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「SS (二次創作小説)」
空白の二年間

Lonely ‐ Valentine

季節ガン無視企画、バレンタインSS。シリーズ第1弾は、一条輝くんです。

2011.11.14 UP


 マクロス野郎ども達のオアシス 中華飯店『娘娘(にゃんにゃん)』は、1日だけ西欧風に彩られた。飾り付けや料理における東洋と西洋の絶妙なコラボが、訪れるゲスト達を楽しませる。今日はミンメイ主催の、バレンタイン・パーティーだ。

 最近遠方の巡業が増えてなかなか娘娘に来れなかった彼女は、久し振りに会う親しい人達を笑顔満面で迎えた。

「 輝! いらっしゃい 」
「 久し振り。今日は呼んでくれてありがとう 」

 ミンメイは輝を見付けると嬉しそうに腕を組み、席へ案内する。今日は私的なパーティーで、叔父叔母と常連のご近所さん以外は、招待状をあげたお気に入りのお友達しか来ない。

「 ホント、お久し振りね? 輝ったら月に行くだなんて、ひと言も言ってくれないんだもの 」
「 ごめん、ごめん。急に決まってさ 」
「 でも、5月にお店で会ったじゃない 」
「 ん ・・・ 。これからツアーだって聞いたから、忙しいかなって 」
「 そんなの気にしなくていいのに。今度どっか行く時は、ちゃんと教えてね 」
「 うん ―― あの、随分早いバレンタインだね 」
「 ごめんね。2月はバレンタイン・イベントで、ファンの人達と過ごすの 」
「 ファンも喜ぶよ 」
「 でしょ?  私も楽しみにしているわ 」

「 すっかり芸能人だね 」
「 うふふ。輝も何だか “ 軍人さん ” ってカンジね 」
「 そうかなぁ 」
「 軍服が板に着いた、って言うのかしら? なんか輝、前と違う」
「 違うって言ったら、ちょっと背が伸びた位かな? 」

 そんな事を言いはしたが。フワフワのスカートを揺らして飲み物を取りに行くミンメイを見ながら、輝は「変わらないな」と思う。親しげに組まれる腕も、クルクル巻かれた髪も ―― 彼女を取り巻く要素が。


「 こんばんは。すごい盛況ですね 」
「 マックス! いらっしゃい、ミリアさん 」

 ミンメイは飲み物を持って来てくれるハズが、すぐに新しいゲストを迎える方に行ってしまった。彼女は今日のパーティーのホスト役で、それは仕方がない事だと輝は思う。

 次々と来るお友達の間をぬって、ひらひらと軽やかに舞うミンメイ。彼女はみんなが好きだし、みんなはそんな彼女が好きだ。

  ( みんなのアイドル、だもんな )


 マックス達に飲み物を持って行こうとするミンメイからカイフンがグラスを取り、新たに来たゲストを迎えるように促す。彼はマネージャーとして仕事面でもミンメイをサポートしており、公私に渡って良いパートナーのようだ。

  ( 噂には聞くけど。あの2人、結婚しないのかな? )

 輝は用事がない非番は、昼過ぎまで眠りを堪能する事にしている。いつもは寝てるか仕事かの午前中は、TVなどほとんど見ない。しかし時々ピンチ・ヒッターとしてパトロール隊に助っ人で借し出されると、遅出の事もある。そんな日は昼前に起きるので、惰性でTVをつける時もあった。

だからゴシップ番組もたまに目にするのだが、最近カイフンとミンメイは結婚秒読みと報じられていた。


  ( あんなに仲がいいのに …… )

 カイフンが少し曲がってしまったミンメイの髪飾りを直し、彼女の頬に手を添えて労わる。軍人の自分達には厳しい目を向ける彼も、恋人に示す表情は優しい。ミンメイはそんな彼に、他の人とは少し違った信頼の目を向ける。輝はそんな2人を見ていると、「恋人って、いいな」とちょっぴり羨ましい気持ちになる。

 ミンメイの人気はカイフンとの事が報じられるようになってから、少し変わってきた気がする。マクロス時代、カノジョがいない同僚達の間では「昨日のミンメイちゃん」が挨拶のように話題になった。そんな彼等は遅番が明けると、ミンメイの深夜ラジオ番組を聞き逃すまいと慌てて帰っていったものだ。

  『 ミンメイちゃん、本当にカイフンの野郎と ・・・ なのかな? 』
  『 考えたくねぇ。ホントなら俺、ファンやめる 』
  『 だよなー。やっぱ他の男のモノ、ってのがガックリだよな 』
  『 “ 恋人なんかいません ” ってのが、アイドルだろ 』



 たった5万人が全人口の頃と異なり、現在は芸能人もそれなりの人数がいる。ミンメイと同じように若くて可愛い子もいたし、また違った魅力を聴かせてくれる歌手もいた。魅せるダンスや演技をする者もいて、本や映像も次々と新たに発表される。

 そんな現在、人々の生活は多彩な文化で彩られていた。だから輝はミンメイ・ファンだった者が、他に流れる様も目にしている。

  ( でも俺は、やっぱりミンメイの歌が一番だ )


「 一条先輩、おひとりですか? 」
「 おひとりだけど。お前、ミリア連れて大丈夫なのかよ 」
「 心配無用だ、一条大尉。私はどんな時でも、腹の子を守る 」

 ゼントラーディ人で妊娠 ・ 出産した者は誰もいないのに、どこからその自信が来るのか不思議だ …… 。しかしマックスも頷いているので、余計な心配なのだろうう。

 この2人は仕事も一緒 ・ 私生活でも一緒で、いつも仲良く連れ立っている。確かにミリアをひとりにするとトンデモない事を吹き込まれたり、やったりで危なっかしいのだろう。もっともマックスは、そんな妻を嬉々として世話しているのだから、お似合いと言った所だ。


 来月出産予定日を迎えるミリアのお腹は、町会長さんより大きい ―― と、嬉しそうに彼女の腹を撫でている町会長を見て思う。

「 男の子でっしゃろか? 女の子でっしゃろか? 」
「 女の子らしいです 」
「 なら、ベッピンさんだ。どっち似にしても、子供は可愛いやろな 」
「 毎日、腹の中で暴れている。この子は強い戦士になるぞ 」
「 エエこっちゃ。子供は元気が一番や。ウチの子らも ――

 町会長夫妻に子供はなかったが、夫婦は大の子供好き。店を引退してから空いた時間でマクロス・シティのみならず、あちこちの孤児院に行って「町会長のおじさん」と呼ばれているらしい。

  ( 一体、どんな町会だよ )

輝は子供話で盛り上がる4人にひとり突っ込みを入れながら、目でミンメイを探す。


「 みなさぁ~ん! 今日は来てくれて、どうもありがとうー! 」

 舞台のつもりか少し高くした台の上で、ミンメイがお玉をマイク代わりにして、にこやかに挨拶を始めた。

「 いつも応援してくれて、ありがと。今日は楽しんでいってね

 立食形式でも人に肩をぶつけてしまいそうな程賑わった店内で、彼女の甘い声はよく通る。ミンメイは一斉に向けられた目を楽し気に受け止め、全く臆さない。それは歌手という職業で慣れていた為でなく、恐らく天性なのだろうと輝は思う。

―― 人に愛される事も、人を楽しませる事も。


「 恋人が欲しいアナタに、楽しいゲームがありまーす 」
「 恋人がいても楽しいゲームだから、みんな参加してね? 」

 カイフンがピンクの箱を持って、台の上のミンメイに並ぶ。それは今日来たゲストの女の子達が、自分の名前を書いた紙を入れた物だ。男性はそれを1枚ひいて、そこに書かれた子をパーティーの間パートナーにできる、というゲームだった。

「 私の名前も入ってるのよ


うおーーー !!!


 興奮した男達の雄叫びが、店内に響く ―― そりゃそうだ。男の方が、ダンゼン多いのだから。

「 クジを引けるのは、クイズで勝ち残った人だけ 」

 それからは、ひと時 ・ もしくは生涯のパートナーを求めてのクイズが始まった。生ミンメイによる、 『クイズ・イントロ・ドン!』 だ。

「 豪華なイントロだね 」
「 彼女は歌が、本当に好きなんだな 」

―― 違うよ


 輝はミリアの言葉に、心の中で反論した。ライトもないのに眩しい舞台を、目を細めて見上げる。8ヶ月振りに会うミンメイはやっぱり可愛く、心なしか綺麗になった。

 盛り上がるファンと楽しそうに掛け合いながら、笑ったり頬を膨らませたり、泣きマネをしたりする彼女。そんな雰囲気でもひと度マイク(のつもりのお玉)を持てば、場を一気に切ない気持にさせる。

自分だけの女性(ひと)になってはもらえなかったが、こんな彼女を見ていると、それでいいと思う。


―― ミンメイは、歌に愛されてるんだ

おわり

あとがき

輝、Lonelyだな ・・・ 。

8ヶ月ぶりの再会
Pメモによると輝とミンメイは、アポロ時代を挟んで8ヶ月振りに会ったそうです。そんなエピソードを描いてみました。カイフンとの仲や綺麗になったミンメイ辺りの輝の心情なども、Pメモより。私の設定では前回会ったのが5月中旬(SS「揺れる想い」)で、このお話が1月末。ちなみにミリアの出産は予定日が2月で、実際は遅れて3月(「マクロス年表」より)です。

Pメモ
TVやCD「MACROSS CLASSIC」やムック本「マクロスグラフィティ」等と矛盾が少しあって、イベントと時期、輝 ・ 未沙 ・ ミンメイの気持ちの流れ等の設定が混乱しやすいですね。まあ、都合よいトコ取り ・ オイシイトコ取りで楽しんでいます。幾つか書き上げて矛盾していたら、多少変更するかも知れません。「これオカシ過ぎだろ」と気付いたら、教えて頂けると嬉しいです。

町会長さんは何弁?、という感じでしょうか。よく分からないで書いています。

St. Valentine's Day
 2月14日は、世界各地で男女の愛の誓いの日とされる。もともと、ローマ皇帝の迫害で殉教した聖ウァレンティヌス(バレンタイン)に由来する記念日である。

 当時のローマでは若い男女の生活は別で、この日は家庭と結婚の女神の祝日だった。娘達は名前を書いた札を桶の中に入れ、祭りの日に男達がそこから1枚ひいた。ひいた男と札の娘は祭りの間パートナーとして一緒にいる事と定められ、多くのパートナー達がそのまま恋に落ち、そして結婚した。
フリー百科事典「ウィキペディア(Wikipedia)」参照


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