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「SS (二次創作小説)」
Macross After

いつか ‐大人になる日‐

 2012年6月初旬ごろの輝と未沙を、周囲がどう見ているか? の一端です。一部に少々大人向けの内容があります。

2011.12.5 UP


 僕は「ボーズ」と呼ばれています。これは日本語では「坊主」と言って、まだ大人ではない男を言うそうです。これはあだ名で本当の名前は違いますが、とても似た発音です。新入隊員歓迎会の自己紹介の時に、自分で間違って言ってしまったのがきっかけで、そう呼ばれるようになりました。僕は上がり症で、父に「男のクセに軟弱だ」と言われていましたから。

―― 白状します。気合を入れようと GI 刈りにした頭をグリグリされて、「よし、お前はボーズだ」とも言われました …… 。

「 ボーズ、今日はいい感じだったぞ? 」
「 あ、一条隊長。ありがとうございます 」
「 んー、でもあの旋回の時に ―― 」

 僕に声を掛けてくれたのは、メガ・ロード護衛隊長の一条輝さん。バルキリーの操縦がすごく上手くて、カッコイイ人です。僕より4~5歳くらい年上、だったかな?  「おエライさんの御曹司のクセに、全然使えない」なんて言われた事もある僕にも、気さくに話しかけてくれる優しい隊長です。

僕の父は軍や政府と強い繋がりを持つ会社の社長で、本当は僕を本部の司令部か技術部に入れたかったらしいです。でも僕はパイロットに憧れていたから、半ば家を飛び出すようにして入隊しました。父は「男なら私の力を借りずにやってみろ」と言って、妨害もしない代わりに手助けもしないスタンスです。


 理屈っぽい僕に先輩達はあんまり教えたくないみたいだけど、隊長はちゃんと教えてくれます。おしゃべりな人じゃないし、割と聞き役に回る感じだから、先輩によっては「ぼーっとしてる人」なんて言うけど、教える時はシャキッとして結構話します。「感覚的な事って、言葉にするのが難しいんだよな」なんて言いながら説明が根拠立って的確だから、きっときちんと勉強してるんだろうと思います。

 ちなみに天才と言われるジーナス隊長は、教えられた人達が言うには「あの人は天才だし、その上に天然だからワケワカランちん」だそうです。僕も別隊ながらその天才ぶりと天ね ・・ っぷりは分かるので、ウチの隊長が一条さんで良かったと心の底から思います。

ついでに言えば、ジーナス隊長の奥さんは「異次元だ」そうです。次元を超えて何がどこに行ってしまうのか分かりませんが、僕は本当に心の底から一条さ ――

「 お前、ちゃんと食ってるのか? 」
「 食べてますよ。僕が細っこいのは体質です 」
「 飛ぶのはメカだけど、操るのは人間だ。ちゃんと体を作っておかないと、意識も操縦も持ってかれるぞ 」

 僕はチビでガリです(と言うか、ここの人がみんな大き過ぎ)。入隊制限が引き上げられる前だったので滑り込めましたが、今なら年齢でも体格でも申し込みすらできないでしょう。でも父はあんなにいい体をしてるんだから、その内に僕だって大きくなるはずです。

「 鍛えるのも必要だが、食い物も大事だからな 」
「 はい 」

一条隊長もここではそう大きい方ではないけど、僕から見ればもう充分に大人の体です。ジムで見ているから鍛えてるのは知ってますが、一体何を食べてるんだろう? 確か宿舎で一人暮らしのはずだ。

「 一条少佐 」
「 ああ、早瀬中佐 」
「 お話中かしら? ちょっと至急の件があるの 」
「 ん、大丈夫。ボーズ、悪いな 」
「 申し訳ないわね 」
「 い・いえ 」

―― あの女性ひとだ …… !


 僕の胸はドキンと高鳴った。早瀬中佐はいつも凛とした、綺麗な女性です。任務には厳しくて怒らせるとスゴイ怖いって、ゴリラみたいな先輩がビクビクしてました。でも「言ってる事は筋が通ってて、反論できる程の根拠も根性もないから言い返えせん」だって。軍務に忠実なその姿勢と、時々見られる優し気な眼が素敵だなと思います。

隊長と2人で書類を見ながら話す様は真剣で、真面目な人柄がうかがえます。でも時折髪を払う仕草には、何故だか眼を惹かれるものがあるんだよなぁ … 。


プルル プルル


「 また呼び出しかしら? ちょっと、ごめんなさい 」

 早瀬中佐は一条隊長に断って携帯電話を取り出すと、僕達から少し離れて話始めました。パール・ホワイトの携帯電話は、見る角度によって虹色を帯びて ―― 最新式だ。

携帯電話はゼントラーディがもたらした通信技術でしたが、部品にレアメタルを使用するので最近まで一般には普及しませんでした。軍ではこれを業務に役立てようと、購入者に補助金を出しています (先輩達は「俺達に買わせるなんてケチ臭い」って言ってた )。


 早瀬中佐は考えているのか頬に指を当てて、頭を傾けてます。ちょっと困った顔も ――

「 ―― 綺麗な人、ですね 」
「 そうか? 」

僕は、思わず口に出してしまった。で、一条隊長に話し掛けたと思われたらしい。アレ? でもこの2人って確か ――

「 隊長はそう思わないんですか? 」
「 ん~、別に今更 」

―― 付き合ってるんだよね? でも2人が話してるのを時々見掛けるけど、あんまりそういう感じがしない。

「 見慣れちゃいました? 」
「 まあ ―― そうだな 」

 フーン …… そうなんだ。僕ならいつまでも見慣れなくて、いつも見ていたいって思うけど。休憩中なんかのリラックスしてる時に聞こえる、落ち着いた中にちょっと高くなる声 ―― すごくいい。

隊長は普段、僕達にも大らかでいい人なのに、今の素っ気ない態度。もうちょっと中佐を大事に、って言うか自慢してもいいと思うんだけど。

「 僕ならいつでも “ 綺麗だな ” って思っちゃうなぁ 」
「 あっ、そ 」
「 “ 可愛い ” とかって、ないんですか? 」
「 俺達はずっと、こんなカンジ。恋愛の夢壊して、悪いな? 」
「 … いいえ 」
「 未沙とは長い付き合いだから 」
「 …… はい 」

 一条隊長がこんなに早瀬中佐との事を話してくれるなんて、珍しい。隊長と言ってもまだ若いから、酒の席でなんか結構からかわれるんだ。でも「ん~」とか「まあ」とか言ってあんまり乗って来ないで、いつの間にかスーッて席を移っちゃったりしてる。

僕がチビでずっと年下の男だから、警戒してないのか?

「 お待たせしてごめんなさい? 」
「 ああ 」
「 それで私すぐ行かなきゃいけないのよ。だからこの件は ――
「 今日、俺の部屋で聞くよ 」

( え …… ? )

早瀬中佐は一瞬僕に目を向けた後、硬い顔になる。

「 …… 一条少佐。仕事中は ――
「 泊って行くだろ? 未沙 」

あの女性は、さぁーと頬を染めた。何も言えない背に隊長は手を添え、移民船準備室の方向へ誘導する。

「 呼ばれてるんだろ? 早く行けよ 」
「 …… ええ 」

 早瀬中佐は胸にクリップ・ボードを抱え、走って帰って行った。一条隊長はポケットから携帯取りを出すと、時間を確認する。sky-blue の、虹色に輝く ―― それ。

「 んじゃ、俺先行くぞ 」
「 … はい 」
「 悪いな 」
「 ・・・・・・ 」

( 一条さん。悪いって、何にですか? )

だって僕との話なんて、もう終わってたじゃないですか。それに、あなたは腕時計をしている。

( 恋人なのは知ってた ―― けどこういうのは、しんどいな )

きっと一条さんは、あの女性を今晩抱くんだろう。あの女性は、望んで抱かれるんだろう。

いつかもっと僕が大人になったら、あの人に ・・・ なんて思ってた。一条隊長の女性だと知っていても、断ち切れないこの気持ち。

僕はチビだけど、最近急に背が伸び出した。あの女性を想うだけで、こんなに身体が震えるんだ。僕に良くしてくれた尊敬する人にまで、くらい思いを抱いてしまう。あの人が隊長の隊でこんなでは、やっていきづらいだろう。それ以上に僕はパイロットとして、あの人みたくなりたい。

だからこの想いとは、もう訣別しなきゃならないのかも知れない。

( 諦めを知るのが、大人になるって事? )
( 大人になっても …… なのに、何の為に? )


ベッドで話す輝と未沙
ベッドで話す輝と未沙
あ、部屋間違えた。これは結婚後の2人の寝室イメージです


「 彼 …… あなたに似てるわね 」
「 彼? 」
「 ほら、昼間会った 」
「 ふ~ん 」

 ベッドで未沙の素肌を流れる髪に指を絡めながら、俺は思わず気のない返事が出た。アイツは頭はいいが運動神経が今一つで、残念ながらパイロットとしては仲間内でも少し落ちこぼれ気味だ。ただ本人のやる気があるので、何かと声を掛けて面倒を見ていたら、いつの間にか慕ってきてくれるようになっていた。

飛ぶ事に憧れる気持ちは分かるし、アイツを見ていると何となく「フォッカー先輩も俺の事、こんな風に思ってたのかな」という気がする。だから俺も可愛がっていた、が … 。

「 なんて言うのかしら、こう …… 」
「 気のせいだよ 」
「 あなたがあの位の年頃の時って、あんな感じだ ――
「 もう、いいだろ …… ? 」

 また未沙の上に重なって、口を塞ぐ。未沙はもうボーズの事なんか忘れて、俺の舌を迎え入れるように唇を開いた。合わせた腰を揺らせば、いつもはきっちりと閉じられている膝を開く。熱い中に沈めれば、待っていたかのように身を震わせた。

―― 俺以外を知らない、もう何度も抱いた身体。

「 あっ … あ! あっ!」
「 んっ … 。未沙 … 綺麗だ。可愛いよ … ? 」

 思ってるだけ、なんて足りないんだよ。坊主には分からないだろうけど。お前を見てると、俺を思い出す。だからお前には、教えといてやる ―― 未沙は俺のだって事を。

少し黒くなった輝はいつもより深く突き上げながら、再び未沙の身も心も手に入れる事に没頭した。


おわり
あとがき

 「いつか大人になりたいボーズ君」と「もう大人の一条さん」です。輝を慕う少年を描きたかった。未沙に純愛する可愛い男の子を描きたかった ―― と言う気持ちで生まれた、少年を脱し始めている男の子です。イメージは「マクロスF」のルカ君。本名はナイショ(というか、考えてない)。ついでに「黒い輝」も書きたかった。真摯な気持ちには本気で徹底的に対抗する、のも大人の男っぽいかと。拍手小噺「君に刻む愛」を書いて、「ちょっと色っぽいのも書きたいな」とも思ったりして。

 やっと携帯を登場させました。携帯がないと言うのは「待ち合わせ」とか「連絡が付かずに擦れ違い」とか、昭和らしい恋愛を盛り上げる設定だと思います。ちなみにマクロス・シリーズの普遍のテーマは「カルチャーショック」と「ディスコミュニケーション -コミュニケーションがとれない。対人コミュニケーションの不全状態-」 だそうです。

 息抜きです。設定たっぷ~り・心理解釈てんこ盛~り、のSSが続き。少し私の頭のネジを緩めておこうと思いまして。

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