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「SS (二次創作小説)」
空白の二年間

Happy‐Valentine

バレンタイン・シリーズSS。第2弾は、リン・ミンメイさんです。

2011.11.16 UP


「 「 「 きゃあ~! 久し振り~~! 」 」 」


 ミンメイ ・ セイコ ・ アキナの3人は、抱き合って ・ 手を取り合って、大騒ぎした。『St.(セント) バレンシア女子学院』 の仲良し3人組の賑やかぶりは、今も健在のようだ。


「 ミ・ン・メッ! おっじゃまっしまーす 」
「 おっひさ~ 」
「 飾り付け、ミンメイがしたの? すっごい綺麗 」

「 ありがと。みんなが来てくれるからって、ガンバちゃった 」


 オシャレをした女の子達が、次々と入って来る。彼女らとクラス・メイトだったのは、そう以前ではなかったはずだが、ひどく懐かしい。

本当は学校に行きたかったが、芸能活動が忙しくて退学してしまった。

「 学校、かあ ・・・ 。先生は元気? 」
「 そりゃあ、もう。元気過ぎて、数学はテスト連発よ 」
「 学校は好きだったけど、テストはやあね 」
「 先生、“ ミンメイが元気か、よーく見て来い ” って心配してたわよ 」
「 “ 元気だがら心配しないで ” って、言っておいて 」

ミス・マクロスには先生も含め、クラス中でミンメイを推薦してくれた。あの時の感激は、今でもよく覚えている。

  『 ありがとう。 ・・・ みんな 』
  『 いいのよ、お礼なんか。それより頑張ってね 』
  『 ええ、ええ ・・・ 』
  『 泣かないでよ、ミンメイ 』
  『 だって、涙が止まらないんだもの 』


学校帰りの溜まり場『パープル』の、チョコ・パフェ・モンスター
     先生の目を盗んで手から手へして回される、スリリングな手紙
           校門前で自分を待つ、親衛隊の男の子達 ……

「 楽しかったなあ …… 」


カラン ・・・

「 輝! いらっしゃい 」
「 久し振り。今日は呼んでくれてありがとう 」

 輝は軍服姿だから、仕事帰りなのだろうか。そう言えばマクロス時代も たまのデートが軍服なんてこともあり、「ヤボなんだから!」と思ったりもしたが ――

  ( なぁんだ、結構似合うじゃない )

 少し格好よくなった気がする彼に何となくウキウキとし、腕を組んで席へと案内する。招待状をあげたのはお気に入りのお友達ばかりだが、輝はミンメイの命を救ってくれた特別なお友達だ。

 それなのに彼が月面アポロ基地に行ったと知ったのは、巡業先での事だった。あの時は「輝の気持ちに応えなかった、あたしのせいかとも」と、ちょっぴり気になったものだ。でも今の彼には、あの時の女性(ひと)が ・・・ だろうし、こうしてまた誘いに応じてくれるようになったのだから、もう気を遣う必要もないだろう。

でも「あたしを避けるなんて」という、面白くない気持ちを知らせてやりたくもなった。


「 ホント、お久し振りね? 輝ったら月に行くだなんて、ひと言も言ってくれないんだもの 」

 輝の隣に腰を掛けながら、大きく開いたドレスの胸元を整える。今日はプライベートだが、有名になる前から応援してくれた人達をおもてなしするための日だ。だから持っているステージ衣装の中でも、とっておきの物にした。

 オ―ガンジーをふんだんに使ったドレスは、バレンタインらしく華やかなピンク。でもその淡い色合いは大人っぽく見え、ミンメイの一番のお気に入りだ ―― 今日のあたし、輝はどう思うかしら …… ?

 自分の艶姿(あですがた)にも反応の薄い彼に、ちょっとスネてみたくなる ―― 少し感じが変わった気がするけど、話しやすい所は変わらないわ。

「 でも、5月にお店で会ったじゃない 」
「 ん ・・・ 。これからツアーだって聞いたから、忙しいかなって 」

優しくって、カワイイ嘘が。避けずに来てくれた事が、嬉しかった。

  ( 輝の気持ちは分かるけど、あたしを避けるなんてダメなんだから! )

「 そんなの気にしなくていいのに。今度どっか行く時は、ちゃんと教えてね 」


 ミンメイは、店内をキョロキョロと見回す輝を見る。跳ねたクセ毛も大きな目も、自分を好きだと言った頃と変わらない ―― うふっ。話を変えたくて、話題を探してるのね。

  ( あたしに内緒なんて、許さないんだから )

「 随分早いバレンタインだね 」
「 ごめんね。2月はバレンタイン・イベントで、ファンの人達と過ごすの 」

 2月は過密スケジュールだから、またしばらくはここに来れない。移動が多いから体がなまったり、レッスンが不足しそうで、のどの調子が心配だ。でも思いっきり歌えないのはイヤだから、車の中でだってレッスンしちゃう!


「 軍服が板に着いた、っていうのかしら? なんか輝、前と違う 」
「 違うって言ったら、ちょっと背が伸びた位かな? 」

 なるほど。そう言われれば、そんな気もする。輝は2歳上だから ・・・ 19歳。自分と違い飲酒OKの年齢で、もう彼も大人の仲間入りをしたという訳だ。

「 輝、なに飲みたい? うふふ。まだコーラ? 」
「 コーラで悪い? んー、でも何がオススメですか? 」
「 あたし特製、チョコレート・パンチよ 」
「 ふ~ん。甘そうだね 」
「 甘いの、お嫌い? 」
「 前は好きだったけど。最近あんまり、かな?」
「 残念ね~。あたしの手作りなのに 」
「 なら折角だから、イタダキましょ。おたくの特製とやらを 」
「 はーい、おひとつ、ご注文ですね♪ 」

 手作りと言ってもチョコレート・リキュールをスピリッツで割って、ホイップ・クリームを盛った所にポッキーを差しだけなのだが。でも褐色のゴディバとクリームのホワイト、いちごポッキーのピンクという取り合わせが、バレンタインっぽくて可愛いと思う。

 ミンメイは甘いものが大好きで、友達と色んな所へ食べ歩きに行ったものだった。お菓子作りも結構得意で、だから美味しい甘味には詳しいと思う。料理の方は ・・・ ゴホン・ゴホンだが。


「 こんばんは。すごい盛況ですね 」
「 マックス! ―― いらっしゃい、ミリアさん 」

 またもや懐かしい顔だ。マックスはハンサムで話も合う高得点な人だが、結婚してからは余りお店に来なくなってしまった。

 今日は、美しい彼の妻も一緒だ。結婚式で初めて彼女を見た時、ゼントラーディ人女性はみんなこんなに美人なのかと驚いた。


「 ミンメイ。それは俺が運ぶよ 」
「 カイフン兄さん 」
「 ほら、お客様が来たよ。みんな君に会いに来たんだ 」
「 ええ、行ってくるわ 」

 恋人になった今も、時々「兄さん」と呼んでしまう。特に娘娘にいると、まだ彼の可愛い従妹だった頃に戻ってしまうのか、そちらの方が多い位だ。

「 ちょっと待った。ほら、リボンが曲がってる 」
「 あら? やあね、ありがとう 」
「 愛想がいいのはよいけど、あんまり無理してくれるなよ? 」
「 大丈夫よ 」
「 君に倒れられたら、ファンが困る。それに ・・・ 俺が心配からね 」
「 ・・・ うん。分かった 」

 労わるように頬を撫でる手が、ちょっと張り切り気味のミンメイを落ち着かせる。カイフンはよく気が付くし、優しい。歌手としての自分を1番評価してくれるのは彼だし、ひとりの女性として愛してくれているのも彼だ。

 カイフンとミンメイは娘娘にいる時はさすがに各々の部屋で休むが、巡業先では寝起きを共にしていた。この1年の間、彼はいつも優しかった。たまに厳しい時だって、歌手としてのミンメイの成長を願ってだと思う。

 叔父と叔母がニコニコしながら、そんな自分達を見ている。いくら隠していても、愛される喜びに輝くミンメイ。愛する喜びにいつもの鋭さをくるみ、甘い雰囲気を漂わせるカイフン。

傍から見れば、2人が恋人同士なのは明白だった。


 あれは、昨年末の事だ。叔父と叔母に促されて閉店後のテーブルに着き、彼らはミンメイに神妙な面持ちで話し出した。

  『 ミンメイ。カイフンの事で、少し話があるの 』
  『 なぁに? 叔母さん 』
  『 もしかしたら、2人は隠してるのかも知れないけど 』
  『 ・・・・・・ 』
  『 大事な事だから、言わせてもらうわね 』
  『 ―― ええ 』
  『 あなた達、将来の約束とか ・・・ してるのかしら? 』
  『 ! ―― やだぁ、叔母さんたら。そんな事ないわ 』
  『 そう? でもあの子は、あなたに結婚を申し込んでるようじゃない 』
  『 そうだけど、でも …… 』


 報道陣の前でカイフンに結婚を申し込まれた時、「まさか」と一笑にふした。しかし彼の目は真剣で本気であるのが分かったし、実はその後2人きりの時に正式にプロポーズされていた ―― プロポーズ!

 女の子なら1度は、素敵な男性からされるのを夢見るのではないか。当然ミンメイもそうで、子供の頃から憧れていたカイフン兄さんが。TVの前で堂々と、2人きりの時はロマンティックに。まるで王子様がお姫様にするように、プロポーズしてくれた。

そんな風に男性に求められて、嬉しくないはずがない。

  『 カイフンはあの通り、頑固者だけど 』
  『 ううん。兄さんはあたし言う事、すごく聞いてくれるわ 』
  『 それは、あなたが可愛いくて仕方ないからよ 』
  『 可愛いだなんて …… 』
  『 あの子。母親の私から見ても、結構いい男だと思うわ 』
  『 ええ。兄さんはカッコイイわ 』
  『 それに私達も、あなたの事が本当の娘みたいに可愛いの 』
  『 そうだ、ミンメイ。俺達はお前の事を、本当の子供だと思ってる 』
  『 叔父さん、叔母さん ・・・ ありがとう 』
  『 私達、あなたの本当のお父さんと お母さんになりたいの 』



 大好きな横浜の町や家だけでなく、慈しんでくれた両親を失った時。この唯一血のつながった親戚は、ミンメイに愛情や保護、安心できる家を与えてくれた。

しかし感謝してもし足りない2人に乞われても、ミンメイはすぐにYesと答えることができなかった。

  ( カイフン兄さんは、あたしを好きって言ってくれる )

それでも ――

  ( あたしだって、カイフン兄さんのこと ―― )


 輝は胸の前で腕を組んで、ひとり静かに前方へ目を向けている。よく知っていた “ おともだち ” の顔ではなくて、なんだかちょっとキュンとした。何か仕事の事でも、考えているのだろうか? 初めて見るその横顔は、以前よりずっと男らしく大人びた感じがする。

( ―― 好き ・・・ だと思う。 )

 決心が付かない、自分の気持ち。何かが欠けている ―― それが何であるかは、分からないけれど ―― そんな気がして、ならなかった。


 そんな上の空だったミンメイの袖を引っ張り、柱の陰へ押しやってヒソヒソと話す悪友2人。

「 ねえねえ、ミンメイ 」
「 なあに? セイコ 」
「 あ・な・た・の・カイフンさん、素敵ねえ 」
「 そう? 」
「 あんな人が恋人なんて、ウラヤマしいわ 」

 自慢したい気持ちを抑えて、素っ気なく反応する。カイフンはまだ高校生の彼女達から見て、とても大人に見えるだろう。なんと言ってもハンサムだし、話すこともカッコイイ。

ずっと年上のスタッフの女性達だって、そんな彼を「イケてる」と言ってミンメイを羨ましがるのだから。

「 あのさ ・・・ 彼と結婚するって、本当? 」
「 やっだー! アキナまで。あたし達、まだ17歳よ? 」
「 でもあなた、もう彼と ・・・ でしょ? 」
「 彼と ・・・ って? 」
「 だからぁ。ツアーの時なんか、一緒のホテルなんでしょ? 」
「 そうだけど …… 」
「 あ~あ。ついにミンメイもか! 」

 セイコは両手を上げて天を仰ぎ、大袈裟な嘆き声をあげる。それに気付いた仲間達が、サーッとまた集合した。

「 ナニナニ? ミンメイが、どうしたの? 」
「 あ~あ。 “ コレ ” ってコト! 」

 アキナは自分の口の両端に指を掛け、横にイーッと広げる。女の子達はそれを見て、皆一斉にイーッとした。

「 アキナ君。生徒諸君にどんな感じか、教えてあげたまえ 」
「 へんへぇ~! 口が裂けちゃいま~す 」
「 アキナ君、それでいいんだ。“ そういう痛み ”、って事だ 」
「 それじゃあ、ワッカリッマセ~ン 」
「 うむ。しかし、いずれ分かる事だ 」

「 「 「 「 きゃあー! エッチィ~ ♡ 」 」 」 」


にぎやかに笑う、明るく華やかな集団に人々の目が集まる。

「 まあ、見て父さん。可愛いわねえ 」
「 あの年頃の子は、大人ぶったかと思ったら急に子供になるんだな 」

 女の子達が口をイーッとしてキャラキャラ笑っている様は、落ち着いた年齢の叔母から見れば眩しくも感じる。しかし微笑ましく見ていた彼女も、ミンメイがひとり赤くなっている理由を知ったら。イマドキの女の子達の明け透けさに、卒倒するのではないか?


  ( 結婚なんて ・・・ よく分からないもん )

 ミンメイは赤くなった頬を冷まそうと、冷えたペリエを飲んだ。まだ未成年のミンメイが飲酒をするのは、アイドルとしては非常にマズイ。今は公の席ではないが、「どこで人の目や口が、君に向けられているか分からない」と、カイフンには言い聞かせられている。

 酒もタバコもやらないし、トイレにも行かない。男の子にとっては、みんなのカノジョ。女の子にとっては、ああいう風になりたいという憧れ。

―― それがアイドル。あたしはアイドル


 でも友達はまだ学校に通って、「今日ナンパされちゃった♪」なんて言っている位なのに …… 。どうして同い年の自分が、「ケッコン・ケッコン」などと言われるのだろう。

  ( あたし、まだまだ青春まっさかりの Seventeen なのにな …… )


「 ミンメイ。そろそろゲストも集まったから、始めよう 」
「 ええ 」


♪  Zero‐G Love! Zero‐G Love!


 ミンメイが企画した『クイズ・イントロ・ドン』に、みんな大賑わいだ。自分の持ち歌はもちろん、昔からのナンバーズや他の歌手のヒット曲を歌うのも楽しい。プライベートだからこそのスペシャルなライブに、ミンメイも親しい人達もノリノリだ。


( ああ ・・・ やっぱり歌うって、ステキ …… ! )

ミンメイ! ミンメイ!

( 楽しい! 嬉しい! )


 人間が食べる事も眠る事もしないで済むのなら、ミンメイはずっと歌って生きたいと思う。ただ歌うだけで、ミンメイには感じられた。


目と目・手と手に震える心は、初めての愛の旅立ち
         ひとりステップを刻みながら、ジダンの男を想う切なさ
             この美しい星を讃えて、ひと時のさよならを誓い ・・・


 リン・ミンメイというちっぽけな少女の一生を賭けたって得られない、様々な想いや感動を。人生を。世界の全てを! 歌ってさえいれば、知る事ができるのだ。


( あたしには、歌がある! )

ミンメイ! ミンメイ!


 自分に向けられる人々の声は、歌と溶け合うために捧げる供物だ。それがあるからミンメイは音楽の空の高みに昇り、旋律の風に乗って羽ばたける。その全能感は、音楽の神に愛された者にしか与えられぬ至宝。

そう、リン・ミンメイは ――


「 みんな~! あたしの歌を聞いてー! 」

ミンメイ! ミンメイ!


―― この時確かに、音楽を愛し ・ 音楽に愛された、歌姫だった


おわり

あとがき

ミンメイが胸キュン ♡ した輝の横顔は、町会長さんに寂しくひとりツッコミを入れているだけ。

ミンメイの、公私に渡る絶頂期
この話は、SS「LONELY SONG」「幕間 アイ・ドル」と対比させています。歌に対する思いや力量、歌手としてのリン・ミンメイについても少々解説しております。彼女がメインの話はまだ幾つかあるので、ミンメイの成長を応援して頂けると嬉しいです。

小説「夢みるプレリュード」
ミンメイと女友達のやりとりは、「FANCY DAYS」より。輝に感じた印象や結婚絡みの内容は、Pメモを参考にしました。「夢みる~」はあっけらかんとした、彼女らしい魅力が出ていると思います。

(わたし) と あたし
普段は女性陣に「私」と言ってもらっています。私自身が「わたし」と言いますし、「私」なら一字で済む為です。TVでは(確認してないが多分)ミリア以外、みんな「あたし」と「私」が混ざってる気がします。ここではミンメイの甘い声と無邪気さを表現したかったので、「あたし」としました。

ゴディバ・チョコレート・リキュール
ゴディバ社が制作に関わり、93年にアメリカで発売。カカオにバニラ・クリーム等を融合し、アルコールと甘さは控えめとの事。飲んだ事はありませんが、香り ・ 味とも上品で美味しいそうですよ。カクテルのベースでも使えますがストレートの方が堪能できると、どなたかが書かれていました。

ホワイトチョコレート

( 画像クリックで amazon. の商品詳細に別窓リンク )

他に「チョコレート」や「チョコレートモカ」「キャラメル」等もあるようです。

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