞ
おろっ?年賀状のマックスが
齋藤に見えるで ござるよ~
ミリア・・・キセル煙草は 赤子に障るでござるよ
煙草葉は、桃谷 小粋 富士? 今では小粋しかし 存在せぬが
気になる

「ヤキモチ輝」と「未沙に見とれる輝」いいですね~ ('∀`) 

ヒカミサの公式ウェデイング絵を私は多分5種類?知っていますが、輝が未沙をはにかんだように見ている物がありましたね。綺麗な花嫁姿は夫となる男性にとって、とても満足させられるものではないか?と思います。

私は妄想を形にしてヒカミサ病と上手く付き合えました♪ ←健康食品の購買者の声?
SSが浮かぶって、イイですねぇ 私は文字にすると頭の中だけでは出なかった新たな萌えが浮かぶ等して、より妄想を堪能・鎮静できました。まとまらずに放置している作品が幾つもありますが、書くこと自体が楽しいです。

自分の感性にしっくりとくる、 "私のヒカミサ" ができるといいですね e-68
SSでも・語りでも・イラストでも、ツボ場面だけでも・少し背伸びしてちょっぴり広げても。自分がとっ付きやすい方法で、無理がない程度に形にすると、充実した妄想ライフが続けられると思いました。私の場合はそれをブログにしましたが、誰かに見せる・見せないは後にして、形にすると楽しいですよ(既に実行済み?)。自分の思いを表現しきれずガックリな事もありますが、妄想スキルは創作の過程で磨けたと自画自賛しております。

以上お粗末様で恐縮ですが、私の場合の話でした。他の方の妄想やヒカミサLOVEなお話を伺うのは、「そう・そう!」と楽しいです。当ブログが参考やそんなお相手になれるのでしたら、光栄です。

今年もどうぞ宜しくお願い致します

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1/7 22:54 拍手鍵コメ様 

明けましておめでとうございます。

画像は全てPCのお陰です
お褒め頂き、ありがとうございます e-449
絵を描くのは小学校くらいまで好きでしたが、以降は周りに上手い人が多くなったりイメージ通りに描けないイラ立ちから年賀状くらいしか描かなくなりました。色付けは好きなので、これからもブログ画面や挿絵などでチョコチョコやりたいですね。練習したり調べたりして絵描きの皆様みたく、シュ~とした線や綺麗な色で、オリジナリティーがあるイラストが早く描けるようになりたいです。

本年もどうぞ宜しくお願い致します (*^_^*)

過分なおホメを頂き、ありがとうございます 

こちらこそ明けましておめでとうございます。

「傑作」とまで言って頂けるとは、何某様の萌えだか何だかに届いたようで光栄です。

メガ・ロードも発進しますし、お互い今年も充実したマクロス・ライフを送りましょう! v-91
どうぞ宜しくお願い致します

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